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愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
Ⅲ 親と子

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傷の舐め合いでもいい

 人間的にダメダメな自分でも、无斗だけは好いていてくれる。

 他の誰が理解してくれなくても、无斗だけは自分を好きでいてくれる。

 无子は更に過ちを犯す。

 次は決して許されない過ち。

 无斗が大きくなったら、一つになろうと思ったのだ。

 それも一度や二度で終わることのない、永遠の愛で二人は繋がった。

 无子の想いを无斗が拒むことはなく、无斗もまた无子への愛を行為で示す。

 二人はベッドで語り合う。


「私のこと、一人の女として見てくれるのは、无斗だけだよ」

「俺も……そう思う。俺はずっと、母さんのこと大好きだから」

「ねえ、无子って呼んで」

「无子」

「愛してるって言って欲しい」

「愛してる」

「嬉しい……私も无斗のこと、世界で一番愛してる。これからも繋がろう。誰にも邪魔されない、私たちだけの世界だよ」

「わかった。无子のこと守れるのは、俺しかいないから」

 初めて繋がったのは、无子が二十四歳、无斗が十二歳の時だった。

 无子はそれが悪いことだと知らなかった。

 无斗も知らなかった。

 愛がある者同士でする性行為は、正しいものだと信じて疑わなかったのだ。

「私は本当の愛を……知った気がするの」

「俺も」

「これが、正しい愛なんだね」

 それが間違っていると気づいたのは、三十を過ぎてからだった。


 无斗が十八歳になった頃、无斗に邪険にされて愛し方を間違えたことに初めて気づいた。

「母さん、俺たちおかしいんだって」

「おかしい……そうなの」

「もうやめよう。俺は母さんのこと今でも大好きだけど、それはおかしいって言われたんだ。親子で愛し合うなんて、気持ち悪いって言われた」

「そんなの、他人が言ってることじゃない……。愛し合ってるのに、おかしいことなんて……おかしくなんて、ない……のに」

 无子は言ってから自分の発言を顧みた。

 あの少年が言っていたことと同じことを言った。

「それに……俺にも好きな奴ができるかもしれないしさ」

「嫌……そんなの、嫌」

「何で?」

「私から離れていっちゃう……」

 无子は无斗にしがみついて、子供のように駄々を捏ねた。

「俺だって、いつかは親離れしないといけないと思ってるんだよ。わかってくれよ」

「私の気持ちもわかって欲しいの」

「……」

「あなたがいないと、私は生きていけない」

「……わかったよ……いなくならないから……」

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