36話
ここから新たに書かれた部分です。
プロットを紛失したため、昔の私が想定していたストーリーかわかりませんが続けていきます
「あれ、ハラ兄ちゃんたち、外はもう終わったの?」
「終わったのー?」
コギトたちが避難所に入るとともに子供たちが集まってくる。
それに対してラスルが子供たちに目線を合わせてから言う。
「いいえ、でも、危ないかもしれないからここから移動するかもしれません」
「うーん……そうなんだ。それじゃあ準備しないといけないよね!ちっちゃい子の荷物まとめてくる!」
「はい、頼みます」
そうして子供たちを見送ったコギトたちは向き合って話し合うことになる。
「それで、結局のところ子供たちをどこに移動させるッスか?そこのところちゃんと考えないと動かせないッスよ」
「そうだね……トラクターとかで丸ごとってできたら楽だったけど、いかんせん人数が多いし」
「俺の知ってる場所にいいところがある。本来なら外で警備をしている時の人間が休む場所だが、他の場所に避難したいと言うのなら……街の外であると言う欠点を抜けば今回の目標を満たしているだろう。ここから適切な距離があり、尚且つ足で移動できるぐらいには近い」
サジュやハラがそう悩んでいると、ハリベルがそういう。
どうやらハリベルは適切な場所を知っているらしかった。
「なるほど……では最悪の場合はそこに逃げ込むことにしましょうか」
ラスルがそうやって締める。
そうしたうちに子供たちも荷物をまとめ終わったようでコギトたちにそれを伝えにきた。
それを眺めていると突如コギトの耳にvoid1の焦った声が届く。
『おいコギト!今すぐそこを離れろ!』
『!』
突然の大声に面食らうコギトであったが次の瞬間にその意味を理解する。
『地下にクソでかい穴を見つけた!そりゃわかんねぇわけだ!地下数十キロだぞ!ここの真下をぐるぐる回ってやがる!』
「皆さん……!嫌な予感がします。早く移動しましょう」
判断として悩むことはなかった。
だが、これをどう説明すればいいのか分からずに曖昧なことしか言えなかった。
コギトはそのことを惜しく思い内心歯噛みしていた。
「却下だ。ここより外が安全だと言う保証もない。判断には時期尚早だ」
当然、ハリベルから却下される。
しかし。
「いや、ハリベル。僕はコギト君に賛成かな」
「私もです」
「そうッスね。同じく」
他の3人はコギトの意見に同意を見せた。
「お前ら……何故だ?理由を聞こう」
「彼にはモナカさんのような勘の鋭さがあります」
「……」
『随分アバウトな理由だな……早く移動してくれる分にはなんでもいいけどよ』
ハラたちが賛同してくれる分にはコギトとしては嬉しかったが、ハリベルを説得する理由としては弱いのではないかと思った。
当然、ハリベルが反発し、無理矢理にでも外に連れ出す羽目になるかとコギトは身構えたが。
「ふぅ、わかった。お前らがそう言うのならそうなのだろう」
「えっ」
なんとハリベルがあっさりと納得してしまっていた。
『こんなあっさりと話が進むと不安になりますね』
『それだけ勘ってのがすげーって話だろ。とにかく本当にやばいから移動してくれや』
そうして子供たちを避難させることになったコギトたちだったが、最後の子供を外に送り出す時にvoid1の焦りがさらにひどくなった。
『おい、おい!動き始めた!くるぞ!ここに!くるぞっ!コギト!』
「ッ!早く!早く退避を!」
そうして残ったハラなど全員で走り出し、もうすぐで避難所を抜け出す。と言うところだった。
(振動ッ!)
そこで初めてコギトは振動を感知した。
やはり、何かいる。
モナカの感じたそれは本当であった。
それがとんでもない早さで地上に向かって来ているのがわかる。
『動きが早すぎる!間に合わないぞ!』
『くそっ!いったいなんなんだよッ!』
『コギトくん!叫んでる暇ないわよ!走りなさい!』
コギトはどんどん強くなってくる振動に焦りを抑えきれずvoidたちにそう叫ぶ。
そして混乱していたコギトたちはすぐさまその振動の正体を知ることとなった。
「ッ!危ない!」
「ぐ!」
「うッ!?うわぁ!」
「……!」
振動が最高潮に達した時、最後尾にいたラスルにサジュとコギトが掴まれ、そのまま前方に投げ飛ばされる。
コギトはvoid3の能力を使ったわけでもないのに世界が遅くなったように感じた。
こちらを投げ飛ばしたラスルの姿がコギトにはよく見えた。
そうしてそれがコギトたちの視界から消える姿も。
(あ……)
コギトとサジュが投げ飛ばされ、外に飛び出た瞬間に世界のスピードが元に戻る。
それと同時に避難所へと続く階段がコギトたちの視界から消えた。
いや、その視界一面を壁が埋め尽くしていた。と言うのが正しいだろう。
そして、ラスルがそれによって消え去った。と言うのを全員が理解するのにそう時間はかからなかった。
「ラ……ラスルさん」
『コギト!動け!』
「ッ!コギト君!ラスルの犠牲を無駄にするな!走って!降ってくるぞ!」
「……い、行きましょうコギト先輩」
「……想像以上だ」
茫然自失していたコギトよりも先に我に帰ったハラやサジュが座り込んだコギトの腕を引っ張り上げる。
そうして2人に引っ張られるままに走るコギトであったが、その目は飛び出して来たそれに向いていた。
(ラスルさん……)
続きを書くにあたって読み返した結果気付いたこと。何故か8話から三人称に変わっている。筒山浦は頭を抱えた。




