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クリと勇者と選択肢 〜チート剣とトンデモ技で昔の自分が作った中二病全開のゲーム内異世界を攻略する〜  作者: チームつちのこ
十五章 はじまりの終わり

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80話 魔王討伐、そして

「魔王討伐、完了!!」

「これが昏き太陽の勇者、永太だ!」

 ちょっとカッコつけすぎな気もするが、リナに怪しげなフラグを立てられるよりは全然イイ。


 剣を高らかに掲げ、僕はそう叫ぶ。


 



 パァァァァ……



 吹き飛んだ天井から見える空、そこから覗く太陽の光が僕を照らしている。

 まるで僕達の勝利を祝福してくれているようだった。

 うーん、クサい、



 剣を下ろし、感慨深くアンニュイな顔をする僕。

 凄まじい技を出したチート剣をアイテムボックスにしまうと、声が聞こえてくる。



「……ぅあぁぁああっ」


「……永太様〜」

 そう叫びながらモモが僕に抱きついて来た。



「永太様〜、やったんでずね」

「うぁぁぁぁぁあぁぁん」

 嬉しすぎなのか、モモがボロボロと涙を流しながら叫ぶ。


 あの魔王を倒したのだ、一時期はこの国の存亡も危ぶまれていたが、それも終わった。

 今までこの国の姫として気丈に振る舞っていたのだろう。

 その責任感と重圧から解放されたからか、この涙も当然だろう。



 で……当の僕はと言うと、いきなり抱きつかれてちょっとドギマギしてしまっていた。


 泣きながら可愛い女の子が抱きついて来たのだ、当然と言えば当然だよ!


 とは言え、泣きながらも嬉しそうなモモを見て、そっと抱きしめ返す。

「モモ……」


 なんてしっとりと感動のシーンをしようとしていると、

「あんたモモになにしてんのよ!」

「いやらしい!」

 リナがそう言って、近づきながら食ってかかって来る。


 ぁ、いや……これはセクハラじゃないよ。

 モモから抱きついて来たんだし!

 なんて脳内で言い訳を並べ立てる僕。



「まぁまぁ、リナ姉さん」

「姫様が正室で確定なんですから、私達は側室止まりですよ」

 ん?なんかレナが変な事を言い始めてる気がしたが、あえて突っ込まない事にしよう、うん。



「ふん!分かってるわよ!」

「とにかく……」

「あんたにしては良くやったわね」

「私には敵わないけど!」

 リナが分かったようなわからない様な負けず嫌いを発動して、僕に対しそう呟く。


 なんか褒めることに慣れてなくて、照れくさそうに話す所が可愛らしい。



「お見事です勇者様、カッコ良かったです」

 レナはリナと違い、魔王討伐を素直に褒めてくれてとても嬉しい。



「……永太はやっぱり」

「勇者だった」

 クルミも独特な感じで僕を讃えてくれる。

 うん、最初から勇者だったけどね!



「ふふっ」

「予想以上です、流石ですね」

 ミアさんもそう言ってくれて、嬉しい限りである。



「やはり伝承は本当だったのですね」

 モモが泣きながら叫ぶ。



【勇者の伝承】

世界が闇に包まれし時、

竜の炎を纏いて昏き太陽が西から昇る、

その太陽はやがて大きくなり闇を祓い、

世界は再び輝きを取り戻すだろう。



 まさにその伝承通りに闇を祓い、魔王を打ち倒した。

 その輝きは再びこの国に平和の光を取り戻すのだろう。


 なんて脳内でセルフナレーションが流れる。



「良かったです……」

「永太様に会えて」

「永太様ご居なかったら……もう」

 そこまで聞いた所で、嬉しくてそう泣きじゃくるモモの肩を持ち、僕は呟く。



「いや」

「僕だけの力じゃ無い」

「ここまで来れたのはモモやリナ、クルミにレナ」

「ミアさんに、王国のみんなが居たからだよ」

「……だから、この平和は」

「みんなで勝ち取ったものなんだ」

 なんか凄いクサい台詞を言っている自覚はある。

 でも、こういう事はちゃんと伝えておかないと、俺様ツエーだけの傲慢勇者になっちゃうからね!


 実際、みんなの力が無ければここまで来れなかったし、リナの死亡フラグ回避も難しかっただろう。


 だからこの魔王討伐は僕一人のものでは無く、みんなの手柄だ。




「ふ、ふん」

「分かってればいいのよ!」

 リナが横目で照れくさそうに、僕に対し話す。


 みんなの勝利なのは当然と言えば当然なのだ、五人?居た暗黒四天王(ダークフォース)の内、僕が倒したのは二人だけで……あとはリナやクルミが倒してくれたのだから。



「……それに」

「まだ戦いは終わってないよ」

 そんなリナに僕は呟く。



「へ?」

 僕の言葉の意味をあまり理解出来てなさそうなリナが、素っ頓狂な返事を返して来る。



「……そうですね」

 ミアさんは理解しているようで、すぐに話を合わせてくれる、流石ミアさん。

 やっぱり隠密特殊部隊の人達は察しが良くて助かります。


「……魔王軍」

 同じく隠密特殊部隊なクルミも、僕の言葉の意味を分かっているようで、その答えを言ってくれる。



「うん」

「魔王は討伐出来たけれど、まだこの王都には魔王軍が残っている」

「その魔王軍を食い止めてくれている防衛線を助けなきゃ」

「まだまだやることは一杯残っているよ」

「ね、リナ」

 僕はそう言って、リナに微笑みかける。



「そ、そんなの分かってたわよ!」

「今やろうと思ってたのよ!」

 明らかに今理解した風の挙動なのだが、僕はあえて突っ込まずに笑顔で答える。


 例えるなら勉強を今やろうと思ってた所だった!と主張する小学生の様だ、なんて思ったがとても口には出せない(笑



「残った魔王軍も、ぶっ飛ばしに行かないと!」

 そんな事を考えていると、照れ隠しなのか声を荒げながらリナはそう叫び、再び剣を構える。



「ふふっ」

「じゃあ姉さん、行きますか」

 リナの様子を微笑みながら見ていたレナは、そう言ってリナと同じ様に剣を構え直した。



「グズグズしてないで、さっさと行くわよ!」

「勇者永太!」

 なんか怒ってる様に見えて、実は僕を認めてくれた感じで喋るリナ。



「そうですね」

「まだ終わってません、この国の平和の為に……」

「行きましょう、永太様」

 そう言ってモモも、嬉しそうに僕の手を取る。



「……行く」

 隣に居たクルミも、そう呟きながら僕の服の端を掴む。

 相変わらず小動物みたいな動きで可愛らしい。




「よし、じゃあ行こう」

 僕はそうみんなに対して叫び、まだ魔王軍の残る王都へと向かった。



 魔王と戦った謁見の間から、元来た道を戻っていく僕達。

 王城内から外に出ると、王都内にはまだ大量の魔王軍が残っていた。


「いやぁぁぁっほぉぉぉぉおい!!」

 謎の奇声を上げながら魔王軍へと突撃していくリナ。


 相変わらずいつも通り、といった呆れ顔でリナの後を追うレナ。


 王国自慢の双輪の薔薇はここでも見事な花を咲かせ、魔王軍を撃退していく。




 なんだか最初この王都に突入した時よりもスムーズに撃退出来ている気がするな、なんて感じていると。


「極上封印結界の影響により、魔王軍もまた弱体化していますからね」

 ミアさんが僕の心を読んだかのように解説してくれる。

 相変わらずこの人は底が知れない、そしてそこがまたイイ。



「さぁ、わてらも行きますか!」

 なんて聞き慣れない言い回しの声が聞こえたので、その方向を向いてみるとそこにいたのは、ちびシャドウ。


 クルミの肩にちょこんと乗った、ちびシャドウ。

 先程までの大真面目魔王戦モードから、ちびシャドウに切り替えたのだろう。

 それだけでクルミも内心ウキウキなのが感じ取れる。



「そうだね」

 そんなクルミに微笑み返し、僕達も魔王軍へと向かって行った。



 リナとレナ、クルミとモモ、さらには僕とミアさんも参戦し、残党となった魔王軍を次々と撃退していく。


 極上封印結界の効果で大幅に弱体化された魔王軍はもはや脅威では無く防衛線のみんなの力もあり、もはや壊滅状態となっていた。


 魔王という旗頭を失い、統率の取れなくなった魔王軍は散り散りバラバラとなり、その殆どが元居た北の大地へと敗走していった。



 日が暮れ始める頃には王都周辺に居た魔王軍を完全に排除することができ、この戦いは僕達の完全勝利で幕を閉じたのである。

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― 新着の感想 ―
魔王討伐お疲れ様です❢❢m(_ _)m❢❢ ……と、思ったら魔王軍が残っているとはΣ(゜Д゜)!? まだ戦いは続いてゆくのですね!!(´゜д゜`)!!
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