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ガチャ爆死で異世界召喚されたけど、スキルが『無料10連ガチャ(99%低レア)』と『コメント欄』しかない ~ゲーム知識でがんばります~  作者: ころにゃん


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第13話 Rツルハシ、使い道がありました(後編)

——東の空が白くなった。


四角い太陽が昇ってきた。


ブロックゾンビが動きを止めた。朝日に照らされて——自然に消えていく。


「朝だ」


「朝です」


全員、疲れ切ってた。


リルアが私の膝の上で寝てる。添い寝回復で、二人ともHPが戻っていく。リルアの後光がすぅすぅとゆっくり明滅してる。寝息のリズム。


レクトが壁にもたれて目を閉じてる。セラフィーナがレクトの肩に寄りかかってる。後光がぼんやり。


エルナさんだけがノートを書いてた。


「エルナさんも寝た方が——」


「あと少しだけ。夜間の戦闘データをまとめないと」


エルナさんの目の下にもうっすら隈ができてる。



朝。拠点から出た。


ブロック化——解除されてなかった。


それどころか。


「範囲、広がってますね」


エルナさんの声が硬い。


昨日の境界線が、さらに外側に動いてた。街に向かって。


「このペースだと……あと2日で街の外壁に到達します」


「2日——」


「ブロック化が街に達したら、建物も人もブロック化する可能性があります」


沈黙が落ちた。


リルアの手を握った。リルアが握り返してきた。


「原因は地下のダンジョンコア」


「はい。それを破壊しない限り、ブロック化は止まりません。ですが——」


エルナさんが言いよどんだ。珍しい。いつも事務的にはっきり話す人が。


「——私はダンジョンに行けません」


「え?」


「私は戦闘スキルを持っていません。鑑定しかない。ダンジョン内でブロックゾンビに囲まれたら、私だけ対処できません」


エルナさんの切れ長の目が、ノートに落ちた。


「だから——依頼を出します。正式に」


エルナさんがギルドの依頼書を取り出した。いつ書いたんだ。夜中に書いてたのか。


「桜庭ひなたパーティに、ダンジョンコア攻略を依頼します」


「やるよ」


即答した。街が壊れるかもしれないんでしょ。友達の街を守るって決まってる。


エルナさんの目が——揺れた。ノートを持つ手が、かすかに震えてる。


「……ありがとうございます」


小さな声だった。いつもの事務的な声じゃない。本音が滲んだ声。


「エルナさんは街に戻って状態を報告して」


「わかりました、急いで戻ります」


「よし」


全員を見回した。


リルア——後光がぽわっと灯ってる。不安と覚悟が混じった顔。でも、手を握り返す力は強い。


レクト——聖剣を握り直してる。「ふんっ。こんな四角い化け物、斬り尽くしてやる」


セラフィーナ——後光がシャンデリア級。「お任せください! ……方向はレクトさまについていきます」


「方向、自分で判断しないでくれて助かる」


覗き穴から外を見た。ブロック化した世界。四角い木。四角い草。四角い空。


その地下に、ダンジョンコアがある。


「行こう」


Rツルハシを握った。腰に虚無のポーション。リルアの手。N装備とR女神。


——引いたカードで戦う。いつだってそうだ。


「ひなたちゃん」


「ん?」


「ツルハシ、かっこいいよ」


「だから似合ってほしくないって言ったでしょ」


リルアがえへへと笑った。後光がぽわっ。


『ダンジョン攻略開始(わくわく)』


『N+R装備限定ダンジョンRTA、始まります(震え声)』


『RTA勢「チャートは?」「チャートは?」「チャートは?」』


コメント欄が沸いてる。


次の話のタイトルが、頭に浮かんだ。


——ダンジョンコア攻略RTA(N+R装備限定)。


いやだ、そのタイトル。

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