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俺はある程度舗装された道路を歩き、センブリという街に到着した。


俺は何時ものように街中を歩き、スラム街と商店街の間に位置する一軒の家に入る。


俺の持っている貴金属は盗品だ……普通の店に売れるわけはない……

店の入口には棍棒を持ったガードマンが居て、俺を見ている。

俺は構わずカウンターへと向かった。


「よう……買い取りいいか?」

「おっ!今日は一人ですかい?」

普段は下っ端を数人連れて来るのだが……


「そうだが?気になるか?」

「ヒヒヒ!怖い顔するなってぇ!襲う気はないですぜ?」

「まぁいい……ドシャッ……これを買い取ってくれ」

「ヒヒヒ……毎度あり!またカモが現れたら情報渡しますから……安く買い取らせてくだせぇ」

この店とは付き合いが長い、俺達が貧乏商人を襲うのに苦労しないのは、こういう不良商人のおかげだ……


「売った商人を襲わせるなんて、酷い話だな」

「なぁに、リサイクルですぜ!……リサイクル!」

「何がリサイクルだ、よく言うぜ」

「ヒヒヒ!旦那、そりゃお互い様ですぜ!?」

「まあな、今日はついでに武器も欲しいんだが、入ってるか?」

「おや……珍しいですね、今日は奴隷は?」

「お盛んな親分は死んだよ」

「そうなんですかい?」

「ああ、俺の留守中にアジトが焼き捨てられてな……隠してあった財産はこうして無事だったがな……それで俺は新たに盗賊団を組織しようと思ってな」

「そうなんですかぃ……まぁ旦那は一見じゃあないんでねぇ……ウチも金さえ貰えれば仕事はしやす」

「おう、情報の受け渡しはこれまで通りで頼む」

「お任せくだせぇ……で、武器は……」


貴金属は120000ゴールド程になり、

俺はその殆ど全てで商人から大量の武器を格安で手に入れた。

手斧50本、ファルシオン32本、槍22本、両手斧35本、矢尻500個、それに馬車のレンタルと門までの配送を手配して111500ゴールドだ……まぁこんなものだろう。


その武器はどれも、メンテナンス次第ではギリギリ使えそうな粗悪品、刃はどれもガタガタだ……まぁ贅沢は言えない、ダンジョンに帰ったらゴブリンと共に数日間はメンテナンスが必要だろう。

「じゃあ111500ゴールドな」

「ヒヒヒ……ありがてぇ……けど旦那、一体何人の部下を集めたんですかぃ?」

「気になるか……?」

「いえ、止めときます……知らない方がいいって事もございますからねぇ!ヒヒヒ!」

「そうだな」

「旦那、けど馬車の準備は時間くださいよ?なんせこの量ですからねぇ……ヒヒヒ」

「分かっている」

「じゃあ西の門で準備しときやす!毎度あり!」


俺は店を後にして冒険ギルドに向かった。

そのうち敵になる冒険者達の情報を少しだけでも得ておかなくては……


冒険ギルドのドアを開けると鈴の音色が店内に鳴り響く……

「いらっしゃい!」

冒険ギルドに酒場が併設されている事は知っている。


「ビアを一杯くれ……」

「はーい」

女性定員に促されて、俺はカウンターへ腰掛け……出されたビアを一口飲んだ。

掲示板には張り紙……店内には数グループの冒険者達が何やら相談事をしている。


ある一つのテーブルから一人こちらへやってくる。

「よう!あんた、冒険者か?」

「いや、違う」

「そうか……」

「何だ?」

「いや、雰囲気はあるなと思ってな……いや、ジロジロ見て悪かった……」

彼は他のメンバーの所へ戻っていった。

焦る必要はない、俺はビア片手に掲示板を見る。


ダンジョンの攻略の最低適正レベルは10から張り出されている……上を見たら900オーバーのものまであり、その報酬は段違いだ……冒険者の世界も厳しいらしいな……


「気になるか?」

「またお前か……」

「どうだ?冒険者になってみないか?俺達が教えてやるよ」

「いや、今日は単に買い出しに来て、その待ち時間の暇潰しに来ただけだ」

「おっ?もしかして傭兵か?」

馴れ馴れしい奴だな……


「正直、興味はあるが今度にしてくれ」

「そうか、俺はネモって言うんだ……その気になったら声を掛けてくれよ?他のメンバーもいる……だから絶対入れるとは言えないが、今人員不足なんだ」


去ろうとする冒険者を呼び止めた。

「分かった……おいネモ!いくつぐらいで入れてくれるんだ?」

「?……レベルの話か?」

「そうだ」

「まぁ80前後なら問題ないな……」

「了解した……今度声を掛けさせてもらうよ」


おっと……そろそろ馬車の準備が出来る頃だ……いくか……あの商人も油断するとチョロ負かそうとしてくるからな……


俺はビアを飲み干し、300ゴールドをカウンターに置いてギルドを後にする。

「じゃあな」

「おっ!俺達は非番の時はここに居るからな!」


西門に行くとやはり商人は数を誤魔化していた……俺は正規の数を商人に積ませて馬車を走らせる。


馬車はダンジョン付近の道まで移動させてゴブリンと共に中身を運んだ。


ダンジョンに全てを運び終えてから、

ゴブリン達に刃の研ぎ方を教えて実践させる。


「ゴブッ!」

「ほう……良く研げてるじゃないか!良くやった!……」


木を切らせていたゴブリン達が帰って来た……

「ほう……良い木を選んだな、それでは斧で削り出して弓を作るぞ!」

「ゴブッ!」


全体的にまだ荒いが、初めてにしては悪くは無い……

軍備は整いつつある……

この調子なら一週間もあれば商人を襲う位は訳ないだろう……

あとは頭数を揃える事だ……

数が居れば、襲撃も訓練も効率が良くなる……

食糧が枯渇しないよう、盗賊業を軌道に載せなくては……

「コア!後100ゴブリン追加だ!」

『良かろう……』

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