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24話

「ボス、言われたとおりに連れてきました」


「ご苦労、お客人を招いたら下がっていてよい」


「はっ」


 コギト達はキャンプに着いたあととあるテントに案内される。

 どうやらそこに彼らを纏めている人間がいるらしく先程コギト達を止めたリーダーがコギト達にテントの中に入るよう促す。


『コギトさん、一応探知しましたがいきなり襲われるようなことはなさそうです』


『分かりましたvoid3さん』


 今はvoid3が探知を行っているようでコギトに危険性が低いことを伝える。

 コギトはそれを聞いた後にモナカ達と一緒にテントの中に入った。


(書類がいっぱいだ……)


 中に入るとどうやら作戦本部のような作りになっているらしく地図や書類、連絡設備などが置いてある。

 そしてそこに置かれた椅子に一人の男が座っていた。


「ようこそお客人」


「お忙しいところお邪魔しますわ」


 その男とモナカが互いに感情を読み取らせないような顔で挨拶を交わす。

 男はその後コギト達に対して椅子に座るように手振りをする。


「上等な椅子はないものでな、それで我慢してくれ」


「座れるだけマシやマシ」


 そう言ってモナカ達は準備されていた椅子に座る。


「それで兄さん、ここに呼んだってことはうちらを味方って認めたと認識してええかな?」


 そう言うモナカに男は傷だらけの顔を顰(しか)めるようにして答える。


「……知っていると思うが俺たちは都市を破壊された。それを落ち目と見た貴様ら商人達から協力のかわりに吹っかけられたりもしている。正直なところ味方が欲しいことには欲しいが……何が目的かを聞くまではな」


「うちらは対価を求めて来たわけやないで」


「じゃあ純粋に協力すると?貴様ら商人がか?」


 そう言って男は面白いことを聞いたとでもいうふうに笑う。

 それを聞いたモナカは顔色を変えずに続ける。


「なんや?人を善意で助けたいっちゅうのはおかしなことか?ウチはそう思わんなぁ」


「ははっ、いや侮蔑の意味はないさ。商人にそんな人間がいるとは思っていなかっただけだ。真っ先に食い物にされるような人種は商人達にとって良いカモだからな」


「そこに関しては心配せんでええで。色々とツテはあるから」


「そうか……ショスタ、お前はどう思う?」


 そう言って男はショスタという男に話しかける

フードの端から見えるその顔はコギト達とあまり年が離れているようには見えない。

 そしてそのショスタという男にコギトは今気付き驚いた。

 特に隠れていた様子はなく普通に立っているだけだったが男が話しかける直前までコギトの目に映っていなかった。


(いつから居たんだ?)


 void3も敵意があればコギトに伝えていたのだろう。

 だがコギトはvoid達がコギトに危険がなければ特に伝えることが無いことをモナカ達の街で生活していてよく知っていた。

 それのおかげで子どもたちに何度かいたずらをされた覚えがコギトにはあったからだ。


 ショスタという男は暫く考えてから口を開いた。


「たぶん嘘は言ってないと思うよハルトさん」


「そうか」


 そしてコギトは目の前の傷だらけの男がハルトと言う名前だと知って驚く。


「ハルト……?もしかして鉄血将軍のハルト・ロバンダートさんですか?」


「ん?まぁそうだが」


 気付いたときには口に出てしまっていたコギトにハルトが目線を向ける。


「それで?君はなんだ?」


 唐突に話に入ってきたコギトに対してハルトが質問する。

 それに割って入ったのはモナカだった。


「話は聞いたことあるで、ハルトさん。こんなところで会えたのは幸運やな。あとから紹介しようと思ってたんやけどちょうどええから今するわ、この子は君らと同じく反企業派のコギト君や。先日の都市爆破から生き残った人間のうちの一人やで」


「コギトです。よっ……よろしくお願いします」


「ふむ、コギト君か。それで同士が君たちと一緒にいる理由はなんだ?」


「ウチが荒野で拾ったんや」


 それを聞いたハルトは少し考えてからモナカに顔を向けた。


「そうか、後で俺の方からも確認しておこう。俺らの同士ならそれで分かるだろう。それでコギト君。何か聞きたいことがあるようだが」


「い、いえ、なぜハルトさんがこの場にいるのか気になってしまい」


「単純な話だ。前線は爆破を退けた。しかし後方都市はそれができずに敗北した。そこで我が友が処刑されるなどと聞いたら前線から下がってくるのは道理だろう」


 そう言ってハルトは当たり前のように言う。


「つまりはハンスさんを助ける準備をしている訳ですよね」


「あぁ、当然だろう?それにアイツは裏で色々と調整するのが上手かったからな、アイツが死んだら企業の力を削ぐのが難しくなる」


 そう話しているとモナカがそれに割り込んで口を開いた。


「まま、それならうちらはハンス君助ける作戦に参加するだけやから利害は一致してるやろ?」


 そう言ってモナカは笑う。

 それに対してハルトも笑みで返す。


「ふん、モナカ君、君がハンスと仲が良かったのは分かったが助けたからと言って報酬は出ないからな」


 そう言ってポケットの中から2枚のカードを取り出す。

 片方は商人組合のカードであったがもう片方は署名の書かれたカードだった。

 コギトがそれをよく見るとおそらくハンス本人の直筆だろう。

 名前とモナカが反企業側の人間でることが書かれていた。


「ああ、ええで、どちらかと言えばウチは借りを作ってる方やからな。今回のでそれが返せるなら安いもんや」


「なら一ヶ月後また落ち合おう。今回場所を特定できたなら次回も似たような方法で特定するといい。その時作戦を伝える」


「わかったわ。ほなまた来るで」


「あぁ、待っている」


 そうしてモナカたちはキャンプを去った。




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