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なんか工房通りは火と音が強いらしい

黒い根の話が終わっても、胸の奥にはまだ冷たいものが残っていた。

 

名前をつけられないもの。

 

普通の魔物でも、毒でも、薬草でもないもの。

 

黒い根の欠片は、木箱に戻された。

 

布に包まれて、蓋をされて、棚に置かれた。

 

もう見えない。

 

それでも、そこにある。

 

見えないのに、ある。

 

それが、少し怖かった。

 

ミラはそれを分かっているみたいに、わざと明るい声を出した。

 

「じゃあ、外を見に行きましょうか」

 

「外?」

 

「ルーベルまで来たんだもの。薬師工房だけ見て帰るのは、もったいないでしょう?」

 

もったいない。

 

それは、少し分かる。

 

薬師工房だけでも、もう頭はいっぱいだった。

 

薬研。

 

乾燥室。

 

煎じ薬。

 

エルフの話。

 

黒い根。

 

でも、ルーベルにはまだ他にもある。

 

布屋。

 

冒険者。

 

犬人の護衛。

 

そして、まだ見ていない通り。

 

カリンが前を向いた。

 

「鍛冶」

 

ミラが笑う。

 

「そう。工房通りね。鍛冶、金物、木工、革細工。いろいろあるわ」

 

「盾も?」

 

「盾そのものを作る店は少ないけれど、縁金や留め具、工具ならあるわね」

 

カリンの目が強くなった。

 

分かりやすい。

 

薬草工房でもちゃんと見ていたけれど、盾や道具の話になると違う。

 

俺も楽しくなってきた。

 

薬師工房とは違う匂い。

 

違う音。

 

違う仕事。

 

見たい。

 

でも、さっき黒い根を見たばかりだ。

 

胸の中に冷たいものが残っている。

 

そんな状態で行っていいのか。

 

俺が迷っていると、リディアが静かに言った。

 

「怖いものを見た後に、普通の町を見るのも大事よ。怖いものだけが、世界ではないから」

 

その言葉で、息が楽になった。

 

黒い根はある。

 

でも、ルーベルには布屋もあるし、歌う人もいるし、これから見る工房通りもある。

 

怖いものだけではない。

 

俺は頷いた。

 

「行きたいです」

 

カリンも頷く。

 

「行きたい」

 

ヨシュアが考えてから言った。

 

「少しだけだ。疲れたらすぐ戻る」

 

「はい」

 

「うん」

 

ミラが前掛けを外し、外套を羽織った。

 

「じゃあ、案内するわ」

 

リディアは工房に残るらしい。

 

黒い根の箱があるからだろうか。

 

リディアは俺を見る。

 

「ヨウカ。さっきのことは、急いで考えなくていいわ。今日は、町を見てきなさい」

 

町を見る。

 

その言い方が、よかった。

 

黒い根を見るだけではない。

 

町を見る。

 

人を見る。

 

仕事を見る。

 

「行ってきます」

 

リディアは小さく笑った。

 

「いってらっしゃい」

 

なんだか、家みたいだった。

 

でも、ここはミラの薬師工房で、外はルーベルだ。

 

やっぱり、知らない場所だった。

 

 

薬師通りを出ると、また町の音が戻ってきた。

 

少し慣れた気がする。

 

でも、角を曲がると、音の種類が変わった。

 

かん。

 

かん。

 

がん。

 

ごとん。

 

木を削る音。

 

金属を叩く音。

 

革を引っ張る音。

 

火のはぜる音。

 

広場は、人の声と荷車の音が多かった。

 

工房通りは、物が生まれる音が多い。

 

俺は足を止めそうになって、歩幅を小さくした。

 

ミラが俺たちを見て、笑う。

 

「ここが工房通りよ」

 

道の両側に、店というより作業場のような場所が並んでいる。

 

扉を開けたままの建物。

 

奥で火が見える建物。

 

木材が積まれた場所。

 

軒先に鍋や釘や金具が並ぶ店。

 

薬師通りとは、匂いが全然違う。

 

煙。

 

油。

 

熱い鉄。

 

焦げたような匂い。

 

鼻に強い。

 

嫌ではない。

 

薬師工房が乾いた草の匂いなら、ここは火と道具の匂いだ。

 

カリンが小さく息を吸った。

 

「音、強い」

 

「うん。匂いも強い」

 

カリンの目は、すでに通りの奥へ向いている。

 

盾。

 

金具。

 

刃物。

 

そういうものを探している。

 

俺は、火の色を見ていた。

 

赤。

 

橙。

 

白に近い黄色。

 

熱で空気が揺れている。

 

前世で見た動画の鍛冶と似ている。

 

目の前にあると、音も熱も違う。

 

本物は、画面の向こうよりずっと強い。

 

「熱いから近づきすぎないでね」

 

「はい」

 

「うん」

 

ここは、薬草棚より危ない。

 

勝手に触るとか、その前の問題だ。

 

近づくだけで危ない。

 

俺はアンナの近くを歩いた。

 

カリンも、さすがに慎重になっている。

 

工房通りは、子どもの足を簡単に止める力があった。

 

 

最初に見えたのは、木工の工房だった。

 

大きな板。

 

細い棒。

 

丸く削られた脚のようなもの。

 

職人が木を削っている。

 

しゅっ。

 

しゅっ。

 

薄い木くずが、くるりと丸まって落ちる。

 

それだけで面白い。

 

あの木くずは、レナードさんの作業場でも見たことがある。

 

ここは量が違う。

 

道具も違う。

 

木の匂いも濃い。

 

カリンが小さく言った。

 

「父さんのところと、似てる」

 

「うん。でも、違う」

 

「うん」

 

レナードさんの作業場は、家に近い。

 

ここは仕事の音が外に出ている。

 

人が見て、注文して、持っていく場所だ。

 

俺は職人の手元を見た。

 

手が迷わない。

 

刃を動かす角度も、木を押さえる力も、全部決まっているみたいだった。

 

「すごい」

 

俺が言うと、ミラが頷いた。

 

「職人の手は、見ていて飽きないでしょう。薬師も同じよ。慣れた手は、無駄に動かない」

 

無駄に動かない。

 

ミラの薬研を動かす手を思い出す。

 

リディアが黒い根を扱う時の手も、無駄がなかった。

 

大人の手は、ただ大きいだけではない。

 

必要なところへ、必要なだけ動く。

 

カリンも職人の手を見ていた。

 

守る時の動きと、重ねているのかもしれない。

 

カリンの目は、真剣だった。

 

 

次の店先に、金物が並んでいた。

 

鍋。

 

小さな刃物。

 

釘。

 

留め具。

 

火ばさみ。

 

薬草を切る小さな刃もある。

 

俺はそれを見て、驚いた。

 

「薬師の道具もある」

 

「あるわよ」

 

ミラが言う。

 

「薬師も、鍛冶や金物職人に助けられているの。薬研の金属部品、刃物、鍋、匙。全部、自分で作れるわけじゃないから」

 

そうか。

 

薬師工房は、薬草だけではできていない。

 

棚は木工。

 

薬研は石や金属。

 

鍋は金物。

 

ミラの工房だけで完結しているように見えて、町のいろいろな仕事とつながっている。

 

「町は動く棚」と思った。

 

それだけではなかった。

 

町は、大きな工房の集まりでもある。

 

それぞれの仕事が、別の仕事を支えている。

 

「薬師も、一人じゃない」

 

俺が言うと、ミラは目を細めた。

 

「そうね。薬師も一人では仕事ができないわ」

 

アンナが頷く。

 

「村も同じよ」

 

マルタさんのパン。

 

レナードさんの道具。

 

アンナの薬草。

 

全部つながっている。

 

ルーベルは、それがもっと大きくて、もっと速い。

 

カリンが金具の一つを見ていた。

 

盾の縁に使うような、細長い金属の帯だ。

 

手は出さず、ただ見ている。

 

「カリン、盾?」

 

「うん」

 

「気になる?」

 

「うん」

 

短い。

 

でも、かなり気になっているのが分かる。

 

ミラが店の人に声をかけた。

 

「少し見せてもらっても?」

 

店の奥から、低い声が返ってきた。

 

「見るだけならな。子どもは火の方へ行かせるなよ」

 

その声に続いて、奥から職人が出てきた。

 

背は低い。

 

でも、横に大きい。

 

肩が厚く、腕が太い。

 

髭がしっかりしていて、顔にすすがついている。

 

俺は目を見開きそうになった。

 

ドワーフだ。

 

背は低いのに、小さく見えない。

 

むしろ大きく見える。

 

岩みたいだと思った。

 

ミラが紹介する。

 

「ドワーフの職人、ゴルダンさんよ。金物の腕は確か」

 

「余計なこと言うな」

 

ゴルダンさんは低く言った。

 

でも、怒っている感じではない。

 

照れているのかもしれない。

 

ミラは笑っている。

 

「こちらはフィル村のアンナとヨシュア。それから、ヨウカちゃんとカリンちゃん」

 

俺もカリンも頭を下げる。

 

「こんにちは」

 

ゴルダンさんは俺たちを見た。

 

「小さいのに、礼はできるんだな」

 

門の人にも、似たようなことを言われた。

 

ルーベルでは、挨拶するだけで驚かれるのだろうか。

 

カリンの背中の盾を見た。

 

「そっちの嬢ちゃん。盾を背負ってるのか」

 

カリンの背筋が伸びた。

 

「うん」

 

「見せてみろ。持つな、背負ったままでいい」

 

カリンはアンナを見て、ヨシュアを見る。

 

二人が頷く。

 

カリンは背中を少し向けた。

 

ゴルダンさんは近づき、盾を見た。

 

手では触らない。

 

目で見る。

 

角度を変えて、縁を見て、留め具を見る。

 

触らないのに、見ているところが細かい。

 

カリンが緊張している。

 

俺も緊張した。

 

自分の盾ではないのに。

 

「村の細工か」

 

ヨシュアが答える。

 

「カリンの父親が直した」

 

「悪くない」

 

カリンの目が動いた。

 

悪くない。

 

それは、かなり嬉しい言葉だ。

 

「縁金はもう少し厚くできるが、子どもが持つなら今くらいでいい。重くしすぎると盾に振られる」

 

「盾に、振られる?」

 

「盾を持っているつもりで、盾に体を持っていかれる。そうなると守るどころじゃない」

 

カリンは真剣に聞いている。

 

レナードさんが言っていたことと似ている。

 

道具を持つなら、自分の足を止める。

 

重すぎる道具は、自分を動かしてしまう。

 

「重い方が強い?」

 

ゴルダンさんは鼻で笑った。

 

「重けりゃいいなら、岩でも背負っとけ」

 

俺は笑いそうになった。

 

カリンは真面目に考えている。

 

「岩は、動けない」

 

「そうだ。動けない盾は、役に立たん」

 

ゴルダンさんは盾の縁を見ながら言う。

 

「守る道具は、持つ奴の体に合ってないと駄目だ。強い金属を使えばいい、厚くすればいい。そんな簡単な話じゃない」

 

顔は怖い。

 

声も低い。

 

でも、言っていることは、とても丁寧だった。

 

カリンは小さく頷いた。

 

「体に合う」

 

「そうだ。今のあんたには、それくらいでいい」

 

「今の」

 

「ああ。大きくなれば、また変わる」

 

カリンは盾に手を触れた。

 

「変わる」

 

「当然だ。持ち主が変われば、道具も変える」

 

その言葉は、カリンに刺さったみたいだった。

 

カリンは何も言わない。

 

でも、目がまっすぐだった。

 

 

今度は俺を見た。

 

「そっちのは、何をそんなに見てる」

 

「火と、道具と、手です」

 

正直に言った。

 

ゴルダンさんは眉を上げた。

 

「手?」

 

「動きが、無駄じゃないから」

 

言ってから、大人っぽすぎたかと思った。

 

でも、もう言ってしまった。

 

ゴルダンさんはしばらく俺を見る。

 

それから、低く笑った。

 

「変な子どもだな」

 

カリンが俺を見る。

 

「やっぱり」と思っている顔だ。

 

ゴルダンさんは作業台の小さな金属の輪を持ち上げた。

 

「これは何だと思う」

 

輪っか。

 

金具。

 

革紐を通すものだろうか。

 

俺は答えそうになって、止まった。

 

分からないのに、分かったふりをしない。

 

「留めるもの?」

 

「半分正解だ」

 

ゴルダンさんは金属の輪を指で回した。

 

「袋の口にも使える。荷にも使う。小さい盾の革紐にも使える。使い道は一つじゃない」

 

「道具も、場所がある?」

 

ゴルダンさんは一瞬黙った。

 

それから、にやりとした。

 

「ある。だが、薬草みたいに棚に寝かせとく場所だけじゃない。道具は、使われる場所が帰る場所だ」

 

使われる場所が、帰る場所。

 

俺はその言葉を、頭の中で転がした。

 

「薬師の道具を見るなら、鍛冶も見ろ。薬草を切る刃が悪けりゃ、薬草も傷む」

 

ミラが横で頷く。

 

「その通りなのよね」

 

「お前の刃物もそろそろ研げ」

 

「分かってるわよ」

 

ミラとゴルダンさんは、普通に言い合った。

 

仲が悪いわけではなさそうだ。

 

町の人同士の距離。

 

フィル村とは違うけれど、こういうつながりもある。

 

それを見るのが、少し楽しかった。

 

 

奥で、弟子らしい若い人が鉄を叩いていた。

 

ゴルダンさんほど背は低くない。

 

人間か、若いドワーフか、俺にはまだ分からない。

 

赤く熱された細い金属を、金床に置く。

 

かん。

 

かん。

 

打つたびに、火花が散る。

 

俺は目を丸くした。

 

火花。

 

きれい。

 

でも、近づいたら危ない。

 

熱くて、飛んで、目に入ったら大変だ。

 

綺麗なものが、安全とは限らない。

 

「嬢ちゃんたちは、火の近くに行くなよ。火傷は薬師がいても痛いぞ」

 

「はい」

 

ミラが苦笑する。

 

「痛いものは痛いわね」

 

「治せるのと、痛くないのは別だ」

 

俺は火花を見た。

 

綺麗だ。

 

 

カリンは、店先の小さな盾の部品を見ていた。

 

皮を留める金具。

 

内側の握り。

 

縁を守る金属。

 

俺には全部同じように見える。

 

でも、カリンには違って見えているらしい。

 

「これ、持つところ?」

 

「握りだな。手が小さいなら細くする。汗をかく奴なら滑りにくくする。力が弱いなら、支えを増やす」

 

カリンは自分の手を見る。

 

小さい手。

 

「私のは?」

 

「今のは悪くない。ただ、布を巻くなら薄くしろ。太くしすぎると握れん」

 

カリンは真剣に頷いた。

 

「父さんに言う」

 

「言っておけ」

 

ゴルダンさんは、口元を緩めた。

 

「いい父親だな。子どもに合わせて直してる」

 

カリンの表情が、ほんの少し変わった。

 

嬉しいのだと思う。

 

「うん」

 

カリンは短く答えた。

 

その声は小さかったけれど、しっかりしていた。

 

レナードさんがここにいたら、どんな顔をしただろう。

 

照れるだろうか。

 

それとも、当然だと言うだろうか。

 

そんなことを考えて、俺は笑いそうになった。

 

カリンがこっちを見る。

 

「なに」

 

「なんでもない」

 

「変」

 

また言われた。

 

今日は何回目だろう。

 

でも、ルーベルでは変なことばかりだから、俺が少しくらい変でもいい気がした。

 

 

店を出る前に、ミラが小さな刃物を一本預けていた。

 

薬草を切る刃らしい。

 

「急ぎじゃないけれど、お願い」

 

「刃こぼれしてる。使い方が雑だ」

 

「うるさいわね。忙しかったの」

 

「忙しい時ほど道具を雑にするな」

 

ゴルダンさんの声は厳しい。

 

でも、ミラは怒らない。

 

「はいはい。分かりました」

 

「分かってない返事だな」

 

「分かってるわよ」

 

二人のやりとりを見て、俺は面白くなった。

 

薬師と鍛冶職人。

 

全然違う仕事なのに、ちゃんと言い合える。

 

お互いを必要としているのに、文句も言う。

 

町の関係は、そういうものかもしれない。

 

フィル村の温かさとは違う。

 

でも、これはこれで温かい。

 

火の近くの温かさみたいに、少し荒くて、強い。

 

ゴルダンさんは俺たちを見る。

 

「見物は終わりか」

 

ヨシュアが頷いた。

 

「あまり長居しても邪魔になる」

 

「分かってるならいい」

 

ゴルダンさんはカリンを見た。

 

「重いと思ったら、強くなったふりをするな。軽くするか、持ち方を変えろ。守る道具で、自分が倒れたら笑えん」

 

「倒れない」

 

「倒れそうになったら言え」

 

カリンは少しだけ止まった。

 

それから頷いた。

 

「言う」

 

よかった。

 

カリンが「言う」と言えた。

 

ゴルダンさんは俺を見る。

 

「小さいの。見たものを全部頭に詰めようとするなよ。頭も道具と同じだ。入れすぎりゃ鈍る」

 

俺は目を丸くした。

 

今、かなり刺さった。

 

「……はい」

 

「返事が重いな」

 

「重かったです」

 

正直に言うと、ゴルダンさんは低く笑った。

 

「変な子どもだ」

 

また言われた。

 

悪い感じではなかった。

 

ミラも、アンナも笑っている。

 

カリンは、なぜか得意げだった。

 

俺が変だと認められたから、かもしれない。

 

 

工房通りを離れると、音が遠くなった。

 

かん、かん、という音が後ろに残る。

 

でも、耳の奥にはまだ響いている。

 

火の色。

 

金属の匂い。

 

ドワーフの職人。

 

「ヨウカ、頭、重い?」

 

俺は驚いた。

 

「そう見える?」

 

「顔」

 

また顔か。

 

俺の顔は、本当に忙しいらしい。

 

「ちょっと重い」

 

カリンは頷いた。

 

「じゃあ、少し休む」

 

「うん」

 

ミラが前で振り返った。

 

「近くに休める場所があるわ。そこで座りましょう」

 

ヨシュアも頷く。

 

「そうするか」

 

黒い根を見た。

 

薬師工房を見た。

 

工房通りを見た。

 

ドワーフにも会った。

 

頭が重くならない方がおかしい。

 

カリンも疲れているように見えた。

 

でも、盾の話を聞いたせいか、目はまだ明るい。

 

「カリン、楽しかった?」

 

カリンは考えた。

 

「音、強かった。火、熱そうだった」

 

少し間があって、最後に言った。

 

「楽しかった」

 

短い。

 

ちゃんと楽しかったらしい。

 

「私も」

 

遠くで、また金属を叩く音がした。

 

かん。

 

かん。

 

かん。


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