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■出会い■2

和美は率直に聞いた。


「加賀さん。叔父はどの銘柄を売買して儲けてきたんですか? 私にもできますか?」


加賀は少し考えこんだ。

一夫の売買は多くの投資家のそれとは少し違っていたし、何より初心者の和美に理解できるか

疑問だった。

そこで、まずは再度確認することにした。


加賀「できる・できないの前に売買方針は一夫さんと同じ”損をしない”を最重要としていいですか?」


和美は迷わなかった。

数十年かかったにせよ、資金を数十倍にした叔父と同じ売買をすれば自分も儲けられると思ったからだ。


和美「はい!私も売買方針は叔父さんと同じ”損をしない”を最重要とします。」


加賀「分かりました。投資は自己責任なので方針を途中変更しても構いませんが、一夫さんの

   売買は多くの投資家と違いますので、方針が揺らぐと成果は違ったものになる可能性が

   大きいです。」

  「範囲内の損失期間が長くなることも多々ありますし、儲けが出始めても決済までの期間

   も長くなることも多いですが、初期設定した損切り値、決済値まで待つ覚悟はありますか?」


矢継ぎ早に説明と確認が続き和美は少し身構えたが、それより叔父のように儲けたかったので

早く売買したかった。


和美「はい、最初に決めた損切り値と決済値は守ります。何を買えばいいんですか?」


加賀「分かりました。しかし、一夫さんは買うだけじゃなく同時に売りもやるんです。」

  「和美さんは信用取引はご存知ですか?」

  「変則的ですがそれを同時に使う、一種の鞘取りという売買手法です。」


和美は投資資金を貯めてる間に勉強していたので信用取引の仕組みを知っていたので残念がった。

現物取引の経験年数と多くの最低資金が必要だったため、初心者の自分には無理だと分かった。


和美「信用取引は知ってます。けど私には無理ですよね?売買自体初めてだし、

   第一そんなお金も・・・」


そこまで言ったところで加賀が言葉を挟んだ。


加賀「信用取引が分かっていれば大丈夫です。」


和美「???」


加賀「実は一夫さんは、和美さんを浅野に紹介する際、自分の口座から和美さんの口座に

   1000万円資金移動させ、信用取引口座を開設することを条件にしたんです。」


和美は話の急展開に唖然とした。叔父さんそんなこと一言も言ってなかったのに・・・

加賀が続けた。


加賀「その際、和美さんは初心者だからきっと損益に一喜一憂して損切りできず資金を減らすかも

   しれないこと。少しの利益を逃す心配をしてすぐ決済して小利大損になりかねないこと。

   そうなる前に、もし自分と同じ売買手法を選択した場合のために信用口座を開設して欲しい

   と、心配と準備を頼んだと聞いております。」


それを聞いた和美は、叔父の思慮深さと面倒見の良さに目頭が熱くなり、どんなに辛くても

必ず売買方針を守ろう、叔父の期待に応えよう、このチャンスを必ず生かそうと誓うと同時に

簡単に・早く儲けたいと思った浅はかさを恥じた。


数分の沈黙が続き、その姿を見て信用取引の可否判断を浅野から委ねられていた加賀は

やらせてみようと思い、その旨を報告するため一旦部屋を出た。


一人取り残された和美は、この数分間の大きな出来事を三度心の中で繰り返し、決意を固くした。


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