第52章:【逮捕・収監 ・公判 ・判決 ・死刑確定 ~ 死刑執行】(6)
宮崎容疑者は、検察官から、長い時で3~4時間に及ぶ取調べを連日受けている。
その最中は淡々としているが、突然怒鳴ったり、泣き出したりすることもあるという。
“悲劇”を起こした罪の償いは、まだこれからだ。
検察側は、事件の動機を、「わいせつ目的」として起訴した。
捜査段階で詳細な自白をしたとされた宮崎被告は、90年3月30日、東京地裁の初公判で、「殺意はなかった」「わいせつ目的で誘拐したことはない」
などと起訴事実の一部を否認したうえ、「(女児の一人の)両手を焼いて食べた」と、衝撃的な陳述をした。
事件全体については、「覚めない夢の中でやった感じ」と述べた。
その後の被告人質問で、誘拐時の状況を、「女の子に出会って、急に子供の頃に帰ったような気持ちになった。一心同体になってドライブの中にあった」などと説明。
殺害については、「信頼していた女の子が泣き出して急に裏切ったとき、全身がネズミ色で、顔もネズミの『ネズミ人間』が出て来て、逃げ帰るとき、女の子が倒れていたような気がする。」
などと、意味不明の供述を繰り返した。
遺体は「肉物体」で、遺体の切断行為は、「子供の頃にTVで見た、改造人間の改造手術」「女の子の(遺体の)血を飲んだ」
と明かし、
「夢の中に(被害者の)子供たちが現われ、ありがとうと言っている」とも供述した。
公判出廷中の宮崎被告は、法廷内でのやり取りには興味を示さず、常に便箋に何かを描き続けた。
「私の車とビデオテープを全部返してほしい」
「(被告人質問は)ハレの舞台」などと述べたこともあり、宮崎被告の不可解な言動は「演技」と疑う見方もある。
1,2審は「拘禁」の影響と判断し、動機を「わいせつ目的」と認定した。
だが、審理に携わった経験のある法曹関係者は、「彼の心の奥底までは、誰にも分からない」と話す。




