フィナーレは夏風に運ばれて(5)
ギリギリ(間に合ってない)投稿です。
会話多めです。
眠い。
薫はしばらく笑った。聞き耳を立てていた刑事達は気味が悪くなったのか、休憩室からばらばらと出て行った。
「もう一度言うが、お前苦労してんな。」
「本当ですよ。死にたいのはこっちだってんだ本当。あー!自分勝手過ぎる!人の事情も知らないで、あンのク⚫︎野郎。」
「唐突に笑うの止まるの怖いぞ。一回精神科行くか?」
薫はスマートフォンを取り出し、とあるメールを渡田に見せた。その長文過ぎる文章を読み切る前に渡田は感想を言う。
「これは、、随分と、杞憂と愚痴と面倒が絶妙に混ざった文章だな、、ストーカーなどの事件を担当するとこう言った文章を反吐が出るほど読む。」
その内容はこう言ったものだった。(長過ぎるので要約する)
『お前は生まれた頃から才能を持ってるから何の苦労も知らず生きてきたんだよな。羨ましい限りだぜ。俺は俺の全部を費やしてこの学校に入ったってのに。俺は何をしてもうまく行かない。あれもこれも才能を生まれ持つお前を含めたお前の様な奴らのせいだ。』
薫は渡田からスマートフォンを返してもらいポケットに仕舞う。
「どっちもクラスメイトでしたが、コイツに関してはアレだったので叱ってやろうとこの依頼を受けました。」
「おう‥なんだかリアクションしにくいぜ。」
長谷部はその話を咀嚼するのに時間がかかるのか、しばらく黙っていた。すると、長谷部は唐突に質問をしてきた。
「その迷惑な同級生は、今どうなっている?」
「ああ、そいつならどうゆう風の吹き回しか、今は逆に薫の事尊敬しまくってるって噂だ。多分薫のことだから見捨てられなかったんだな。依存してなきゃいいが。」
渡田は決まりが悪そうに笑う。そんな渡田に長谷部は苦笑いをした。
「おそらく恐怖に負けたんですよ。その臆病な彼は。」
「どうゆう事だ?薫は脅しなんてするタマじゃねぇと思うぜ。あ、灯口(コテージ人狼にて登場キャラ)脅してたわ。」
「そうじゃないと言うか、薫君、彼は少し“怖い”のですよね。」
「突然の暴言のことか?」
渡田の小ボケに飽きたのか長谷部はボケ続ける渡田を小突く。結構痛かったようだ。
「恐らく彼は何しても見捨てないから、罪悪感に勝てなかったのでしょう。」
渡田は納得がいくようで手を叩いた。
「ああーいいヤツ過ぎるが故怖いタイプか。人間らしくなくてな。まあ薫は誰の影響か暴言吐く分人間らしいがな。」
「渡田さんは一体何処から人間性を見出しているのですか。」
長谷部の表情は先程の固まった表情とは程遠くなっていた。許してはいないが、納得はしたようだ。
長谷部はクスクスと笑う。
「ユリアスの武器盗んだ件に関しては、貸し1ですね。」
それを聞いて渡田は頭を抱える。
「そうだな‥何で返せばいい?」
「そうですね〜割とすぐに出番きますね。フフフ。」
渡田はタバコを取り出す。
「はぁー。どうせロクなこと頼んでこないんだろうな。」
長谷部は火をつけようとしたタバコを叩き捨てローヒールで念入りに潰す。
「ウチの事務所タバコ禁止ですので。メンバーのボゥが気管支弱いの知ってるだろう。」
「バルコニーもダメ⁈」
「そうです。」
清々しい笑みを浮かべる長谷部に、渡田は逆らえなかった。
「はぁー車で吸うかあ。」
話がひと段落付いたのを見計らって来たのか、モモがバルコニーのドアを勢いよく開ける。
「仲直り中すいませんけど、薫っち40度近くの高熱出してるから渡田っち病院運ぶの手伝って!」
2人は一度顔を見合わせて、モモを2度見する。
「予想の範囲外だ。」
「ハァ⁈急だな!」
⚫︎
救急病院に運ばれた薫は、点滴を打たれることになった。医者曰く、栄養不足で免疫力が下がったようだ。
「全く、自己管理をしてほしい限りだ。」
再びキレ気味になる長谷部をユリアスが宥める。
「まぁまぁ。あんな所で緊張感すごいままで過ごしたんだから。」
「わかってる。医療費は後で彼の両親に請求するが。ったく、なんで保険証が無いのだ。」
「まぁ病院が受け入れてくれただけマシじゃない。」
エントランスの扉から秋を感じさせる夏風が吹いてくる。変わり目を感じさせる風だ。
事務所メンバー達は必要最低限の人以外は帰ろうとしていた。
一方、薫がいる部屋では、
「‥‥‥」
薫がぐっすり寝ていた。
今までの不眠を取り戻すかのようによく寝ていた。今の彼には物音しても届かないだろう。
「降宮薫‥降宮‥あったここか。」
そこに風変わりな客がやってくる。全身黒い格好で、暑そうなコートをしていた。顔は何かしらの仮面で隠れていた。
ちょうど良く薫がいる部屋周辺は看護師すら通っていなかったためその不法侵入者に気づかなかった。
不法侵入者はゆっくりドアを開け、薫がいる事を確認する。
「ビンゴ。」
不法侵入者は何か暖房器具を置き、窓の鍵を壊して内側から開けられなくした。再びゆっくり部屋のドアを閉めて、外側から鍵をかけた。
「帰ろ。」
不法侵入者は堂々とエントランスから出て行った。
数分後部屋が暑いので薫が目を覚ました。
「ここはどこだ。点滴してる?病院?成る程。」
秒で自己完結した薫は例の暖房器具に目が行く。
「うわ!練炭だ!!」
薫の寝起き練炭のリアクションの薄さ最高ですね。
身の危険迫ってるっていうのに。
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