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クリと勇者と選択肢 〜チート剣とトンデモ技で昔の自分が作った中二病全開のゲーム内異世界を攻略する〜  作者: チームつちのこ
十章 北へ

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51話 作戦会議

 北の塔と砦を見に行った僕達は、その守りの固さに一旦村まで戻り作戦会議をすることとなった。


「ぉお、どおじゃった?」

「とりあえず入りなされ」

 再びカシューおじいさんの家に戻ると、そう言って迎え入れてくれた。


 正面突破願望でヒートアップしていたリナも落ち着いて来て、僕達は砦攻略について話し始める。


「まずは砦の防衛状況から確認していきましょう」

 モモが会議の議長みたいに進行してくれる。


番犬の山砦(ドッグマウンテン)は塔の周囲を砦として作り上げたもので、王城やミーカワみたいに城壁で囲われています。」

「山砦なので王城程の高さでは無いものの、防備を固めるには十分な高さです」

「さらに塔を中心とした魔法障壁も展開されており、魔法での遠距離や上空からの攻撃にも対応しているという堅牢っぷりです」

「正面にある大扉もその魔法障壁による防備がされており」

「ただの力技ではぶち破る事が出来ないようになっています」

「なので、正面突破は難しいです」

「わかりましたか?リナ」

 丁寧に砦の強固さを説明して、リナを諭すモモ。



「……はぃ」

 モモにそう言われ、おとなしく返答するリナ。



「それにしても、そんなに堅固なのに暗黒四天王(ダークフォース)に占拠されちゃったんだね」

 そもそも昔の自分が作ったゲーム内では普通に敵の根城になっているものの、この世界では元々北の防衛線の要。

 そんな防備を固めた砦が敵に奪取されている事という素朴な疑問をポロリと聞いてみた。



「……それは」

「突如現れた魔王軍本体に対処する為に、その戦力の大多数が王城付近に使われた」

「ので、手薄になった所を暗黒四天王(ダークフォース)に狙われてしまった」

「……と思う」

 クルミが僕の疑問について説明してくれる。


「なるほど……」

 その辺りも上手いこと理由付けされて補完されてすることに感心する僕。



「それで、どうするの?」

 正面突破が出来なくて不満気なリナが僕に話を振ってくる。


「えとね……」

 そう言いながら僕はこの先の展開を思い出そうと手を口元に当てて考えるポーズをする。


「……先ずは、魔法障壁をどうにかする」

 すると、僕より先にクルミかリナの質問に答える。



「そうですね、魔法障壁をどうにかしないと、正面の大扉も開けれませんし」

 モモもクルミの話に合わせてくる。



「魔法障壁を正面突破でぶち破るのね!」

 リナは相変わらずぶち破りたくてしょうがないようだ。



「なんでやねん!」

「正面突破出来ないって説明したばっかやんか!」

 なので、僕はすかさずツッコんでおく。



「……むぅ」

「じゃあ、どうすんのよ!」

 僕に向かって不満気に答えるリナ。



「……ぇとね」

「裏口?」

 確か昔の自分が作ったゲーム内の展開だとこうだったかな、と思い出しながら話す。



「そう」

「裏口から潜入して魔法障壁を解除する」

 クルミが僕の話に付け加えて説明してくれる。


「そんな簡単に潜入出来るものなの?」

「裏口にも魔法障壁があるんじゃ」

 さっきまで正面突破で侵入しようと息巻いていた人とは思えない台詞を吐くリナ。



「大丈夫」

 裏口から侵入する事自体は出来ると自信の眼差しで話すクルミ。

「ただ……」

「……敵の注意を逸らす必要がある」

 ただし何やら一筋縄では行かない様子。



「砦内に侵入して魔法障壁の制御を行なっている魔力管制室にいき、そこで魔法障壁の解除操作をする」

「だけどその管制室は砦の最も堅固な奥にあり、そこまでの警備を突破しないといけない」

「なので、陽動とかで敵の注意を別の何かに引きつけておいて」

「その隙に魔力管制室に侵入する」

 クルミが作戦の概要をザックリと説明してくれる。



「なので……」

「リナは正面突破」

 と、思ったらとんでもないことを言い始めるクルミ。



「よっしゃ!わかったわ!」

「正面突破なら任せて!」

 クルミの言葉に急に元気になって立ち上がり、ガッツポーズをするリナ。



「ぇえ〜!」

 僕が変な声を上げてツッコミを入れようとしたら、


「本当に正面突破はしなくていい……」

「陽動として正面突破するフリをする」

 クルミが先に作戦内容を説明してくれた。



「ぇえ〜!」

 リナは僕と同じ様な声を上げて残念がる。


「なるほど、それで敵の注意を正面に向けさせるんですね」

 モモも本当に正面突破しない事にちょっと安心した感じで話す。


「その内に少人数で裏から潜入するという流れ」

 よくある古典的な陽動作戦である。



「リナは正面の陽動担当で、クルミは裏から潜入する役」

「私と永太様はどうしましょう?」

 モモはそう言ってクルミに問いかける。


「モモはリナのサポートとフォローをお願いしたい」

「あと、本当に突撃しそうならブレーキにもなって欲しい」

 クルミがリナの行動を予測し先回りして対応を考える。



「ちぇ〜、本当に突撃しちゃダメなのかぁ」

 何故かリナが残念がる。


「任せて下さい、あれですね」

「いつも騎士団の副団長がやっているリナのブレーキ役ですね」

 ちょっと嬉しそうに話すモモ。


「ぅえ〜」 

 なんだか嫌な事を思い出したかのような顔をするリナ。



「魔法障壁を解除したあとは状況に応じて突撃してもいいけど……」

「塔内にいるであろう暗黒四天王(ダークフォース)の最後の一人を倒し、塔のクリスタルを浄化出来れば」

「残りの雑魚ゴブリンは行き場をなくし逃げて行くはず」

 そう言ってクルミはこの砦攻略の作戦最終目標を説明する。



「よっし!」

「状況に応じて突撃ね!」

 何だかわかったようなわかって無いようなリナが、元気よく返事する。



「ちなみに……」

「あのなんちゃらソードで魔法障壁はぶっ飛ばせないの?」

 そう言ってリナが僕に聞いてくる。


 あのなんちゃらソードとは光輝闇暗(シャイニングダーク)炎竜剣フレイムドラゴンソードで、邪王暗黒流じゃおうあんこくりゅう次元断層剣(じげんだんそうけん)零式改(ぜろしきかい)を使って魔法障壁を破壊出来ないか?という質問だ。


「ぅ〜ん」

 僕はリナに向けて渋い顔をする。



「ん?さすがのあんたも魔法障壁は破壊出来ないってオチ?」

 リナが少しニヤけて勝ち誇った様な顔をする。

 いや別に勝負しているわけじゃないし。


「いや、逆かな」

 僕はそんなリナに静かに答える。


「逆?どゆこと?」

 リナが素っ頓狂な顔をして聞き返す。



「魔法障壁とやらを吹き飛ばす位の威力で技を出したら……」

「塔も砦も跡形もなく丸ごと吹き飛んじゃう、かも」

「それでもいいなら、使うけど?」

 なんて僕はとんでもない事を言う。



「はぁあ?」

「丸ごと吹き飛ばすなんてダメに決まってるでしょ!」

「ってかそんな事出来るわけないし!」

「大ボラ吹きすぎでしょ、それ!」

 そんな僕にリナがすかさずツッコむ。



「まぁいいわ、とにかくあんたには無理ってことね」

 そう言ってリナは両手を広げて呆れたポーズをする。



 リナにそんな事を言われるが、僕は特に反論しない。


 南の塔へ行く前の洞窟で勢い余って天井を吹き飛ばし、生き埋めになりかけた事もあった。

 その頃と比べてレベルも上がっているし、この間の試練の間でチート剣の技を使った感じから本気を出して使うと塔も砦も全部吹き飛ばせそうな気もする。

 だけど、反論するとめんどくさそうってのが一番だったりする。


「じゃあ僕は……」

 まだ僕のポジションの話が出てきて無く、そこまで言いかけた所で……


「永太は私と一緒に潜入班」

 クルミが僕の役割を言ってくれた。


「大丈夫なの?あんたは潜入とか出来るの?」

 リナが僕に向かって心配なのか疑いなのかの眼差しを向ける。


「まぁ、多分?」

 僕はなんとなく出来る?的な返答をする。



「……大丈夫」

「永太は適度に存在感が薄いから」

「潜入に向いている」

 潜入の才能がありそうと、クルミに褒められた?のかディスられたのか、僕は適当に苦笑いをする。


「なるほどね、こいつ存在感薄いもんね!」

「よかったわね」

 なんかリナがこっちを見てニヤけながら励まして?くれる。

 そんなリナに僕は再び苦笑いする。




「侵入や陽動は暗くなってからの方が良い」

「作戦決行は日が落ちてからにする」

「ひとまず作戦に向けて各自準備、と言う事で」

 すると、そう言ってクルミはこの場を纏める。



「どうじゃ、話はまとまったかの?」

 そう言ってカシューおじいさんが顔を出した。


「うん、なんとなくは」

 クルミがおじいさんに向けてそう返事する。


「リナと永太様はひとまず作戦開始まで身体を休めていて下さい」

「私はクルミと作戦の詳細をもうちょっと確認しておきます」

 モモにそう言われ、僕とリナはとりあえず部屋を出て一休みすることになった。


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― 新着の感想 ―
 存在感が薄いから潜入班ってwww!!  流石は、九里永太www!!
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