報われない二人の恋
「ドスルコトモデキナイ。デモオマエノコト、スキ。ダイスキダヨ。アノトキモ……ハズカシクテ、イエナカタ。ワタシ、ハズカシガリ、ダカラ」
アリエスは赤面して、自身の性格を打ち明けた。
「オマエトイッショ、ナリタカタ……デモ、ムツカシイ」
アリエスはマルクの目を見て言う。
互いに愛し合っているのに、人種が違うだけでその愛は認められない。
多分、マルクの親も人種差別をするだろう。
そしたら親と縁を切らなければならないのか。
いや。今まで育ててくれた親に対して何たる仕打ち。
何たる親不孝。
そんなことはできない。
好きなのに、歯痒い。
「ワタシノコト、スキ?」
「スキ……」
「ジョソウシテモ?」
「ウン」
「……ワタシモ、スキ。アリエスダケガ、ワタシノコト、ワカテクレル」
「ソンナコトナイ。マルクノコトハ……マルクノカゾクガイチバン。ワタシジャナイ」
アリエスは悲しいことを言った。
マルクの良き理解者は、アリエス……自分ではなく、マルクの家族だと。
私じゃない、とアリエスは言ったのだ。
マルクは想いを拒否されたとショックを受けた。
「ワタシ、ジャマ?」
「……チガウ」
「ワタシニハ……ソンナモノ、カンケイナイ」
「……デモ、キマリハ……ヤブレナイ」
「イッショニ、ニゲヨウ」
「ニゲテドウスル? アノトキミタイニ、ニゲルダケデ……ナニモデキナイノニ」
アリエスに言われ、マルクはハッと目を見張る。
「……!」
そこで男らしく、逃げることは戦うことだと言えれば良かったのに。
女の子よりも女の子しているマルクには、言えなかったのだ。
アリエスの方が、マルクよりも男らしく、カッコイイ。
「ムダナコト、ヨクナイ」
アリエスは首を振って、マルクにはっきりとそう告げた。
「ジカンノムダニナル。オタガイノタメニ、ワタシトオマエハ、モウアワナイデオコウ。ソウシナケレバ、イケナイ、キ、スル」
「……ウン……」
「エライ」
アリエスは白い歯をこぼし、マルクの頭を撫でた。
「ワタシノニホンゴ、オボエテクレテ、アリガト」
「……アリエス」




