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護衛を持たない商人を乗せた馬車が街からやってくる……
事前に情報を得ていた俺は既に囲むようにゴブリンを配置済みだ。
最初の生き残りのlv30(5人)をリーダーに任命し、配下を21人(lv15前後)を付けた全5チームを構成している。
俺は道に単独で出て商人達の馬車を待った。
ほう……情報より大所帯だな……
商人達の馬車は全部で5台……情報より1台多いのは嫌な感じだが、
準備に思ったより時間が掛かってしまった為、DPは底をつき……今は狩をしてやっと難を逃れているが、食糧がカツカツだ……
『ゴブリン達は食べ物がなくなるとダンジョンから出て、帰って来ない』
コアから、そんなゴブリン達の性質は聞かされていた……恐らくこれを逃したら食糧は枯渇する……ここで退くわけには行かない。
商人達の馬車は俺に気がつくと止まり、こちらの出方を伺っている。
「ピィー!」
俺の口笛で左右から馬車目掛けて矢が雨のように飛んでいく。
2台の馬車は従者と馬が射られ、行動不能になった。
2台の馬車が暴走し、こちらに猛突進してくる。
手斧を一方の馬に投げ付け、馬の頭蓋を叩き割ると馬車は転倒した。
一台の馬車は依然健在である……暴走する馬車を前に背負っていた両手斧を構える。
俺を轢き殺そうと仰け反る馬の従者……俺は微動だにしなかった。
「ヒィィィィ!ドケェ!どかねぇとぉぉぉぉ!」
「悪いな!!フンッ!」
俺は横に移動し馬車を避け、両手斧はすれ違いざまに馬の腹と馬車の車輪を片側砕いた。
車輪を失い、馬車の本体片側が地面に接触した瞬間、その反動で馬車は半回転しながら逆側に転倒する。
「ピィー!」
二度目の合図でゴブリン達は四方から馬車に突撃していく……残りの1チームは獲物が逃げた時用に控えている。
「ひっ!ゴブリン!?……う、うわぁ!たすけテェェェ……ギャアアアア!」
荷を捨て、逃げ出そうとしていた商人はゴブリンに斬り殺された。
そんな仲間を壁にして逃げた奴もとうとう逃げ場を失い、馬車に逃げ込む……
当然ゴブリン達は馬車に雪崩れ込み、死からは逃れる事が出来ない。
「ドゴッ!」
突然、いままで沈黙していた一台の馬車からゴブリン達が弾き飛ばされた。
中から両手剣を装備した人間が怒号を発しながら出てくる。
「うぉっしゃー!ゴブリンども!俺は冒険者!バルサニコス様だ!お前らなんかには遅れは取らなねぇ!」
「ピッピー!」
ここで一人でも逃すのはまずい!
あらかじめ決めておいた合図……
俺は口笛を吹きながら、その馬車に急行した。
ゴブリン達は指示に従い、冒険者を俺に任せて獲物を逃さない事を重視する。
俺は手塩に掛けたゴブリンが吹っ飛ばされて少しだけ憤慨していた。
「よくもやってくれたな!冒険者!」
「ハッハー!親玉は貴様か!珍妙な奴め!ゴブリンの親玉ごとき!我が刃のサビにしてくれるわ!」
俺は冒険者と睨み合い、間合いを図った。




