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探偵嫌いの探偵さん  作者: Aluera
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何かが起こっている(2)

やはり、多少心が滅入ってないと薫の心情が上手く書けませんね。今回は疲れていたのですらすら書けました。元気な時は、「何考えてんだコイツ」ってなるので。


薫どんだけ病んでんだよ。


 憂鬱になりそうなくらい馬鹿みたいな爽やかな朝。僕は目を覚ます。


まったく、夜を病院で過ごす羽目になるとは。小説でも持ってこないと暇でしょうがない。夜はどうしようもなく長いんだ。

医者から食事や生活習慣に怒られたのならば、暫くはまともにしていないとまた面倒なことになるのだろうな。


味のしないモノ独りで食っても、楽しくもなんともないんだけど。

第一、味がしないって誰にも教えてないしね。

だって面倒なことになるでしょ?


⚫︎


 昼直前まで色々と診られて、ようやく解放されることになった。桐生とモモが迎えにきてくれた。

「よ!変装凄くて圭がいなきゃ誰か分からなかったぜ。ユリアスの指導のお陰かな?」

「え?私服と眼鏡ってだけでその他まんま小林だろ。」

「おーいうそだろ。目ェどうなってんだ。」


桐生はユリアスさんの変装(男装)見抜いたとこあるしな。実際凄いのかもしれない。


「そうそう所長(ルパン)曰く、病み上がりは労働させないってさ。うーん、ホワイトだね〜。明日から働くから大人しく家に帰れ!」


モモ、それは正反対のブラック企業が言うことだね。退院翌日に労働って。


「うっわこの事務所ブラックかよ。労働環境どうにかしろよ。こうやって薫も倒れたし。」

「はぁ〜⁈それはお前らが勝手にやりがい感じてサービス調査しただけでしょう⁈心ある程度捨てないといずれ限界が来るよ。」

「だとしてもモモはサイコパスだけどなー。」


本当この2人はよく言い合いするな。逆に仲良いのかな?


桐生が何かを考えつく。今の時間帯でなんとなく想像つくけど。

「そうだ、昼飯食いに行かね?」

「僕はいいけど…お金持ってない…」

「いいよいいよ。退院祝いって事で。奢るわ。」

肝心のモモは嫌そうな顔をした。

「男2女1でメシ?絵面キツくね?」


モモって世間体気にするタイプだったんだ。

桐生は相変わらずモモの地雷を踏み抜いた。

「あっそか女子か。」

流石に今のはやばいんじゃないか?

「おいwお前は地獄に堕ちろ。」

うーん、ノリって難しいな。


 僕らは吉◯家に行くことにした。病み上がりで牛丼っていいのか?いや、ここは胃薬を使って緩和させよう。


「お待ち〜並3つ。」

談笑をしながら食べ進める。2人は食べ終わるのが早くて結局待たせてしまった。桐生は僕の牛丼の残り具合を覗いた途端に血相を変えた。

「おい小林、牛肉食ってからご飯行くタイプなのか⁈」

「初めて見た。えっと味覚ダイジョブ?」

そうか。牛肉にしか味がついてないのか。


「えーそうかなぁ」

なんとなくお茶を濁した。


 話題はいつしか推理トーナメントへ切り替わった。今年は参加出来るのだろうか。

僕はあんな目に遭ったからもう2度と出たくないけど。でもどうせ学校から出ろって言われるんだろう。

僕はふと、あることが気になった。


「そういえば、僕って学校代表参加じゃなくて事務所代表になるのかな?」

モモは首を振った。

「絶対に無いね。ルパンは色んなとこにスタンスを貫いて喧嘩売ってるからウチの事務所代表だったら参加権問答無用で取り下げだよ?」

「所長一体何をしたんだ。」

桐生は置いてあった無料の紅生姜を食べながら彼なりに推理していた。

「きっと探偵界とかの偉い人に“お前は敬語を使う程の価値は無い”とか“そもそも私は探偵が嫌いだ”って言ってめっちゃ怒られたんじゃね?」


おっ珍しく冴えてる。


桐生は感情や性格に関わる推理は僕より優れてる。僕が言わずしても言いたいことが分かってくれる。勿論、嫌な事も分かってしまう。

「キャハハッ、ルパンなら言いそー。あの人自分のスタンス曲げる気一切ないし。だから私は付いてきたってとこあるけど。」


きっとモモと所長は上司と部下であり、友人でもあるんだろうな。ややこしい。

そう思ってる間に僕も牛丼を食べ終わった。

「あっ食べ終わった?この後どうする?」

「病み上がりを休ませろ」

「そーだぞ桐生君。」


 僕らは店を後にした。

「2人はどうするの?」

2人は即答した。

「学校の午後枠授業。単位ヤバくて。」

「事務所に戻ってドローン(飛行模型)のメンテナンスと監視カメラ映像のチェック。」

こうしてそれぞれの場所へ向かった。


 家に帰るのはいつぶりだろう。昨日は結局近くのホテルに泊まらされたんだった。

今もこうしてマスクと眼鏡で軽めな変装しているし。制服は学校バレるから私服だし。

もうマスコミいないよね。


 急にメールの着信音が鳴った。親からだ。

『前のアパートが改修工事をするらしいのでので別のアパートへ引っ越しました。場所のなぞなぞ送ります。』

え、いつの間に引っ越してたの?そして今それを送るタイミングの良さーーーーやっぱ敵わないな。


なぞなぞは画像の地図とヒント通り路線図を見比べながら線を引けば、自ずと場所が導き出された。

凄いな。あの人どうやってこの条件で矢印できるって発見出来るんだよ。

こっち方面にアパートはひとつだけ。ダミーである確率は低い。

でも、何号室か分からないと。

まさかね。


僕は急いで近場の駅でチケットを買い、導かれた場所へ向かった。どうやら郊外へ越したらしい。なんだか申し訳ないな。

快速電車に乗ったついでに最近親から貰った機械で自分に発信機が付いてないかチェックしてみた。使い心地知りたいって言ってたし。

「モモがそこまでするとは思えないけどなー。」

その機械は赤く光って反応を示した。

「‥僕で新製品試すとかふざけてんのか。」


キリキリと高い音を鳴らす小さな機械をみて無性に腹が立った。監視されるのは得意じゃないんだよ。こっちも嫌がらせ返してやる。

僕は敢えて落としたペットボトルを拾うフリをして、前方の席で寝ているサラリーマンのキャリーバッグの底に取り付けた。


2、3駅先で降りて行く寝ぼけたサラリーマンを見てほくそ笑んだ。


ざまあみろ。




 降りた駅で再び別の変装(別の伊達眼鏡)に変えた。だって事務所の人達がふざけて僕の新しい実家を追ってるらしいし。不動産情報でもみれば一発だろうに。


何故ここまでするって?


今所長が家に来られたら本当に面倒なんだよ。


”あの人“が居る時は本当に面倒だ。

説得上手な桐生がいない状態で何処から説明すればいいんだ。今、ヤベー奴に命を狙われているって状況を。


重々しい足取りでも、目的地には着くわけで。

「えーっと、矢印矢印‥」

見渡すと分かりやすくアパートの入り口に矢印が書いてある看板があった。きっとここから着想を得たなぞなぞなんだろうな。

看板の裏を探ると、やはり紙が貼られていた。

「半分に折って鏡でみれば、はい解決。308号室。」

こんな分かりやすくて良いのかと、ダミーを覚悟しながら308号室へ向かう。


インターホンを押す。

しばらくするとドアが開いた。

「遅いぞ。ーーーーーおや?君は誰だ?」


その姿を見た時僕はへたり込んだ。

「ななななな‥」


「なんでウチに所長が居るんですかー!!!」

眼鏡着けるだけで人相操作できる薫どうなってんだよ

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