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罪悪感 (Guilt)(3)

リースはもう一度深く息を吸い込んでから、扉を開けた。中に入った瞬間、死臭が鼻を突く覚悟をしていたが、予想に反して、空気中に漂っていたのはシロップの甘い香りと、かすかにお茶の匂いだけだった。


リオナラは大きなベッドの前にある長椅子ソファに座り、プリシラの膝の間に挟まれるようにして収まっていた。彼女はリースに目を向けようともせず、ただテーブルの上のパンケーキの皿をじっと見つめていた。

彼は彼女の向かい側にあるもう一つの長椅子へと歩み寄った。プリシラの目が、その動きを静かに追っていた。


「アデリアはよくしてくれたか?」


彼女は頭をほとんど動かさずに、小さく二度うなずいた。


「うん……」


「お腹は空いていないのか?」


彼女はまたしても頭をほとんど動かさずに、首を横に振った。


「ううん……」


彼は長椅子の背もたれに体を預け、彼女とプリシラを交互に見つめた。この二人が知り合いであるという光景は想像し難かったが、彼女がこれほど頑なに傍を離れようとしない以上――目の前にある事実を否定することはできなかった。


「プリシラとはどこで出会ったのか、聞いてもいいか?」


その問いに、リオナラは何度か瞬きをしてから彼に視線を向けた。彼の落ち着いた佇まいは、どこかプリシラを思い出させた。


「……騎士のこと、知ってる?」


「知っているとも。特に、アルカディアの騎士についてはな」


「私……ずっと騎士に会うのが夢だったの」彼女の視線が再びパンケーキへと戻った。「でも、プリシラは、私が想像していた騎士のイメージとはまるで違ってた」


「確かに、彼女はその点において独特だな」彼は右脚の上に左脚を組み、両手を膝の上で重ねた。「普通、騎士といえば鎧を身にまとっているものだからな」


「うん、でも……彼女は……凄かった。彼女が持つレイピアは、まるで絵を描く筆みたいで。鮮やかで、まるで生きているみたいな絵」彼女は胸の痛みに耐えるように、自分の腕に指をきつく食い込ませた。「だけど今は……私は……」


「リオナラ、お前がしでかしたことは、簡単に後戻りできるようなことではない」彼は一度テーブルへと視線を落とし、それから再び彼女に向き直った。「だが、約束しよう。お前が許しを請う限り、まだ歩むべき正しい道は残されている」


「許すなんて、何が……?」彼女は目を閉じた。「私は、プリシラがあるべき姿をすべて台無しにした。彼女は騎士で、英雄で、たくさんの人を救うはずの人だったのに――」


「まだ終わったわけではないだろう?」リースは脚を崩し、両手を太ももの上に置いた。「お前はまだ生きている。まだ償うことはできるはずだ」


(それに比べて、俺は……)

彼は胸の奥で燃え盛る罪悪感を押し殺すように、奥歯を噛み締めた。


「償い……?」彼女は苦々しい口調で言った。「私は人を殺したの。あの人たちにも人生があったのに、私が終わらせてしまった」


「ならば、プリシラをお前の身勝手な欲望の産物として語り継がせたいか?」


「違う、私は……こんな風にするつもりじゃ……」


彼はしばらくじっと佇んでいたが、やがて再び長椅子の背もたれに体を預けた。


「俺の部下たちは、この街を守ろうとして死んだ。最後までこれを見届けることで、彼らの犠牲に報いるんだ」彼は立ち上がった。「お前を引き取ったのは、ここから這い上がるチャンスをせめて与えるためだ。リオナラ、勘違いするな。俺は慈悲の心からこんなことをしているわけではない。プリシラには、きちんとした結末が与えられるべきだと信じているからだ。そして、それをもたらすことができるのは、お前しかいない」


彼は部屋を去り、リオナラを一人、思考の海へと残した。彼女はプリシラの両腕を掴み、自らを包み込むように抱き寄せると、膝の間に頭をうずめた。


「きちんとした結末……」

※次回更新は6月10日 21:30予定です。

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