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クリと勇者と選択肢 〜チート剣とトンデモ技で昔の自分が作った中二病全開のゲーム内異世界を攻略する〜  作者: チームつちのこ
十三章 王城突入

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65/84

65話 ここ一番

 スゥ……スゥ。


 静かな寝息が聞こえる。


 サワサワ


 優しい風が吹き抜け、その風が頬を撫でる。





 ……すると、


 バタバタ、バサッ。



 寝ていた場所に慌てて女の子が入って来る。

 その女の子は、グッスリ寝ていた人の上に勢い良く飛び乗る。



 バイぃぃぃぃん


「ぐふぅぇえ!?」

 僕は爆睡していた所を乱暴に起こされる。




「……ふぇ、クルミ?」

 勢い良く飛び乗って来たのはクルミだった。

 ってか男の子の寝床に女の子が襲いかかっちゃダメでそ!

 これじゃまるでラノベのラブコメで幼馴染が起こしに来るパターンだよ!

 ……なんてツッコミたかったが、ラノベの下りが通じ無さそうなのでやめておくことにした。



 するとクルミが、

「……永太、ご飯出来た!」

 目を輝かせながら僕にそう報告する。


「ぁ、え?」

 イマイチ状況を理解出来ていない僕は、キョドった返答をする。


 すると……

「グゥ〜〜」

 クルミのお腹が勢い良く鳴り、僕に馬乗りになったクルミは顔を紅潮させながらヨダレを垂らしている。

 いや、クルミさん……なんかこう、僕が襲われてる感じになっちゃってますけど……



 そんな事を考えていると、

「いたいけな女の子の寝込みを襲うなんて、ハレンチな勇者が居たものね」

 そう言って入って来たのはリナだった。



「いや!僕が襲われてるんですけど!」

 僕は急いでツッコミを入れる。


「言い訳しても無駄よ!」

「クルミが襲われたって言えば」

「犯罪者確定よ!」

 リナが何故かドヤ顔しながら僕に向かって叫ぶ。



「ガビーン!」

 頭がまだ回っていないのか、僕は伝統的な驚き方をしてしまう。


 ……でも、なんかだんだん目が覚めてきて思い出してきたぞ。

 レナのピンチを救った後、魔王軍の侵攻が沈静化している隙に第二次防衛線まで下がって来た。

 北の塔攻略が始まったのが夜中で、そこから潜入したりリナの死亡フラグをへし折ったり、空を飛んでレナのピンチに駆けつけたりと怒涛のイベントラッシュだった。


 気がつけば夜が明けて朝日が眩しくなっていた。

 夜通し動き続けていたので、まぶたが布団になりかけていた僕は、いや僕達はこの第二次防衛線の野営地で仮眠と休憩を取る事にしたんだった。


 それで僕は爆睡して今に至る、と言うわけだ。



「どうしたのリナ姉さん?なんだか騒がしいですよ」

 そう言って入って来たのはレナだ。


「勇者のマヌケヅラを見てただけよ」

「ほら見なさい、あのだらしない顔」

 いつものツンドラで僕をディスりまくるリナ。


 それにしても二人並ぶとそっくりだ、髪型がポニーテールとハーフアップ後ろ結びの違いだけで、ほぼ同一人物である。


「凛々しい顔ですよ、私を助けてくれた時みたいに」

 レナはなんだかモモみたいな褒め方をしてくれる。


「はぁ?私を助けた時はもっとカッコ良かったから」

 リナが怒ってるのかデレてるのか謎の会話を始めたので、生暖かく見守る事にする。


 だが、ニヤけながら見ているのを気付かれ、リナがすかさず僕にツッコんでくる。

「はぁ?カッコよくないし!その顔キモいし!」


 前言撤回、このリナのツンドラ感……全然同一人物じゃ無い!



 なんて話をしていると、

「みんな楽しそうでズルいです、私も入れてください〜」

 そう言って今度はモモが乱入して来る。


 割と大きめのテントとは言え、僕とカワイイ女の子四人は入り過ぎだ!


 ムギュ〜


 ワチャワチャ


 といったハーレム的な事をしていると、何やら鼻をくすぐる良い匂いがする。

 いや、決してカワイイ女の子の匂いを嗅いでいるのではないぞ!絶対!


 クンクン


「……っていうか、この匂い」

 ここは第二次防衛線の野営地にある大きめなテントなのだが、外からのいい香りがテントの中まで漂ってくる。



「そう!ご飯!」

 僕の呟きに食い気味に答えるクルミ。

 クルミが僕の上に馬乗りになってヨダレを垂らしている理由はこれか。


「と、とりあえず……どいてもらえるかな、クルミ」

 僕に馬乗りになったままヨダレを垂らすクルミにそう告げる。




 なんとかクルミから脱出した僕はテントの外に出ると、朝見た太陽は真上辺りまで昇っていた。


「お昼、ぐらいかな?」

 テントの寝床を借りて爆睡し始めたのが朝方だったから、仮眠にしては結構寝れた気がする。


「お昼!ご飯!」

 食いしん坊なクルミがグーペコなのにお昼ご飯をまだ食べてないのは、僕が起きるのを待っていてくれたからなのかな?

 なんか……待て、された子犬みたいでカワイイ。


 というか待ちきれずに飛び乗って起こしに来る辺りもクルミらしい。



「魔王軍の方は大丈夫なの?」

 魔王軍と睨み合っている筈なのに、なんだかのんびりムードなのが気になって僕は聞いてみる。


「今のところ、大きな動きはありません」

「多少小競り合いがありましたが、騎士団と魔導師団で対象出来るレベルです」

 副団長のレナが丁寧に状況を解説してくれる。

 分かりやすくて、団長のリナとは大違いだ。

「分かりやすくて、団長のリナとは大違いだ」



「はぁ?私だってそれぐらい説明出来るわよ!」

 なんだか、僕の心の声が漏れ出ていたみたいでリナが負けず嫌いオーラを出してつっかかってくる。


「あれでしょ!アレ」

「魔王軍は私の強さにビビってるのよ!」

「きっとそう、間違い無い」

 リナらしい説明な上に謎に自信満々、まあ、いつも通りで安心はするよ。


「そういえばこの匂い……」

「もしかしてカレー?」

 テントを出るとますます匂いが強くなり、このスパイシーで芳醇な香りは間違いなくカレーだ。



「永太様〜、こっちです」

 モモが手を振って僕を呼んでくれる。

 その場所にはテーブルがあり、カレーが並べられていた。


 横を見るとクルミの前に大盛りカレーが置いてあり、食べたそうにこっちを見つめてくるので、ひとまずお昼ご飯にする事にした。





「「いただきます」」


 パクパク


 モグモグ


 いただきますと同時にクルミが勢い良く食べ始める。

 よく見ると大盛りカレーの上にカツとソーセージが乗っている。


 モモのカレーを見てみると……ほうれん草にチーズ?


「色んなカレーがあるの?」

 僕はみんなのカレーの上にのっているものが違うことに気付き、聞いてみた。


「これはトッピングです」

 レナが僕の質問に答えてくれる。


「王国騎士団には伝統がありまして」

「ここ一番という戦いの前には、好みのトッピングを乗せたカレーを食べると言うものです」

「要は団員の士気向上などのヤル気アップですね」

「勇者様も好みのトッピングを乗せて下さい」

 そう言ってカレーにのせる各種トッピングを勧めてくれるレナ。



「私はもちろんこれよ!」

「この戦いはこれで私達の勝ちね!」

 そう叫ぶリナのカレーにはロースカツとチキンカツの他にビーフカツ?が乗っており、トリプルカツカレーとなっていた。



「なるほど、ここ一番で食べるカレーね……」

 僕はそう言いながら目の前に並べられたトッピングを見て悩む。


 僕達がこれから挑むのは王城奪還と魔王討伐というこの冒険の締めくくりというか、最終決戦である。


 そんなここ一番で食べるものと言えば……

「ジンクス的にもやっぱりここはカツカレーかな」

 そう言ってロースカツをのせる。



 パクリ


 モグモグ


「うまっ」

 このカレー程よくスパイシーで、辛味もあるのに食べやすい。

 トッピングのロースカツのサクサク食感と相まって非常に美味しい。


 何よりお好みで好きなトッピングをのせれる所が自由度が高くて素晴らしい。



 パクパク、モグモグ


 カレーは飲み物なんて誰かが言っていたが、飲み物みたいにスルスル入って行く。




 気がつくと綺麗に平らげていた。


「「ごちそうさま」」

 みんなも綺麗に食べきっている。





「……さて」

「デザートの時間ですな」

 食器は綺麗に片付けられ、僕達はそのまま食後のティータイムへと移行する。

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― 新着の感想 ―
ほうれん草にチーズ、 ここ一番で食べるカレー…… ここ一番……ややっ!? もしかして、あのカレー!? ヨダレが出てきたwww♡(^q^)♡
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