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クリと勇者と選択肢 〜チート剣とトンデモ技で昔の自分が作った中二病全開のゲーム内異世界を攻略する〜  作者: チームつちのこ
十三章 王城突入

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67話 魔導師団師団長アモン

 クルミが一つ残っていた、くりきんとんを見つけるほんの少し前。



「ぁ……おはようございます、勇者様」

 そう言ってお茶会……もとい作戦会議に後から参加してきた人が居た。


「初めまして……魔導師団の師団長をしています」

「アーモンド(アモン)です」

 ぱっと見女の子かな?と思えるような華奢な男の子がそう自己紹介する。



「ぁ、どうも」

 魔導師団の師団長アモン、昔の僕が作った自作ゲームにも出てくるのだが……

 このゲーム内では一言ぐらいしか喋らないキャラで、余り深く設定していなかった記憶がある。


 なので、ちょっぴり初対面みたいな対応をしてしまう。

 いや、この世界では初対面で間違い無いのか。



 それにしてもそんなに背が高くなく、長めの青髪を後ろで結んでいて華奢な雰囲気のせいか、一見すると女の子みたいだ。


「レナさんを助けて頂いたみたいで」

「ぁ、ありがとうございます」

 そう言った魔導師団師団長のアモンは、クルミほどちんまりしてはいないが小動物感がある。

 


「いえいえ、どういたまして」

 魔導師団って小動物みたいな人が多いな〜なんて思っていると、



「それよりも、あの光なのか闇なのか分からない昏き光は勇者様の技ですよね!」

「時空をも切り裂きそうな衝撃波!あれはどういう理屈で……」

 多分、レナを助ける時に使ったトンデモ技の邪王暗黒流じゃおうあんこくりゅう次元断層剣(じげんだんそうけん)零式改(ぜろしきかい)の事を言っているのだろう。

 あの時魔導師団の師団長は現場にいなかったが、遠目からでも昏い輝きと意味不明な衝撃波は確認出来たのだろう。


 それについて、目を輝かせながら激しく突っ込んでくる。



「ぁ、まあ」

「ほら、企業秘密?というか、ね」

 僕本人もチート剣のトンデモ技については、理屈なんて分かるわけがない。

 説明も出来ないので、なんとか適当な事を言って誤魔化そうとする。


「キギョー?」

「それが技の秘密なんですか?」

 見た目は女の子っぽいのにこの好奇心、中身は男の子ボーイだからなのか。

 なんて困り顔をしていると、



「ほらほら、勇者様が困っているでしょう」

「まったく、いつもは大人しいのに」

「未知の魔法や技の事になると見境が無くなるんだから」

 僕が説明を求められて詰め寄られた辺りで、騎士団副団長のレナが助け舟を出してくれる。



「ぁ、ごめん……なさい」

 レナに戒められてシュンとする魔導師団師団長のアモン。

 威厳は無さそうだがこの感じ、きっと知識とかが凄いタイプの師団長なのだろう。


「まぁ、これでも食べて落ち着いて」

 僕はそう言って、残りの一つのくりきんとんを差し出す。

 この一つ……決して余っていた訳ではなく、魔導師団師団長の分だったのである。


「ぁ、はい」

「ありがとうございます」

 魔導師団師団長のアモンがくりきんとんを受け取る……と同時に視線を感じる。



「ぅ……」

 てっきりくりきんとんが残っていたと思っていたクルミが、半泣きになっているのに気付く僕。



 パクリ


 それに気づかず、くりきんとんを食べるアモン。


「お、美味しいです!」

「なんですか?これ?」

「どんな作り方で……」

 アモンちゃん?アモンくんか。

 その魔導師団師団長は好奇心が強くて何でも知りたい系の人なのね。


「ほら、また質問癖が出てる」

 レナは慣れているようで、質問攻めして来るアモンちゃんを軽くあしらってくれる。



「それよりも……」

 僕は半泣きになっているクルミに近寄り頭を撫でる。


 ナデナデ

 うん、小動物っぽい。



「……くりきんとん」

 既に一個食べてはいるのだが、まだまだくりきんとんを食べ足りないアピールをするクルミ。



「次にこのくりきんとんを食べるのは」

「魔王に勝ってからだね」

「祝勝会でまた食べさせてあげるよ」

 クルミの頭を撫でながら、慰めるように僕はそう呟く。



「よし!」

「今すぐ魔王を倒しに行く!」

 クルミは急に目が輝いてやる気満々になる。



「そうね、さっさと魔王を倒して」

「終わらせるわよ!」

 リナもくりきんとんを食べたいのか、猪突猛進したいのか意気揚々と乗っかってくる。



「ふふっ」

 モモはそんな二人を見て微笑む。


「じゃあ、ここの防衛線は魔導師団師団長のアモンに任せるわ」

「いいわね、アモン」

 騎士団副団長のレナは魔導師団師団長のアモンに向かってそう言う。



「ぁ、はい」

「レナさんは?」

 そう言ってレナに聞き返すアモンちゃん。


「私も勇者様と一緒に行くわ」

 レナはそう言いながら僕とリナとモモ、クルミの方を見る。


 元々リナの代わりとしてレナがここで仲間に入る筈だったので、当然と言えば当然の流れである。



「リナ姉さんのブレーキ役は任せて下さい」

 レナは自信満々に僕にそう言う。

 自分でブレーキ役と言っちゃう辺り、いつもリナを制しているのだろう。



 確かに猪突猛進で正面突破なリナのブレーキは大切な役目だ。

 ここまではなんとなくモモがその役目をしていたが、やはりここは本来のブレーキ職人に任せた方がいいだろう。


「そうだね、よろしくレナ」

 僕はそう言って喜んでレナを仲間にする。


 でも昔のRPGって4人パーティーだった気がする。

 リナが入ると5人になっちゃうけど、システム的な事は大丈夫かな?という心配が一瞬頭をよぎるが、まぁきっと適当に補完してくれるでしょう。

 なんて軽く自分の心配を受け流す。



「ぇ〜」

「正面突破しにくくなるじゃない〜」

 すると、なんだかリナがボソリと不満を呟く。


「何か言いましたか?リナ姉さん」

 微笑んでいるのに、なんだか怖いレナがリナを見つめる。



「ぁ、いや」

「なんでも〜ないです」

 リナがよそよそしく変な反応をしていてなんか面白い。



「……なによ!」

 そんな僕のニヤけ顔に気付いたのか、リナが僕を睨むので苦笑いで返す。

 


「……と言っても」

「もはや作戦は正面突破しか無いんですがね」

 ちょっぴり不満気なリナに向かってレナはそう告げる。



「!?」

「正面突破!」

 レナの言葉にリナの目が輝く。

 うん、リナはわかりやすいね。


 それにブレーキ役というか、リナを上手いこと転がしていて……さすが副団長なレナである。



「王城にいる魔王を討伐する」

「私達が勝つにはそれしかありません」

「王国には魔王軍全軍を殲滅出来るほどの戦力は無いので」

「防衛線で時間稼ぎしている間に魔王を討つ」

「それが私達の勝利条件です」

 先程までティータイムっぽかったが、本題の作戦会議になってきた。



「防衛線の方は魔導師団師団長のアモンに任せて」

「私達少数精鋭で正面突破し、魔王を直接討ち取る」

 そう言って、真剣な顔でレナは僕達を見つめた。



「ぁ、はい」

「防衛線の方は、頑張ります」

 防衛線の指揮を任された魔導師団師団長のアモンちゃんがそう言う。



「魔王を討伐出来なければ」

「私達の負け……ですがね」

 作戦会議モードなレナは静かにそう呟いた。



「ふん、この騎士団団長のリナ様にかかれば」

「魔王なんてお茶漬けサラサラよ!」

 少し落ち込んだ空気を吹き飛ばすかのようにリナが叫ぶ。

 ん?この世界ではそう言うことわざがあるのか?とツッコミを躊躇していると、


「お茶の子さいさい……と言いたい?」

 レナがリナにクールなツッコミを入れてくれる。


「そう!それ!」

 リナがちょっぴり照れながら言い直す。

 ツッコミもしてくれるなんて、さすが副団長レナ。




 バタバタ



 そんな話をしていると防衛線を張っている団員から連絡が入る。

「王都正門の魔王軍に動きがありました」

「再び侵攻が始まるものかと」




「……始まったわね」

 その連絡を聞き、レナがそう呟く。


「それじゃあ行きますか!」

 リナがウキウキでレナに返答する。


「……だね」

 クルミも続いて呟く……くりきんとん効果かちょっぴりテンション高めな気もする。


「……行きましょう」

 モモも真剣な顔でみんなにそう告げる。


 こうしてレナを仲間に加えた僕達五人は、王都正門へと向かった。

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― 新着の感想 ―
アーモンドで(アモン)なのか!! ステキな御名前そして可愛い!! アモンちゃん!?アモン君!? 〜〜可愛い♡(^q^)♡
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