アリエスに会いたい
それでもマルクはアリエスに会いたい一心で、無我夢中にアリエスの居場所を捜した。
アリエスのことを知っている人間に聞き回り、アリエスの人相画を描いて聞き込みをした。
どれだけやっても有力な情報を入手することはできなかった。
愛だけでは叶わないこともあるのか――そう嘆いた矢先、アリエスらしき人物を発見。
町を歩いていた麗しい少女だった。
アリエスとは似ても似つかない。
「アリエス……」
恋焦がれていたマルクは、アリエスだと確信したわけでもないのに追いかけた。
まるでストーカーのように、しつこく追いかけた。
数年ぶりの再会は、きっと情熱的でハグの一つでも交わせると思って。
アリエスらしき人物の肩を叩き、マルクは名乗った。
「ワタシダヨ。アリエス。マルク、ダヨォ」
少女が振り返る。
怪訝な表情をしていた。
「ソーリー」
少女はマルクの手を振り払って、駆けていった。
マルクは何も言えずに、茫然と突っ立っているだけ。
やっと会えたと思ったのに、とがっくりと肩を落とす。
「アリエス、アイタイ」
マルクはアリエスの行方を懸命に掴もうと再び町中を捜した。
息が切れて血が出そうになるくらいまで大声で叫んだ。
もう会えないのか――、そんな答えが脳裏を過ぎる。
「ナニ、ナイテル」
「……!」
その懐かしい声はアリエスのものだった。
マルクは泣き出してアリエスに抱きつく。
「アリエス! ワタシ、ワタシダヨ」
「ナ、ナニスルゥ」
アリエスはマルクの後をついてきていたのだ。
こんなに近くにいるのに、気づかないマルクも間抜けだが、本当に見つけたいものは、捜しても見つからない。
捜すのではなく、周りを見るのだ。
心を落ち着けてしっかりと目で見れば、見つからないものはないはず。
マルクには見えていなかったこと。
「アイタカッタ」
「ワタシモ……」
ぎゅと抱き返すアリエス。
マルクは感極まって、頬にキス。
挨拶をした。
「ヤメテ」
ぐいと押し返して嫌がるアリエスに、マルクは傷つく。
「ドシテ? ワタシニアイタカタンジャ」
「アイタカッタ。デモ……ワタシハモウ、マルクトハ……イッショ、イラレナイ」
アリエスは目線を落として、マルクの顔から目を逸らした。
「ワタシ、コクジンテ、イワレテル……。マルクハ、ハクジン……ダカラ、ツキアエナイ。ワタシノオヤ、イヤガル。トモダチニモ、モウナレナイ」
「ソンナ」




