何かが起こっている
いい事件が浮かばないので
ちょっと2週間から1ヶ月消えると思われます
殺人事件じゃないといいですね(他人事)
相当疲れている自覚はしていたけど、眠ってしまっていたようだ。身体が暑いし頭がズキズキと痛んだ。天井がいつものガラスじゃない‥つまり事務所以外の場所なようだ。
「ここはどこだ。点滴してる?病院?成る程。」
推理における点を声に出して言うと、自然と線になる。いつもの癖だ。
ここは、病院。僕は熱を出して運ばれ点滴を打たれている最中だ。
それにしても、暑い。身体が怠いし頭が吐きたくなるほど痛い。脳みそが動いているだけマシだ。
不意に過去の記憶がフラッシュバックする。ああ、一酸化中毒で死ぬかと思ったやつ。確かこんな症状だったような。
ん‥‥もしかして。
僕は周囲を見渡し、とある暖房器具に目がつく。
「うわ!練炭だ!!」
驚きで叫び、なんとなく状況を推理して、ため息を吐いた。
「ハァ、命狙われてるなー。鬱だ。ほんと“誰”の仕業なんだか。」
ベットの横に据え置きになっている筈の緊急呼び出しボタンを探す。
「あった、けどペンチで切られているや。連絡いかないな。仕方ない。」
動きにくい身体に気合いを入れてベッドから降りる。点滴は無理矢理外した。血が若干出たけど、他があまりにも痛くてどうでも良くなっていた。
とりあえず窓を確認するーーー壊されていて開けられない。目張りもされている。
やっぱりそうだよな。
暖房器具を蹴り倒し火を消す。壊すと現場が保たれないのでそこは気を付けた。
これで時間は稼げるだろう。
ドアはーーー外側から鍵がかかっていて、内側からは開けられない。
ふと、僕は自分の服が運び込まれる前のままになっている事に気づく。僕は髪ピンを手探りで探す。
「なんでこんなライフハックを情報屋の灯口から教わってんだろ。あの野郎、昔こそ泥でもしてないと良いけど。」
鍵穴に髪ピンを刺してピッキングでドアを開ける。これ鍵穴交換代幾らになるんだろう。向こうのでっかいガラス割るよりは安いはず‥うん、考えるのをやめよう。
目張りを剥がしドアを開けると綺麗な空気が部屋に入ってくる。少しほっとした。
僕は廊下を壁にもたれながら歩き、看護師を探した。おかしい、居ないじゃないか。今の時間的に、そうか、昼休憩を狙ったんだ。
僕はへたり込み、ポケットでスマホを探した。ーーーあった。
本当に緊急で点滴だったんだな。追加入院あるぞこれ。うへぇ、最近入院したばっかなのに。
まぁこれだけ緊急だったなら、所長と渡田さんの大人組が受付で待たされているだろう。
ゆっくりと所長の電話番号を探しだし、電話をかける。
「もしもし?これは本当に薫くんかね?君は誰だ?」
はは、そりゃ疑うよな。
「本当に僕ですよ、はい。」
「一体どうしたのだ⁈明らかに具合が悪そうだぞ⁈」
病院にいるくらいだしな。具合は悪いだろ。
僕は連絡が付いた安堵と共に一瞬吐きそうになった。エチケット袋もないのに吐くわけにはいかないので耐えた。
えーっと、これは耐えなくても良かったかな?
「起きたら閉じ込められた上にガンガン燃えた練炭置いてあって殺されそうになったのでピッキングでドア開けて逃げてきたとこです。今ちょうど看護師が昼休憩みたいで誰も居ないので所長に探して貰いたくって。もう歩けないんです。」
「そ、そこは流暢に話すんだな。」
所長のツッコミに反応しようと思ったら咳と吐き気一緒くたのやつがきて咽せた。なんにも出てこなかったけど。
「若干一酸化中毒の症状と確実に風邪症状があるな。今、渡田さんが居るから一緒に探す。大人しくそこで待っているのだ。」
「はーい、わかりました‥」
所長の方から電話を切られ、僕は床に倒れた。冷たい床が心地よかった。
しばらく経つと、急いでこちらに向かってくる足音が数人分した。
「ーーー!薫!おいてめ起きろ!」
「‥なんですか」
「起きてんのかい」
僕は起き上がる。医者と看護師がついてきているようだ。助かった。
「薫、後で事情聴取な。」
僕が頷くと、渡田さんは帰って行った。
医者と看護師が僕を診る。
「具合はどうですか?立てますか?」
「立てません、あと」
僕は両手で口を押さえた。結構ギリかもしれない。
「エチケット袋下さ”い。」
⚫︎
なんだかんだで症状が落ち着くのに夕方までかかってしまった。それからはてんやわんやでまた具合が悪くなるんじゃないかと思った。
知らん間に勝手に尊敬されて勝手に子分になってる奴から心配の電話が大量に来て、圭がすっごい泣きながらやってきて、医者からは酷い生活習慣と偏食を叱られ。
事情聴取をする頃には日が暮れてしまっていた。
「事情はもう聞いたんだがな。ちょっと俺から伝えたいことがあってさ。本当はお前が倒れなきゃ昼からでも伝えたんだが。」
その場には事務所メンバーもいて、なんとなく察した。僕だけベットで事情聴取を受けている状況だ。この前はユリアスさんだったような。
「黒蜥蜴ですか?久しぶりですね、この名前出すの。」
渡田さんは笑って頭を掻いた。
「その通りだな。そいつから薫を殺す事を仄めかす内容の届け物が、お前がコテージに行っている間届いていたんだ。」
これに圭が反応する。
「結構前じゃないすか!伝えるの遅くないですか?」
僕も思ってるよ、いいぞもっと言え。
「うるせぇだまれ。あの後すぐにインターン生としての関係性が無くなったから色々と面倒だったんだよ!」
「うわー雑だね、とだっち。」
「モモは黙っとけ。」
僕はある事を閃く。多分所長も同じ考えなんだろう。
「渡田さんが言いたいのは、もう推理家事務所として一回で連絡とか対応を済ませてしまいたい、という事ですね。監視も警護も楽ですし。」
僕の分かりやすい前振りに所長が満足げに頷いた。分かりやすい人だな。
「ということで2人とも、ウチ来ないか?むしろ決定事項なんだがな。」
僕と圭は互いに見合って頷いた。
「はい、そのつもりでした。」
「やってやるっすよ!」
所長が笑った。もう珍しくも無いな。
「しっかり働くのだ。私が机上で全て済ませたいからな。」
僕らは早速上司にケチをつけた。
「アンタ現場行くだけで他全部任せるよな!」
「所長はどうして推理以外は人任せなんですか!」
所長は僕らのケチを鼻で笑った。
「なんだ、今月の給料減らされたいのか?」
きっと、この会話をこれから何度もするのだろう。僕は白熱する論争を側に欠伸をした。
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