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あゝ異世界転生、亜神なり ~能力全開の快適スローライフ~  作者: 渡名喜橋もうれ


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17/20

ダンジョン探索(1~3階層)

いよいよダンジョンに潜ります。

 熱弁するテトを無視してダンジョンアタックを開始したアイノ探検隊。


 ダンジョンに突入してみると、そこは迷宮のような場所であった。なので、この階層は迷宮型という事になる。イメージ通りのダンジョンなんだけど、遺跡型じゃないのかという疑問が生まれた。


 ん? あれ? まさかとは思うが、ただの迷路が最下層まで続くんじゃないだろうな? っと、アイノ探検隊はテトを取り囲み無言の圧を掛けた。


「ま、待つのである! ダンジョンではそういう事もある。下層へ行けば構造が変わるかもしれぬぞ。アイノ、マップは今どうなっておる?」


 確かにテトの言う通りだ。


 テトへの圧を解いた後、立体マップを開いて確認してみると、地上では見れなかったダンジョンの詳細が分かるようになっていた。




 <奈落の迷宮(アップグルニアン)


 【全五階層】

 第一階層:迷宮型フロア

 第二階層:地下洞窟型フロア

 第三階層:生態系型フィールド

 第四階層:遺跡型フィールド

 第五階層:◎△$♪×¥●&%#?!

 状態:狂乱

 備考(+)




「おぉおおお! 複合型だぁーーーッ!」


「「「「おぉ~ッ!!」」」」


 アイノ探検隊はこれでもかとテンションが上がる。良かったなテト、マルメロに遠投されなくて。


 ダンジョンの異名? みたいなのが奈落の迷宮(アップグルニアン)っていうのかな? 階層は全五階層の複合型。ここだけでジェムボーデンにあるダンジョンのほぼ全てを経験することができるのか……夢のようなダンジョンじゃないか!


 ただ、ひとつ気になる事がある。


「テト、この『狂乱』ってなんだと思う?」


「ッ! アイノ、先ほども言ったがこれは恐らくダンジョンが凶悪化しているのだと思うぞ! 難易度云々ではなく、今このダンジョンは世界で最も危険と言っても過言ではない」


 我々のモチベーションを高める天才かお前は! 益々楽しみになってきた。ほら、マルメロもまた手わせてクルクルし始めたぞ。


 掛かりに掛かった我々は、ダンジョンの攻略を開始する。




◇ ◇ ◇




 まずは第一階層だ。


 このフロアは迷宮型なので、俺が想像していた通りのダンジョン構造だ。まぁ迷宮と言っても、我々からすると単なる迷路みたいな感覚なんだよね。マップもあるし、ゴレム達の感知能力高いし。


 ちなみに、壁の上方部には燭台のようなものがあるのだが、光がついておらず真っ暗だったため、フロア全体を解析して、全ての燭台に青い光を灯しておいた。我ながら雰囲気作りは完璧だ。


 奥に進んでいくと、コウモリ型のデカい魔物や大トカゲみたいな魔物が湧いていて、かなり鬱陶しかったのでスルー。向こうから勝手に突っ込んできて討伐されてくれるので魔石だけ自動収納していく。魔石を大量確保できるボーナスステージ状態だ。


 そんな我々を見てロスカが遠くを見つめている。よし、いいリアクションだ!


 魔石を荒稼ぎしながら第二階層を目指して進んでいくと、少し開けた場所に出た。すると、前足が異様に太い狼みたいな魔物が三体ほど現れたので鑑定してみる。どうやらこの魔物の名前は「ウォルフス」というらしく、土と炎の属性の魔物だった。


「アイノ様、この魔物は可食ではないようです」


「ん~、こりゃ資材としての価値もありやせんね」


 マルメロとサブが専門家として意見をくれた。じゃぁさっさと片付けますか。ってなわけで、サブとファム蔵にさっさと討伐してもらった。魔導力用の魔石確保です。


 ウォルフスを討伐し、少し進むと第二階層へ続く下り階段のようなものがあったので降りていく。



「テ、テト様……あ、あれはフロアボスなのでは……?」

「……であるよな……」


 ロスカとテトは茫然自失状態だ。気合が足りないぞお前ら。




◇ ◇ ◇




 さて、そそくさと第二階層へと降りてきた我々アイノ探検隊の一行は、どんどん進んでいく。


 この第二階層は洞窟型フィールドで、第一階層とは打って変わって天上がかなり高くなっており、あちこちが青く光っている。川のようなものがあったり、水晶みたいに透明で輝く鉱石があちこちにあったりと、かなり幻想的なフィールドである。人工物っぽい迷宮から、こんな自然環境っぽいフィールドにガラリと変わるんだからダンジョンとは不思議で興味深い。


 第二階層を調査していくのだが、この階層では俺とサブのテンションがマックスになった。マックスヒャッハーである。



 ――ドスン、ドスン



「アイの旦那、なんかデカいのが来やすぜい」


 先頭を歩いていたサブが何かを察知したようだ。


 我々の前に現れたのは、高さ五メートルほどのゴーレムだった。しかも沢山いる。そう、このゴーレムこそが俺とサブのテンションを上げた一つ目の要因なのだ。




 沢山いるし討伐面倒だなと思ったのだが、俺は一応グラスプでゴーレムを解析してみた。



 <ライムロックゴーレム>

 属性:土

 備考:その身体は石灰岩で構成されているため非常に脆いが、一撃の破壊力は凄まじい


 

「「ッ!」」


「サブ! これって、まさか…」


「へいッ! こいつぁ今一番欲しかった資材でやすよ、アイの旦那ッ!」


 俺とサブは小躍りするほどテンションが上がった。ファム蔵、マルメロ、フィグも、俺らのテンションが上がっている理由を理解している。テトとロスカだけがわからない状況だ。


「アイノ様……失礼ながらこのゴーレムは何かの役に立つのでしょうか?」


 ロスカが恐る恐る俺に質問してきた。ってか、ロスカが妙にぐったりしている。テトもだな。なぜだ。


「もちろん。このゴーレムは俺達の拠点をさらに豊かにしてくれる資材だからね」

「そうでやすねぇ」


 俺とサブは「ふっふっふ」とニヤリと笑い、マルメロの問いに答えた。


「皆、狩れるだけこのゴーレム狩ってね」


「「「「はっ!」」」」


 ゴレムクルス達はそう言って「バッ」っと散り、瞬く間にゴーレムを狩り尽くした。今このフィールドにいるゴーレムを全部狩ってしまったけど、もう出てこないのだろうか? そう思いテトに聞いてみると、ダンジョン内の魔物は定期的に発生するようになっているため、魔物が枯渇する事はないらしい。無限資材庫じゃん! よしッ! 次回も全部狩るぞ!



 そして、二つ目の要因は、ダンジョンの端らへんで崩れた岩が風化する事によって出来る「砂」である。魔力砂(まりょくさ)でも呼ぼうか。地上の砂とは違い、ダンジョン内にある砂には魔力が含まれているため、俺と鳶ゴレム達が開発しようとしている建材には必須のものなのだ。まぁダンジョン内の砂ならなんでもいいっぽい。



 最後の要因は、このフィールドを流れている川や、泉っぽくなっている場所にある「水」だ。やはりこれもただの水ではなく「魔力水」といって地上の水は全く違う。ホームセンターかここは!


 これらを見つけた俺とサブは完全にアドレナリン全開状態になったというわけである。


「ゴーレム狩り終わったら、砂と水もお願いね」


「「「「はっ!」」」」


 皆にそう合図をし、小一時間ほどで満足いく量の素材を集める事ができた。

 補足だが、ダンジョン内の砂や水をどんなに採集しても、次から次へと出てくるため、なくなることがなかった。無限資源庫です。



 そう言えば、テトとロスカから言われたのだが、第一階層にも第二階層にもトラップがあり、我々に向かって攻撃が発動されていたらしい。


「……アイノ、ここまでの道中な、気付いておるかも知れぬが一応言っておくぞ。かなりの数のトラップが発動し我等に攻撃が向かってきておったのだが、それに気付いておるのか?」


 俺とゴレム達は顔を見合わせ「ぽかん」とした。


「そんなのあった?」

「いえ、何もなかったと思いますが」

「マルメロ様の仰る通りです。何もなかったですよね」

「なぁんもなかったよなぁ? ファム蔵」

「んだ。そんな事より食べられそうな植物がなくてガッカリだべ~」


 いや、ほんとに何もなかったと思うけど、テトとロスカ的には違ったらしい。


「アイノ! 私とロスカは死ぬところだったのだぞッ! 後ろを見ておらんかったのかぁッ!」


 テトがいつもの様に顔をビタ付けしてきて何やらヒートアップしている。あぁ、それでロスカもぐったりしていたのね。まったく、気合が足りないよ、気合が!


 まぁでも、テトとロスカが追い込まれるほどの攻撃って凄いな。あれ? もしかして、このダンジョンってかなり高難易度ダンジョンなのでは?


 その事実をゴレム達に伝えると、より一層やる気を出していた。アイノ探検隊の情熱は止められないのである。


 そんなテトとロスカを引き連れて、第三階層へレッツゴーだ。


 ちなみに、この階層のボスらしき魔物は、十メートルほどあるオリハルコンゴーレムが数体出てきた。どうやら珍しい鉱物で出来ているらしいので、討伐後に素材として収納した。農具か何かに使えるかもしれないと思っていたのだが、テトは若干引いていた気がする。


 


◇ ◇ ◇




 さぁ、第三階層へと降りてきた。


 第一、第二階層とはこれまた雰囲気が変わり、森の中のような階層になった。この階層は生態系型フィールドである。事前に聞いてはいたけれど、実際に見ると想像を遥かに超えるほど不思議な光景だった。


 正直、なんて形容して良いのか悩んでしまうほど異様な光景で、当初の想像通りに例えるならば「サイケデリックな森」という表現がしっくりくる。


 あちこちに生えている植物らしきそれは、まさしく多種多様で色彩豊かであり、微発光している。妙に大きな樹木らしきもの、滝があったり川があったり、建造物らしきものがあったりとカオスである。魔法の森という表現でもいいかも知れない。幻想的と言えば幻想的。


 そして、こんな異様な雰囲気のフィールドでアドレナリン全開状態になったのが、またしても俺、そしてマルメロ、フィグ、ファム蔵の四名だ。


 なぜテンションが上がったのか?


 ファム蔵が発見した物が一つ目の理由、そしてマルメロとフィグが発見した物が二つ目の理由だ。特に二つ目の理由に関しては、俺達がずっと探していたといっても過言ではない物だったから大騒ぎである。正直、もう拠点に帰りたいと思ってしまうくらいだ。


 順を追って見ていきたい。


 一つ目は、ファム蔵がこのフィールド調査で発見した、とある「キノコ」だ。


 第三階層には、サイケデリック色のキノコがたくさん生えている。その中でも不思議な樹木の根元に生えていたキノコを発見したのだが、一見普通なんだけどこれがとんでもないキノコだった。


 ファームゴレムとメイドゴレムが、いつの間にか獲得した謎の新スキル「可食素材感知」という解析鑑定(グラスプ)の派生能力があるのだが、その能力の中に「食味判定」なる可食素材感知に連なるスキルがある。要するに、「美味いか」「不味いか」を鑑定できるスキルで、その結果はやや透き通ったタブレット的なビジョンに映し出されている。


 その食味判定は、「激旨、めちゃ旨、普通、不味い、ディスガスティング」の五段階評価なのだが、キノコの評価に関しては、空間収納に入っていた舞茸やシイタケなどの日本産キノコが叩き出した「めちゃ旨」が最高ランクだった。ちなみに、そして結果は物凄く変な声で読み上げられる。


 しかし、今回発見したキノコはそれらのキノコの上をゆく「激旨」であった。金銀財宝を発見した位のテンションでファム蔵が喜んでいたけど、後から駆けつけた我々も同じテンションになったのは言うまでもない。


 マルメロが空間収納から七輪を取り出し、この新発見キノコを焼いて試食してみたのだが、これが信じられないほど美味い。とにかく美味い。形は舞茸に似ているが、味も香りも舞茸の上位互換といって良いと思う。それがあちこちに生えており、ファム蔵曰く栽培可能とのことだったので、このキノコも徹底的に収獲した。そして、見つけるとテンションが上がることから「乱舞茸(らんぶだけ)」と命名しておいた。なんか聞いた事ある由来だけども。




 さて、二つ目の理由。これがもう事件だった。いつも冷静なあのマルメロですら「よっしゃぁああーーーっ!!」と、ガッツポーズをしながら叫んでいたほどである。今後、マルメロがこのテンションを超える事はないと思われる。それくらい衝撃の出来事だった。


 結論から言うと、マルメロとフィグが発見したものは「スパイス」である。


 実は、家の調味料ストックの中にカレー粉があり、俺が魔物肉と拠点の畑で収獲した野菜を使って皆にカレーを作ってあげたんだけど、これが尋常じゃないくらい大ヒットした。それからというもの、メイドゴレム達は頻繁に魔境へと入っては、スパイスになりそうな植物を探していたくらいなのだ。


 そして今回見つけたのが、クミン、カルダモン、コリアンダー、ターメリックの四つ。補足をしておくと、地球と同じ植物ではなく似ている植物なのだけど、それを彼女達が「変幻自在」で乾燥させて確認したところ、地球の物と香りが全く同じだったのだ。なので、ややこしくなるから名前は地球と同じにした。それにしても、マルメロとフィグの可食素材感知の精度が高すぎて怖い。


 正直、もうこれだけで満足。帰りたいわぁ~。っと思っていたのは俺だけではなかったらしい。


「アイノ様。正直、もう拠点へ戻りたいです」

「マルメロ様に賛同いたします」


 両手で大量のスパイスを抱えたマルメロとフィグが直訴してきた。いや、気持ちはわかるけども。


「ま、まぁ……あと二階層だから。もう少しだけ頑張ろう」


 俺にそう言われた彼女たちは「はっ」と正気に戻り、スパイスを空間収納に仕舞った。


「「申し訳ございません。取り乱しました」」


 マルメロとフィグが謝罪してきたが、まぁ気持ちはわかる。だけど、あと少し頑張ろうな。


「こりゃぁ拠点に戻って栽培するのが楽しみだべなぁ」


 ファム蔵もニコニコ顔で、既に栽培計画を立てているようだ。




 もう少し調査してみたいけど、そろそろ次の階層に行くとするか。そう思い、テトとロスカに目をやると、完全に疲弊しきっていた。


「どうしたのよ、テト、ロスカ。なんかあったか?」


「……」


 疲労困憊って感じだな。


「ア、アイノ様……ゼェ、……このフィールドはありとあらゆる……ゼェ、……強力な魔術トラップが施されておりまして、正直、付いていくのが……ゼェ、……やっとでございました……」


 渾身の力を振り絞ったように、ロスカはぐったりした状態で答えた。テトに関してはデロンデロン状態だ。


「じゃぁ、ロスカに俺の加護を付与しておくよ」


 そう言うと、俺は結界みたいなイメージを念じ、ロスカに加護を付与してあげた。すると、たちまちロスカが元気になり、動き回れるようになった。


「凄いです。先ほどまで身体が重かったのに……再びこのような御力をいただき感謝いたします」


 ロスカはワリーファーリー形態になって俺の前に跪いてお礼を述べた。うむ、苦しゅうないぞ。あと、面倒なので、そちらに転がっている下級霊の面倒はロスカが見てくれよな。




 第三階層もいい感じで調査できた。残すはあと二階層。ラストスパートだ。


「乱舞茸」って言いたいだけでした。

アイノとゴレム達にとってはどうってことないダンジョンも、テトやロスカからすれば大変みたいです。


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