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愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
Ⅲ 親と子

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28/96

初体験をしよう

 无子は何も悪くはないのに、友人はどんどん去ってしまった。

 どうして友人がいなくなっていくのか、无子はわからない。

 とりあえず別れようと思って、无子は未だに曇らない恋心を胸に秘めて少年を屋上に呼び出した。

「何? 何の告白?」

 少年は无子の心の内を読めず、半端に茶化した。

「私たち、別れた方がいいよ」

「……」

「みんな、私と〇△君のこと、祝福してくれてない。だから、別れないといけない……そんな気がするの。今でも好きだけど……でも、そうしないと私はまた一人ぼっちになってしまって……それは嫌だから。友達も欲しい。恋人も欲しい。でもあなたじゃダメみたい……。わがまま……かな」

「みんなが言うから、そうやって言いなりになるのって、何か変だろ」

 无子の考えを少年は否定する。

 果たして、そこに愛はあったのだろうか。


「変? 変じゃないよ。私と〇△君は合ってないってみんなが言ってるから」

「なら誰なら合うって?」

「それは……」

「ほらわかんないんだろ? それってさ、要するに嫉妬ってことじゃねえ? 俺とお前のお似合いカップルが気に入らないから、みんなそうやって意地悪言うんだよ。恋愛なんてそんなもんだぞ? 俺がモテるからって、お前は何も気負う必要ないしさ。お前だって、美人だしモテるだろ。俺のこと僻んでる奴もいっぱいいるって。逆境を跳ね返してこそ真の恋人ってやつ。俺らはそういう風になるから」

「……うん……」

「じゃ、今日……ホテル行こうぜ」

「え? 泊まるの? どこに」

「ラブホだよ。そんなもんも知らないのかよ」

「何それ」

「気持ちを一つにする楽園だよ。俺たちの気持ちを一つにするんだ。じゃあ、学校終わったら一緒に行こうぜ」

「中学生が行っていいところ?」

「大丈夫大丈夫。化粧してくれば、ばれないって」


 付き合って数週間。

 无子は少年の言われた通りに、何でもしていった。

 少年に全幅の信頼を置いていたわけではない。

 素直になりすぎてしまった无子が、人の言うことばかりに耳を傾けたからだ。

 そして、あることをきっかけに、一切自身の意見を言わなくなっていった。

 全ての判断を他人に委ねるばかりで、自分という存在を殺したのだ。




 ラブホテルに行って、年齢確認もされずに二人は部屋に通してもらったのだ。

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