砂猫
久しぶりの投稿になりました。
やっと異世界に来られました。
なんなんだ、入国後二日間は魔道具の売り込みばかりで宿泊所から一歩も出ていない。
案内係の話によると、個人で訪れる人は高純度の魔性石が付いている魔道具と新製品を求めてやってくるので、観光よりもこちらが喜ばれると言っていた。
それにしても家電製品のような魔道具が多い。
夜中の通販番組の様なプレゼンが笑える。
例の如く乗せられやすいクワンリは湯沸かしポットや保冷魔法瓶、研ぎいらずの包丁セットなど数点を購入済みだ。
その夜のことだ。
砂猫
「カリカリッカリカリッカリカリカリ」
俺の野生の耳が覚醒させる。
ネズミか?
くそ〜また猫に引っ張られてる、、、
ベッサンに来てから、人間に変化していないせいもあるのかもしれない。
耳だけ音がしている方に向ける。
「キュキュ」
ちょっとゴムが擦れてるような音もしている。
蝶々にはあがなえないときは多々あるが、まだネズミやトカゲを咥えるまでは行っていない。
それだけはしたくない。
クローゼットの扉が開いた。
そこで俺は目を開ける。
猫になってよかったなぁと思う事は暗がりでもよく見えることだ。人間の時に比べると全然見え方が違う。
扉から出てきたのは顔が逆三角形の猫。
多分あれは砂猫だ。
砂漠の天使!意外と獰猛な砂猫だ。
山猫じゃん!!!!!!
思念全開になるのをやっと押さえ、
「何者だ!!!」
「そこで何してる?」
ちょっと威嚇気味に思念を軽く飛ばした。
いやいや、そういう問題ではない。
こいつどっから入ってきたんだ?
もともといたのか、クローゼットの中に?
ずっと寝てたの?
などと、頭の中で、ぐるぐる思考を回していると、
砂猫から。
「山猫様、族長ががお呼びです、わけあって、こちらに直接に来られない旨ご足労をかけますが、私にご案内させていただけませんでしょうか」
なんだこいつめちゃくちゃ丁寧だぞ。
でもなんか嫌な予感がするだってこいつもちょびとおんなじ目をして俺を見ている、、、、
一瞬どうしようか迷ったが、
好奇心の方が勝ってしまった。
それでこの砂猫についていくことにした。
ずっと閉じ込められているし、出入りできる秘密の通路があるなら確認しておきたいしね。
それにやっぱり猫と言えば夜のパトロールでしょう。
て、ことで一緒にクローゼットの中に入る。
1番下の引き出し部分の奥が壁の穴とつながっているらしい。
砂猫は体が細くて小さいのでするりと入っていく。
俺は柴犬サイズのマヌルネコだぞ。
そんなとこ入れねーだろと思いながら猫が液状化することを、前世の記憶で思い出した。
カオさえ入れば猫はどこでも通れるらしい。
試してみるが顔は入るが体が引っかかって通れない。砂猫は振り向きながら何をしてるんだと言うような顔して待っている。
ここでふと、前世の記憶が蘇った。
ポップアップテントである、
あんな感じのイメージで体をひねりながら入ってみた、
体をポップアップテントにしてみたなんか気持ち悪い、、、が気がつくと通れていた。
初めて猫の液状化を経験した。
壁の中の通路を進む。
どんどん進む。
帰り道がわからない位。
あちこち曲がる上に行ったり、下に行ったり、
覚えられるわけねーだろこんなもんと、悪態をつきながらついていく。
風が吹いている。
出口が近い。
大きな月が目の前に現れた。
大きな月の下で草原を砂猫が小走りで走っている。
その後は俺もついていくが最近運動していなかったので、ちょっと息が切れる。
ついていくのも飽きて、その辺の草を食べようと思って歩みを止める。
草をむしゃむしゃ食べていると、後ろから声がかかった。
「よくぞおいでくださいました。山猫様、直接お迎えに行けなくご足労いただき誠に感謝いたします」
振り向くと人化した初老の割幅の良い職人のような男が膝をついて、瞬きをゆっくりしながら俺に挨拶してきた。
俺は敵意のないことを確認したので、男に案内され、一軒の小さな家に入っていった。
投稿間が空いてしまいました。
色々気が散ってしまい異世界のドアが開かなくて、、、
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