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山猫さま

野良猫情報網を作らないとやっぱり落ち着かない。早速近所のパトロールを兼ねて野良猫を探しに行く。

クワンリとサルマは薬草採取に出かけて行った。

サルマはクワンリにとても懐いている。姉の様に思っている様だ。

クワンリの方も満更でもない様で二人は楽しげで、見ているこっちも頬が緩む。


まあ俺には魅了の力があるのでサルマにクワンリを取られる心配はしないでいれるから安心して二人を送り出してやった。

本当だ、ヤキモチなんて妬いてないからな。


多少二人の事を気にしつつ小屋の裏から続く獣道を歩きながら野良猫を探して歩く。

何種類かの獣の匂いがあるが、確かに猫の匂いも残っている。

この道で間違いない。


途中蝶々に気を取られて草むらを飛び跳ねながら追いかけてしまったが、我に帰ってまた戻る。


小亀がいたので甲羅を猫パンチをして首と手足を引っ込ませて見て楽しむ。

行くふりをしてまた出てきたところに猫パンチ!

可哀想なので二回でやめておく。


雄猫のマーキングの匂いがしてきた、どうもこの匂いは苦手だ。

闘志がみなぎってしまう。

落ち着け俺!と自分に言い聞かせて匂いの強い方に歩みを進める。


あ、蝶々

今はそれどころではない!


蛙柳の木の下に上が平らな岩があり、そこにはチョビ髭の様な模様のあるハチワレがいた。

こちらに気付き警戒の体制をとっている。

早速思念を送り敵意がない事を伝える。

ハチワレは警戒しながらも岩から降りてきて、俺のまわりをゆっくり回っている。


・・・山猫さまっ!

耳の後ろのその白い斑点!

間違いない、山猫さまではないか。

ありがたや、ありがたや。


ハチワレが言うにはここの野良猫社会の伝説で、空から山猫がやってきてこの世界を救うのだと言っている。

違うと思うよ

って言ってみたが聞き入れてくれない。

まさか俺のことなのか?

気球船できたけど。

全く自覚は無いが、、、また面倒な事に巻き込まれる気がして眩暈がした。


野良猫情報網の話をすると、二つ返事で引き受けてくれた。

三日後の昼に貸家の鹿車の小屋に集まると約束して飛び跳ねながら草むらを走り去って行った。



猫の集会まではクワンリとサルマが採ってきた薬草を薬の原料にする作業を昼寝をしながら眺めて過ごす。

サルマは猫集会が楽しみで仕方ないらしくちょっとソワソワ気味で時々ミスをおかしてはクワンリにからかわれている。

ミスを連発してるのに、怒らないクワンリはとっても素敵だと思う。


乾き切った保存用の干物を大量に買ってきた二人は近所の猫分としてこの間の集会分を分けて用意している。

二人にも俺の計画を話しているので、大量に買ってある。


そろそろ昼だ、ソワソワ、ワクワクしているサルマを横目で見ながら微笑むクワンリはやっぱり素敵だ。


あちこちからゆっくりとした足取りで猫達が集まってきた。

お互いの臭いを嗅ぎ合ったりしている。

どんどん増えてくる、あちこちからどんどん出てくる。

猫、猫、猫猫猫猫猫、、、、、

割と広い裏庭が見渡す限り猫だ。

グルーミングしあったり、自分でしたり、戯れあったりとにかく猫だらけになっている。

この間声を掛けたハチワレと他に20頭の猫が俺の前にやってきた。

クワンリとサルマは慌てて全ての干物を出す用意に走って行った。


ハチワレが紹介してくれた。

この20頭は全王都の縄張りボスで、今集まっている猫はボス以下10位の実力者なのだと言っている。

なんと、一日で王都ゼルトマンの全ての猫のボス格達が集まってしまった。

王都の野良猫情報網は一日で完成してしまった。

ハチワレはパンピーらしいが最初に声を掛けられたと言う事で俺のサポート役になったと嬉しそうに話す。

名はチョビオ

チョビ髭柄だからチョビオ

わかりやすくて良い。


皆俺の頼みなら聞いてくれると言ってくれている。

まだ干物も出してないのにだ。

俺の周りを皆が歩いて口々に山猫さまだと興奮気味に言っている。


そうこうしていると馬鹿力女の異名を持つクワンリと想像と違って戸惑っているサルマが全ての干物を持ってきた。

足りそうかと聞くと一頭に二匹ぐらいはあると言っている。

樽を開け干物を配ろうとしたが、何頭か駆け出しそうになっていたが、周りに諌められている。

ハチワレに事情を聞くと俺が食わないと皆食えないらしい。

やばい、なんか担ぎ上げられ祭り上げられそうな勢いだ。いきなり教祖にでもなってしまった様で戸惑ってしまう。


まあそれならと一口食べてみせ、どうぞ、と言った途端


全ての猫達がクワンリとサルマに群がった。

サルマは小さい悲鳴をあげて固まっている。

クワンリも顔を強張らせて干物を配っている。

なかなかシュールな光景だ。

干物をねだる鳴き声が上がり猫の大合唱になっている。

これだけの量の猫の鳴き声は生涯聞けないだろう。


山猫さまか〜

嫌な予感がとまらない。

良いね、ブックマーク、ご感想いただけるとありがたいです。

どうぞ宜しくお願いします。

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