第3話 恋の行く末
翌日、一ノ瀬焔は会員カードを持って『ティータイム・ミステリー』で紅茶を飲んで登校した。すると、焔の表情を見た春川が近づいて焔の手に触れる。
「よぉ!焔、なんか元気そうだな。…って、手が冷えてない!どうしたんだよ?熱でもあるのか?」
それに対し、焔は笑顔で答える。
「何言ってんだよ。春川が教えてくれなかったら今の僕はいないよ。」
春川は首を傾げたが、すぐにチャイムが鳴ったので、会話を強制的に終了した。
それから、焔は体の冷えが無くなって以前より勉強や運動に集中できるようになって、さらには心の余裕ができたおかげで人と仲良く振る舞うこともできるようになった。そして、ついに翡翠川園子と友達になり、頻繁に話せるようになった。
――しかし、それを機に今までの大親友だった春川とはめったに話さなくなり、距離も遠のいていった…。
春川は焔を見かけて挨拶してもどこか上から目線の嫌な奴になってしまい、焔自身が春川との交流を極端に嫌がるようになった。その理由は園子との仲を深めたいこともあったが、一番の理由は「紅茶の効果が切れそうで店が閉まる前に飲みたいから」だった。
春川は焔の突然の変化のことをずっと考えてながら、校舎の裏を歩いていた。
「…俺、なんかしたかな…。って、ん?」
すると、園子と焔が二人きりで向かい合っていた。焔の手にはピンク色の手紙が握られている。その様子を見た春川は咄嗟に校舎に隠れて二人を見守ることにした。春川の顔は赤く、心臓の高鳴る音が二人に聞こえそうで服の胸のあたりをグッと握る。
「ついに、やったのか。…あぁ、心臓がうるせぇ。焔、ようやく叶ったな。お前の長年の望みが!」
一方で、園子は体をもじもじさせていたが、緊張まじりに思いを込めて声に出した。
「…あの、一ノ瀬君。私、頭も運動もできるあなたが好き。だから、付き合ってください!」
――しかし、返ってきたのは思いにもよらぬ一言だった。
「…は?やだよ。お前みたいな女、この僕と釣り合わないだろ?」
焔の瞳はとても冷たく、本当に"雪女"のような氷の心がひしひしとあたりに伝わった。
※この物語はフィクションです。




