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クリと勇者と選択肢 〜チート剣とトンデモ技で昔の自分が作った中二病全開のゲーム内異世界を攻略する〜  作者: チームつちのこ
十三章 王城突入

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68話 おわりの城

 王都の前に張っている第二次防衛線の先頭に着くと、その先には王都正門がありその正門から少しづつ雑魚ゴブリンが出て来ているのが見える。



「……始まりましたね」

 朝方レナを救い出す際に僕達が大暴れして、魔王軍の侵攻は一時的に止まった。

 暫くは落ち着いていたので、その間に僕達は仮眠や休憩を取り、防衛線を張る王国騎士団や魔導師団は防衛線の再編成などを行う事が出来た。



 だが、お昼を過ぎ日も高くなった所で、とうとう侵攻が再開され始めたのである。


「早速、正面突破……」

 と、リナが言い始めた辺りで、僕は話の腰を折るように……

「ちなみに朝乗ってきたシャドウ鳥(シャドウウイング)で、空から王城に直接乗り込む事って出来たりする?」

 そうクルミに聞いてみた。



「……」

 口元に手を当てて少し考えた後、

「多分……無理」

 僕に向かってクルミはそう答える。



「やっぱ無理か〜」

 ここまで来るとメインシナリオなんか無視して、いきなり王城突入出来たりしないかな〜なんて考えたが、そう甘くは無い様だ。


「北の塔から四人乗せて来れたのは、移動に特化してたから」

「王城に直接乗り込むとなると、迎撃される可能性が高い」

「さすがに五人乗せて回避しながら攻撃は……多分迎撃されて墜落する」

 クルミがクールに説明してくれる。

 無理な事を無理と素直に言ってくれる辺り、さすが隠密特殊部隊……というかクルミが凄く優秀だ。



「ほら、やっぱり正面突破よ!」

 リナが凄くウキウキで話してくるので、なんか反論したくなっちゃう。


「でも大丈夫かなぁ、策もなく猪突猛進で」

 僕が無駄にそう心配していると。



「全然大丈夫……と言い切るのは難しいかもしれませんが」

「防衛線からの遠距離魔法攻撃での援護もありますし」

 レナがそこまで言い、


「私の加護や治癒も出し惜しみせずに、目いっぱいかけちゃいます」

「出血大サービスというやつですね」

 モモがどこで覚えたのか、昭和感のある励まし方をしてくれる。



「……とにかく」

「正面突破ってことね!」

 なんかリナが勢いだけで丸め込もうとしている。

 それよりもなぜ、僕がここまで心配しているのか。

 それは僕が破壊した北の塔のクリスタルが原因である。


 本来のシナリオならリナは死んでしまうものの、クリスタルは無事で王都の封印結界が解かれることはない。

 つまり魔王軍も魔王も封印結界の影響下にあった場合、全力を出せずに弱体化していた筈なのだ。


 だが実際はリナを助けた際にクリスタルを破壊し、封印結界が解かれてしまっている。

 当然弱体化など無く、魔王軍も魔王も本気の全力で立ち向かってくるだろう……


 そこを心配しての発言だったのだが。



「どうしたの、勇者なのに日和ってるの?(笑」

 リナが調子に乗って僕を煽ってくる。


 多分だけど、リナなりに僕を元気づけようとしてくれているのだろう……と思いたい。


 なので、ここはリナの思惑に有り難く乗っからせて貰うとしよう。


「そんな事無いさ」

「そうだね、リナも言ってたし」

「正面突破が一番の近道だって」

 そう言いながら僕はリナを見つめる。



「ぇ……そうよ!」

「分かればいいのよ!」

 僕を煽ったのに素直に聞き入れてくれて、さらに真面目な顔で見つめられてちょっぴり照れるリナ。



「よし、じゃあ行こう」

「おわりの城へ」

 いよいよ魔王が居る最終決戦の地、王城へと僕達は向かう。


 それをキメ顔でカッコよく言った……つもりが、



「何言ってんの?おわりの城?」

「王城の事?」

 リナがすぐには理解出来ず素っ頓狂な返答をする。



「ぁ、まぁ、そう」

「行こう、魔王の居る王城へ!」

 なんだか締まらない感じになってしまったので、僕は改めて言い直す。



「そうですね」

「はい」

「……だね」

 レナとモモ、クルミもそう返事して雑魚ゴブリンの出て来ている王都の正門を見つめる。



「よし!」

「いざ正面突破よ!!」

 最後にリナが言いたくてたまらなかった台詞を思いっきり叫ぶ。


「「ぉお〜」」

 僕達もそれに合わせて叫び、切り込み隊長よろしく駆け出していくリナの後に次いで、王都の正門へと向かっていく。





「雑魚ゴブリンは騎士団と魔導師団が防衛線でなんとかします」

「私達は大型のゴブリンを狙って行きましょう」

 王都正門に向かいながら冷静に戦況を見極めて、僕達にそう告げる騎士団副団長のレナ。


 さすが頼りになる。



「わかったわ!」


 ズバァァァッ!


 ズシャアァア!


 わかったと言っておきながら雑魚ゴブリンを薙ぎ払って突き進むリナ。


 ぁ、うん、頼りにナルネ〜。



「ぁ〜、リナ姉さんは気にしないで下さい」

「いつもああですから(汗」

 僕達にそう言うレナからは、副団長としての苦労が伺える。


 やがて雑魚ゴブリンに混じって大型のゴブリン、ゴブリンチーフやゴブリンコマンダーが姿を現す。


 大型と言っても一応ゴブリンなので、二メートル程の大きさである。

 って、人間で言ったら二メートル超えは巨人か。



「僕達もそろそろ始めますか」

 大型ゴブリンを目にした僕はみんなに向かってそう呟く。




「光の女神よ、その類稀なる数多の加護にて彼の者の力となれ」

「願わくばその偉大なる御力を与え給え」

「いざ出血大サービスのビッグバーゲンセール!」

 後方にいたモモがみんなに対していつもより念入りに詠唱をする。

 というか変な詠唱が混ざっていた気もするが、ここはあえてスルーしておこう。



 パァァァ

 先頭に居るリナや僕達の体がほのかに光り、多数の加護の効果が与えられる。



「攻撃力の他、各種能力アップよ!」

「さぁ、かかって来なさい!」

 モモの援護を受けたリナが多数のゴブリンが居る魔王軍向かって叫ぶ。



 ズヴァァァァ!


 ズヴォァア!



 襲いかかって来る雑魚ゴブリンをリナはウキウキで千切っては投げ千切っては投げ、というか華麗な剣技で薙ぎ払う。



「ひゃぁぁっほぉおぉい!」

 なんだか浮かれすぎでテンションおかしくなって来ているリナ。



「ぁ〜、リナ姉さんは気にしないで下さい」

「いつもああですから(再」

 僕達にそう言うレナからは、副団長としての苦労が伺える(再。



「ぁ……うん、知ってる(笑」

 僕は苦笑いでレナに返答する。

 普段通りのリナで安心すると言うか、むしろ魔王軍を正面突破する事で王城までの道を切り開いてくれている。

 さすが騎士団団長リナ、頼りになる。



「ひとまず私はリナ姉さんのフォローに回りますので」

「勇者様はモモ様をお願いします」

 レナはそう告げて猪突猛進で大暴れしているリナの方へ向かっていった。


 次いで僕達も、リナが切り開いてくれた道を進む。



 時折雑魚ゴブリンが襲いかかって来るものの、

影刃(シャドウブレイド)

氷槍(アイスランス)

 クルミの魔法攻撃と陰の調律者No.3シークレットナンバーズでの影技(シャドウスキル)で撃破しながらリナの後を追う。


 僕はと言うと、ちゃんとモモを護りながら進んでいたので……サボってないよ、うん。



 ゴゴゴゴゴゴ……



 やがて先頭のリナが王都正門にたどり着くと、正門からひときわ大きなゴブリンが出てくる。


「あれは……」

「ゴブリンジェネラル」

 クルミがその大型ゴブリンを見て呟く。

 そう、朝方レナが戦った際にピンチに陥ったのと同種のゴブリンだ。


 あの時のレナは連戦による疲労の蓄積もあり、手負いだったとはいえ間一髪の状況にまで追い込まれた。


 そのゴブリンジェネラルに対し、臆することなくリナとレナの二人は向かっていった。



 それを見たモモが僕に呟く。

「……王国騎士団が最強と言われる所以」

「永太様、あれが双輪の薔薇ローゼスオブツインドライブです」


 そう言いながらモモは、リナとレナの二人を見つめた。

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おわりの城!! 何だかクライマック臭のするサブタイ!!
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