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ガチャ爆死で異世界召喚されたけど、スキルが『無料10連ガチャ(99%低レア)』と『コメント欄』しかない ~ゲーム知識でがんばります~  作者: ころにゃん


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第18話 引いたカードで、生きていきます(後編)

セラフィーナの後光の余韻で、体が、まだ、じんじん、してる。


——と。


リルアが、レクトとエルナを連れて、こっちに来た。


「ひなたちゃん」


「ん……?」


リルアが、にこっ、と、笑った。後光が、ぽわぽわ。


「次は、ひなたちゃんの番」


「ん?」


「みんなで、ひなたちゃんを、する」


——え。


レクトが、私の右側に。セラフィーナが、左側に。エルナが、足元に。リルアが、正面に。


四方向から、囲まれた。


「ちょっと——4人——」


「ひなたちゃんは、いつも、みんなにしてあげる側でしょ」


リルアが、私の頬に、手を当てた。


「今日は、される側」


「リルアさんの意見に、賛成です」


セラフィーナが、にっこり、笑った。


「ひなたさまには、さっきの続きを」


「ひなた。観念しろ」


レクトの耳は赤いけど、目は本気だった。


「ひなたさん。気持ちいいお返しさせてください」


エルナが、目をきらきらさせてる。


「待って——心の準備——」


「準備、いらない」


リルアの唇が、私の唇に、落ちた。


レクトに、右手を、掴まれた。セラフィーナに、左手を、掴まれた。


「動くな」


「ひなたさまは、受けるだけ、です」


——え、手、使えないの。


——以下、四人がかりの「お返し」が、今度は私の方に、向けられた。


リルアの唇、セラフィーナの指、レクトの手のひら、エルナの——4人それぞれの、違う温度と、違う触れ方が、私の体の上を、ゆっくり、巡っていく。


抗いようがない。逃げ場がない。「いつもしてあげる側」の私が、今夜は、4人全員に、丁寧に、可愛がられる側になっていた。


——どれくらい時間が経ったのか、わからない。


最後に、4人がぎゅっと私を抱きしめてくれた瞬間が、たぶん、長い夜の終わりだった。


「……はぁ……はぁ……」


目から、涙が、ぽろっ、と、こぼれた。


「ひなたちゃん、泣いてる」


「だって——みんなが、優しすぎて——」


「えへへ」


リルアが、私の涙を、指で、ぬぐった。


「ひなたちゃん、かわいい」


「ふんっ。お返しだ」


レクトが、にやっ、と、笑った。耳は赤いまま。


「ひなたさま。可愛らしくてとてもよかったです」


セラフィーナが、にっこり、笑った。


「ひなたさん。——最高に、いい顔を、見せていただきました」


エルナが、目をきらきらさせてた。


——四人に、される側って、こんなに、すごいのか。


五人で、ぎゅっと、抱きしめ合った。


レクトが私の腕を握って「もう、お前以外、考えられん」って、また、耳を、赤くした。


セラフィーナが、リルアの胸の上で、すぴすぴ、寝た。念願の、片想い成就の続き。


エルナが、リルアと私の手を、両方、握って、「やっぱり、当事者の方が、いいですね」って、笑った。


——視界の隅で、プライバシーフィルター表示が、すっと、消えた。


コメント欄が、ふっと、戻ってきた。文字がゆっくりフェードインしてくる。


『おかえり』


『……ながかった』


『フィルター中、何が起きてたの……』


『(察し)』


『五人の表情見ればわかるだろ(賢者)』


『約束はどうなったんだ!!!』


『公約違反、絶対に忘れない』


『でも——まあ——みんな幸せそうだからいいか……』


『よくないが、よい(矛盾)』


『フィルター解除後のみんなの顔が、全てを語ってる』


『これが、百合ハーレムか……(遠い目)』


「コメント欄、うるさい」


『はい』



リルアが、私の腕の中で、ロウソク後光を、ぽわぽわ、させていた。


——みんな、生きてる。


——みんな、ここに、いる。


夜中。


レクトとセラフィーナが、いつの間にか、自分たちの部屋に戻ってた。帰り際に、セラフィーナが「おやすみなさいませ、ひなたさま」って、にっこり笑って——レクトが「ふんっ」って、耳だけ赤くして、セラフィーナの手を引いて出ていった。


エルナも、「記録は……明日、まとめます……っ」って、ふらふらしながら、自分の部屋に帰っていった。お祝いの余韻が、だいぶ来てたっぽい。


部屋には——リルアと、私だけ、残った。


「ひなたちゃん」


「ん」


リルアが、私の胸に、頬を、寄せた。後光が、ロウソクサイズで、私の鎖骨のあたりを、ぽわぽわ、温める。


「みんなと、いっしょに、できて、よかったね」


「うん」


「でも、わたし、ひなたちゃんと、二人だけが、一番、好き」


——うん。


「私も」


リルアの目が、私を、見た。


「ひなたちゃんに、ぎゅって、してほしい」


「うん」


私は、リルアを、抱き寄せた。


「ひなたちゃん」


「ん」


「あのね」


リルアの後光が、ぽわぽわ、ぽわぽわ。


「ひなたちゃんに、守られてる方が、好き」


——ああ。


「だから、URには、もう、ならない」


リルアが、にっこり、笑った。


「ロウソクサイズで、ひなたちゃんの隣が、いい」


私の胸が、ぎゅっ、と、なった。


——もう、答えは、決まってた。


「うん。私も、その方が、いい」


リルアの後光が、ぽわぽわ、ぽわぽわ。


『R女神、R宣言』


『自分で選んだRは、引いたRより、強い』


『これが、ひなたさんの、女神』


リルアが、そっと、起き上がった。


「ひなたちゃん」


「ん」


「もう一回——二人だけで、いっしょに、寝たい」


——え。


「みんなとのも、よかった。でも——」


「うん」


「二人だけのが、一番好きだから」


——視界の隅で、コメント欄が、まだ、少しだけ、流れてた。


『ん?』


『え、まさか——』


『——プライバシーフィルター起動——』


『またかよ!!!!!!!!!』


『本日二回目!!!!』


『もう! いい加減に——』


コメント欄が、すーっと、薄くなった。今日二回目のフィルター。もう、抗議する元気も、あんまりないみたいだった。


静かになった。


この部屋の中で、起きてるのは、私と、リルアだけ。


「ひなたちゃん」


「ん」


「UR、かっこよかった?」


「かっこよかった」


「でも——」


リルアが、自分のワンピースの裾を、そっと、持ち上げた。


「Rのわたしの方が、好き?」


「好き」


「えへへ」


——その先のことは、二人だけで、ゆっくり、丁寧に、お互いを確かめ合った、ということだけ書いておく。


「ひなたちゃん、やさしくして」


「うん」


「みんなの時は、ちょっと、激しかったね」


「そうだね」


「でも、二人の時は——やさしいのが、好き」


「うん」


リルアの後光が、ふたりだけの夜を、桃色に、染める。


リルアの唇が、私の唇に、ゆっくり、重なる。何度も、何度も。さっきまでみんなと交わしていた濃いキスとは、全然違う、ふたりだけの、やわらかいキス。


「ひなたちゃん」


「ん」


「みんなと、するの、楽しかったけど」


「うん」


「いちばん、好きなのは、ひなたちゃんだけ」


「うん。私も、リルアが、一番」


リルアの手のひらが、私の頬を、撫でた。私の指が、リルアの銀の髪を、すいた。


ひとつひとつのキス、ひとつひとつの「好き」が、ゆっくり積み重なっていった。


最後にお互いの目を、至近距離で見つめ合いながら、「あいしてる」を、何度も、何度も、交わした。


「あいしてる——ひなたちゃん——」


「あいしてる——リルア——」


二人同時に、何かが、ぱっ、と弾けた瞬間、リルアの後光が、ぶわっと膨れ上がって、今日一番、やわらかく、あたたかく、部屋中を、照らした。


「はぁ……はぁ……」


「はぁ……はぁ……」


リルアの目から、涙が、ぽろっ、と、こぼれた。


「ひなたちゃん」


「ん」


「すき。ずっと、すき」


「私も。ずっと、すき」


リルアが、私の腕の中に、もぐりこんだ。


後光が、ロウソクサイズで、私の心臓のあたりで、ぽわぽわ、揺れた。


——視界の隅で、プライバシーフィルター表示が、すっと消えた。


コメント欄が、ゆっくり、フェードインしてきた。


『…………』


『…………おかえり…………』


『…………今日だけで二回…………』


『…………もう何も言わない…………』


『…………幸せならOKです…………(白旗)』


『本日のプライバシーフィルター稼働回数:2回』


「……うるさいよ」


でも、ちょっと、笑っちゃった。


リルアも、くすっ、と、笑った。


「コメント欄、お疲れ様」


『お疲れ様でした(涙目)』


——そのまま、二人で、眠った。

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