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星を護る者  作者: 花鹿
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10/20

ありありのあり

 

「何でこうなった?How did this happen?」


 朝の爽やかな日差しが差し込む、東京都内の名門高校――その正門前で、茫然とする俺の周りには、すでに一重二重の人垣が出来ていた。


「ねえ、あの子? 転校生かな?」


「待って、めちゃくちゃ可愛くない!? TVとかの撮影じゃないよね?」


「あんな透明感のある美少女、この辺りじゃ見た事ないぞ!」


 登校中の生徒たちが、何事か?と次々と足を止める。

 興味深そうな視線とひそひそ声とささやく声が俺へ向けられる。


 短いスカートに包まれた足元はスースーし、風が吹くたびにセーラー服のプリーツがヒラヒラと揺れている。


 おっさんマインドを持つ俺にとって、このアウェイ感と衆人環視のプレッシャーは、異獣戦よりもはるかに精神的HPをガリガリと削ってくる苦行だった。


(くっ! 潜入捜査って聞いてたから、もっとこう華麗に潜入するかと思いきや、初日からこれかよ!)


 逃げ出したくなる衝動を必死に抑えつつ、俺は引きつった笑みを浮かべつつ校門をくぐり抜けた。


「ふふっ、ルリちゃん美少女だからな・・・まぁ順調な滑り出しね」


 離れた所に停車した車中、超小型の捜索ドローンからの映像を観てほくそ笑む玲と、特殊な装置でドローンから送られてくるデータをモニタリングしている湯川たちの姿があった。



「ねえ、君! どこのクラス? 荷物持つよ!」と気さくに話しかけてくる女子グループに囲まれたかと思えば、廊下を歩いているだけで 「キャー、お人形さんみたい!」「お肌つるつるじゃん、何の化粧水使ってるの!?」と容赦なく両頬を引っ張られたり、背後から抱きつかれたりする。


(ひえっ! 距離が近い、女子高生の物理的距離感がバグってるぅ!!)


 現役女子高生たちの女子力と、ハイテンションなスキンシップは暴走戦車より恐ろしいと思い知る。


「櫻井ハルです。よろしくお願いします」


 恥ずかしさに、赤面していても・・・

 見た目のせいで「キャー、照れてる顔も可愛い~!」とさらにモフられるという無限ループに陥ってしまう。


 さらに、昼休みになれば更なる試練が待っていた。


「一緒にカフェテリア行こ!」と連れて行かれた一角で、周りを女子高生の大群に囲まれながらハイテンションの「恋バナ」や「ネットの話題」に巻き込まれる。


(俺に話を振るな! 最近の流行りなんて、pouTubeの推しの動画か、ゲーム配信くらいしか知らんわ!!)


「ねえ、ハルちゃんって好きなタイプとかいるの?」


 キラキラとした何かを期待した瞳で見つめられる。

 冷や汗をダラダラと流しながら、テンパった俺は・・・


「え、えーとFPSとかかな・・接近戦ならショットガンで」


 と妙な返答をしてしまい、周囲を「え?」と微妙な空気にさせてしまう失態も犯した。


「あは・・・あははは」


 頭を抱えたくなる発作を抑えつつ、俺は引きつった笑いを浮かべつつ・・何とか誤魔化した?


 宇宙人の誘い水となる「上質な精神エネルギー(という名の多大なストレス)」を一身に背負いながら、偽りの女子高生・星宮ルリの学園潜入ライフが・・・こうして幕開けを迎えたのだった。




次回予告

現役のJKに振り回されるルリ。

中々尻尾を出さない敵に苛立ちを感じ始めた時、罠は閉じられた。

次回「閉じられた罠」でFuture Go!!

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