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愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
Ⅲ 親と子

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いいえ、私と神だけは


 この数日の中で、一番長く書いた懺悔日記。

 アキヤの心を揺れ動かした无子の過去。

 今までにない壮絶な過去だった。

 アキヤが書いている途中、涙を禁じ得なかった。

「酷い。酷いですよ、これは」

 万年筆を握る手に力を込めて、アキヤは怒りに打ち震えた。

「私の神が黙ってないですよ……。こんなこと、許されるわけがない。无子さんは何も悪くなかったじゃありませんか。過ちを犯した……でもそれは……」

 アキヤは首を振って、目尻にたまった涙を飛ばした。

「でも私が感情的になってはいけないんですよね。私は仮聖職者の身。これからきちんとした聖職者になるんですから。こんなことで泣いていてはいけませんよね」

 アキヤはグッと拳を握り締めて、ふうと息を吐いた。

「人間、誰しも一度は過ちを犯します。ですが、きちんと反省する心も持っているはずです。そうでなければ、人間の繁栄はすぐに途切れていたと思いますし。一年に換算すればたったの数日だけしか生きていない人類でも、繁栄した時は長いですよ」

 椅子を引いて、アキヤは立ち上がった。

「愛は必要悪で正義と言います。禁断の愛であろうが、それは必要な悪であり、正義なのです。无子さんのケースも変わりません。私はそれを許します。許すための教会なんですからね。世間が許さなくても、私だけは貴女の味方でいましょう」


「いいえ。私と神だけは」

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