↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クリと勇者と選択肢 〜チート剣とトンデモ技で昔の自分が作った中二病全開のゲーム内異世界を攻略する〜  作者: チームつちのこ
十五章 はじまりの終わり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
77/84

77話 あの時のミーカワ

 それは東の塔を開放し、ミーカワに戻って来た時の事。


 魔導図書館の奥の隠し部屋で、ミアさんから聖剣についてと悪龍退治の依頼を受けた後、みんなが部屋から出ていく中、部屋に残りミアさんと二人きりになった



 せわしなくリナとモモ、クルミの三人が部屋を出て行き、部屋には僕とミアさんが残った時点で僕はミアさんの方を見る。



「……」

「あら、愛の告白でもしますか?」

 何かを察して冗談交じりに話すミアさん。



「まぁ、それもいいですけど……」

「悪龍の対応をする代わりと言ってはなんですが」

「少し頼み事を聞いて貰ってもいいですか?」

 おちゃらけたミアさんの話を流して真面目な顔で喋る僕。


「ほぅ、何でしょう」

 僕の顔を見て真剣な顔に戻るミアさん。



「それは……」

「悪龍の対応をした後、僕達は北の塔へ向かいます」

  僕は静かに話し始める。



「はい、そうですね」

 ミアさんは静かに僕の話を聞きながら相槌を打つ。



「その北の塔で……恐らくですが」

「クリスタルが破壊される、可能性が高いです」

 僕はミアさんに向かって、サラッと衝撃発言する。



「……」

「詳しく聞いても、いいですかね」

 一瞬動揺した様に見えた気もしたが、すぐに冷静に問い返して来るミアさん。



「……えっと〜、詳しくは話せないんですが」

「多分、クリスタルが破壊されて四つの塔の結界が解かれてしまいます」

「あ、でも僕達が負けるとか……では全然無いです」

 さすがに昔の自分が作った自作ゲームだから、シナリオの流れを知ってるなんて言えない。

 しかも北の塔でリナが大変な事になるかもしれないなんて、とても言えない。



「……なぜ、そんな事が分かるのですか?」

 ミアさんがごく真っ当な質問を僕にぶつけてくる。



「ぁ〜、えと」

「……勇者の勘?」

 僕はいつも通り、リナやモモ達に言っている様な言い訳を使う。



「……」

「私の占い、みたいなもの……ですね」

 なんかミアさんは物分かりが良いようだ、と言うか僕の様子を見て余り深く追求しないでくれている様にも見える。



「……それで」

「私へのお願い事というのは、何でしょうか」

 さすが本題にすぐ入ってくれたり、こういう暗黙の了解や深く追求しない所は、隠密特殊部隊所属な所が大きいのだろう。



「もし、北の塔のクリスタルが破壊された場合……」

「その破壊されたクリスタルの代わりとして、コアクリスタルを設置し結界を再構築して欲しいんです」

「……」

「ミアさん程の人であれば、可能かと思いまして……ね」

 僕はそう言ってミアさんに微笑みかける。


 四つの塔にあるクリスタル以外で代わりになるもの、それは封印結界の要として使われているコアクリスタル。


 それを代用品として結界を再構築して欲しいとミアさんに要望する。



「……ふふっ」

「その聞き方はズルいですね」

「出来ないとは言いにくいですよ」

 そう言って、なんだか嬉しそうに僕に話すミアさん。



「まぁ本当はそんな事にならず、みんな無事ってのが一番良いんですけれどね」

「もしそういう事態になったら、お願いしたい……という訳なんです」

 本音を言えば、北の塔のクリスタルを破壊せずにリナの死亡フラグを回避出来ればそれがベストなのだが、今の所そんな名案は浮かんで来ない。


 なのでもしもの時の為の保険として、ミアさんにお願いしているのである。

 僕はそんな事を思いながらミアさんに微笑む。



「ふふっ」

「わかりました」

 ミアさんもそんな僕を見ながら微笑み返した。






「……という感じで、勇者様に熱烈なお願いをされましてね」

「吹き飛んでしまった北の塔のクリスタルの代わりは……」

「コアクリスタルです」

 そう言ってミアさんは、あの時話した内容のあらましと事の経緯を、僕達と魔王に優しく説明してくれた。




「ミアさんとそんな事を話して……いたんですね」

 あの時のことを思い出しながらモモが呟く。


「……師匠に任せれば、なんとかしてくれる」

「いい判断」

 ミアさんを師匠呼びするクルミからは、なんか師匠を信頼してる感がすごく伝わってくる。



「ってか!あんた最初っから北の塔を吹っ飛ばすつもりだったの?」

「どういう事よ!」

 凄い剣幕で詰め寄って来るリナ。

 そんなリナに、



「ぁ、いや」

「あの時はそうなる予感があっただけで」

「最初から吹っ飛ばそうとは思って無いというか……」

「結果的に吹き飛ばしちゃったんだけど……」

 言い訳というか……説明というか、詰め寄って来るリナに対して僕はがんばって話す。



「その判断に命を救われたんですよ、リナ姉さんは」

 そんなリナにレナがツッコミを入れて、僕をフォローしてくれる。

 うん、助かる〜。



「ぐぬぬ……」

 それを言われるとグウの音も出ないのか、リナがあからさまに悔しがって、


「もう!今度からはちゃんと話しなさいよ!」

「仲間でしょ!」

 と、リナとは思えない言葉を口から吐いた。



「ぁ、うん」

「……そうだね、仲間だから」

 おちゃらけて返すことも出来たが、ここは素直に返事する事にした。

 ただ、満面の笑みとウインク、親指を立ててGJ(ぐっど)ポーズのフルコンボでね!



「……キモ」

 と言われ、僕の渾身の笑みはリナの一言で一蹴されてしまった(涙



「ふふふ」

 そんなリナと僕のやり取りを見て、モモが微笑む。


「……ふっ」

 クルミもなんだか、微笑ましい物を見るような目で笑う。


「ぁはは……」

 レナはまだこのやり取りに慣れてないのか、はたまた暴言を吐かれた僕を心配してか、苦笑いしている。



「ふふっ」

 ミアさんは相変わらず飄々として、掴みどころのない微笑みを見せる。



「フハハハハハハ!」

 ぅ〜んと、この笑い声は……誰だろう。

 ちょっと下品な笑い声だなあ、と思っていると。



「策士策に溺れるとは、この事だな!」

 そう高らかに叫んだのは、魔王ゴブーゴだった。

 ぁ、そうかあの下品な声は魔王の笑い声だったのか。



「封印結界の要であるコアクリスタルを、北の塔のクリスタルの代用品として設置したのは悪手だったな!」

「四つの塔の封印結界が再構築されたとしても、肝心の封印の要となるモノが無ければ」

「この魔王ゴブーゴの力を封じ込めることはできんぞ!」

 ゴールデンでゴージャスなゴッドゴブリンの魔王ゴブーゴが豪快に豪語する。



「……そうですね」

 そんな魔王ゴブーゴに怯むことなく、静かに返事するミアさん。


「四つの塔で構成される封印結界は、国全体を覆う広域結界」

「範囲が広い為、効果はそれだけ低くなってしまいます」

 そのまま封印結界の効果や範囲についても説明してくれる。


「その広域結界を一点に収束させる事で、この王城の封印結界は実現できていました」

「その要であるコアクリスタルは今、北の塔にあります」

「これでは封印結界の力を収束させる事は出来ず、魔王軍を大して弱体化させられません」

 なんだか言えば言うほど、形勢が悪くなる様な情報ばかりなのにミアさんはなんだか嬉しそうだ。



「だろう!」

「現に今構築されている結界……多少の影響は感じるが」

「貴様らを吹き飛ばすには、なんの問題も無いわ!」

 ミアさんの余裕のある表情に対抗してか、魔王ゴブーゴがこれでもかと言わんばかりのドヤ顔で返す。



「一体どうするのよ!」

「あんたが考えた作戦なんでしょ!」

「どうにかしなさいよ!」

 話だけ聞いていると完全に僕達の方が形勢不利なので、リナがヒートアップして僕を問い詰める。



「永太様」

「……永太」

「勇者……様」

 モモもクルミもレナも心配そうな顔で僕を見つめてくる。


「ふふふ」

 ミアさんだけはなんだか、含みのある笑みをこちらに向けて来てる。



「ぇ、えと」

「……大丈夫!」

「取っておきの策があるけらね!」

 そう言って僕はカッコよく決め台詞を叫……ぼうとしたら噛んだ。



「……ホントに?」

 あからさまに噛んだ僕に、冷ややかな目で見てくるリナ。


「大丈夫!だから!」

 改めて大丈夫アピールする僕。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
あの時のミーカワ!! サブタイカッコイイ!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。