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「一ノ瀬」


「ん?」


「……おいで」


首を傾げる一ノ瀬。


そのまま手を引く。


軽い。


抱き上げる。


驚くくらい、簡単に。


デスクに座らせる。


大人しく、されるがまま。


……ありえねえ。


どこかで思う。


でも、止まらない。


「…抵抗、しないの?」


「どうして?」


当たり前みたいに返される。


「俺、調子乗るよ」


一ノ瀬がきょとんとする。


次第に、くすくすと笑い出す。


「いいよ、すきにして?」


「……言ったかんな」


一歩踏み出す。


距離が、ない。


一ノ瀬が目を閉じる。


あと少し。


あと、


触れるだけで——




ーーーーーピピピピッ


「………はぁ、」


え、なん、え?


俺は小学生なの?


流石に2日連続はきもいて。


しかもなんか進展してるし。


進展というか、


悪化というか……


おいでってなんだよ。


きっしょ。


言ったことねえだろあんなの。


え、なに?


あれ俺の中にあるの?


え、これ願望?


デスク座らせたいの?


きしょ過ぎん?


なんでデスクなんだよ。


もっとあるだろ普通。


……いや違う、そうじゃない。


そこじゃない。


問題はそこじゃないぞ。


「すきにして」って、


絶対言わないだろ。


言われたら止まる自信ないし。


……くそ。


羨ましいな。


「………は?」


いやいやいや。


引くわぁ。


我ながら最低だわぁ。


どこ向かってんだ俺。


今日も絶対集中出来ねえじゃん。


「……また残業かよ……」




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