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ガチャ爆死で異世界召喚されたけど、スキルが『無料10連ガチャ(99%低レア)』と『コメント欄』しかない ~ゲーム知識でがんばります~  作者: ころにゃん


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第10話 モンスター襲来、ステージは守ります(中編)

ミラージュウルフを無事討伐。しかし、本当に大変なことが起きようとしていた。



「今のって……私が?」


リルアが自分の手を見てる。目が丸い。後光がまだ少し乱れてて、光が指先からちらちら散ってる。


「リルア……後光で照明を作った。暗がりに隠れた狼を照らし出した」


「私が……光で……?」


「ステージライトの応用だよ。メロちゃんを照らしてたのと同じ。でも今回は、敵を照らした」


リルアの後光がぽわぽわぽわぽわっと明滅してる。混乱と驚きと、嬉しさがごちゃまぜになってる。


「私……役に立てた……?」


「立った。すっごく立った」


リルアの目がうるんだ。


「私……戦闘で……役に立てた……!」


後光がぽわーっと明るくなった。嬉しくて制御できない。ロウソクがランタンくらいになってる。


「先輩!」


セラフィーナが走ってきた。


「先輩! すごいです先輩! 後光であんなことができるなんて!」


セラフィーナの後光もキラキラチカチカしてる。嬉しすぎて制御できてない。シャンデリアがディスコボールみたいになってる。


「せ、セラフィーナ、まぶしい……」


「すみません先輩! 嬉しくて!」


後光が二つ、ぽわぽわとキラキラと、バックステージの裏で光り合ってる。


レクトが剣を納めて、ふっと息を吐いた。


「……悪くなかった」


レクトのツンデレ翻訳:「よくやった」。


エルナさんがメモを取りながら震えてる。


「後光の戦闘応用——照明による幻影無効化。R女神の後光が、B級モンスターの幻影を打破。これは——これは、新しいデータです……!」


興奮してる。ペンの動きが速い。でもメモの手が震えてるのは、興奮だけじゃなくて——たぶん、ちょっと泣いてる。


「リルアさんが……戦闘で……」


「うん。リルアが、やった」


エルナさんが鼻をすすった。すぐにメモに戻ったけど、ノートに水滴が落ちてた。


『R女神、戦闘初貢献!!!!!!!!(歴史的瞬間)』


『後光の用途:照明(公式)。ステージライト→サーチライトへの転用(応用)』


『N装備+R後光でB級撃破。この子たち本当にNとRか??? ランク詐欺では???(疑問)』


『虚無のポーションがB級モンスターの幻影を無効化した件。Nアイテム最強伝説がまた更新された(速報)』


『セラフィーナのディスコボール後光、これはこれで新しい(副産物)』


『虚無のポーションで50匹が5匹に。N装備の可能性、無限大すぎる』


コメント欄が大騒ぎだ。



戦闘が終わって、会場に戻った。


メロが——まだステージで歌ってた。


ゲリラライブの小スペースで。一人で。


モンスターが襲来してる間も、ずっと歌い続けてた。


ファンたちが拍手してる。泣いてる人もいる。モンスターが来て、悲鳴が上がって、パニックになりかけた時——メロの歌声が聞こえたから、落ち着けた。逃げないで済んだ。


メロの声が震えてる。でも歌い続けてる。


歌い終わった。


静寂。


そして——拍手。


会場中から拍手が聞こえた。メインステージの方からも。ゲリラライブの小スペースに、人が溢れてる。200人、300人——もっといる。


「メロちゃん、なんで——」


「みんなが……怖くないように……」


メロが泣きながら言った。


「私にできることは、歌うことだけだったから……」


胸の奥が熱くなった。


歌うことだけ。それだけ。でも——それが、何百人もの人を救った。


パニックにならずに済んだのは、メロの歌声が会場に響いてたから。


「エルナさん」


「……はい」


「メロちゃんの票数」


エルナさんの鑑定スキルが光った。声が震えてる。


「800……900……」


数字が動いてる。戦闘が終わって、感動したファンが次々に投票してる。


「950……980……」


会場のあちこちで、投票券を握りしめた人たちが走ってる。メロの投票箱に向かって。


「990……」


「1000……!」


1000票。


その瞬間——


メロの体が、ぶわっと光った。


2Dの輪郭が——変わり始めた。


平面だった体に、奥行きが生まれていく。影ができる。横から見ても消えない。髪がふわっと立体的に揺れる。手に厚みが出る。足に体重がかかる。


会場が静まり返った。


メロが——3Dになっていく。


光が収まった。


メロが——立ってた。


3Dで。


立体で。


初めての後ろ姿があった。


メロが自分の手を見た。開いたり閉じたり。振り返った。——後ろ姿がある。初めての後ろ姿。


「私……立体に……手が……厚みが……!」


メロが自分の頬を両手で触った。


「あったかい……自分の顔が、あったかい……」


涙が落ちた。3Dの涙。立体の涙。光を反射してきらきら光りながら、メロの頬を伝って落ちた。


エルナさんが鑑定スキルで何かを見た。ノートに急いで書き殴ってた。「投票、1000到達……3D化達成……」


ペンが止まった。エルナさんの顔色が変わった。


「……桜庭さん。3Dの先に、もう一つ段階があります。数値が——振り切れてる。鑑定スキルの測定限界を超えてます」


「測定限界?」


「ルミナさんが話してた伝説……もしかしたら、ただの伝説じゃないのかもしれません」


エルナさんの手が震えてた。データで見える人だからこそ——見えてしまったものの重さが、顔に出てた。


大歓声。


会場が揺れた。拍手と歓声と涙が、全部混ざり合って——


コメント欄が全部同じ文字で埋まった。


『おめでとう』


『おめでとう』


『おめでとう』


『おめでとう』


『おめでとう』


『3Dお披露目配信リアル。本日のMVP、確定(満場一致)』


『おめでとう』


『おめでとう』


私も泣きそうだった。


リルアが私の手をぎゅっと握ってきた。後光がぽわーっと、明るく、あたたかく灯ってる。



投票締め切りの時間になった。結果発表は明日。


日が暮れた会場で、メロが走ってきた。


——走って。


3Dで。


足音がある。地面を踏む感触がある。2Dの時にはなかった、地面との接点。


「ひなたさん……!」


メロの声が、すぐそばで聞こえた。2Dの時は距離感がなかったのに、今はちゃんと「近くにいる」とわかる。


「ありがとうございます……! 3Dに……なれました……!」


泣いてる。3Dの顔で、3Dの涙を流してる。


「メロちゃん」


「はい……はいっ……」


「横から見ても見えるね」


メロが、さらに泣いた。


「はいっ……! 見えます……! 見えるんです……!」


メロが自分の横顔を手で触ってる。厚みがある。横から見ても消えない。自分が立体だということを、何度も何度も確認してる。


リルアが二人を見てる。


後光がぽわぽわしてる。嬉しそう。


でも——少しだけ。ほんの少しだけ。


後光がしゅんと暗くなった。


一瞬だけ。すぐにぽわっと戻ったけど。


私は気づいた。でもリルアは何も言わなかった。


リルアの内心が——後光に出てた。


(メロちゃんは3Dになれた。たくさんの人の応援で)


(私は、ひなたちゃん一人の応援だけ)


(それでも……それでいいって思ってるのに)


(なんでちょっとだけ、羨ましいんだろう)


後光がほんの少し、しゅんと暗くなった。


でもすぐにぽわっと戻る。


リルアは笑ってた。いつもの笑顔。

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