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第23章:手掛かり


自分の部屋に戻ってからも、私はまったく眠れなかった。


ただベッドに横たわり、右手に握ったアイラの手紙を見つめていた。


何があっても、この手紙だけは彼に届けなければならない。


今、シグはどうしているだろう。無事なのだろうか。ちゃんと眠れているのだろうか。


そんなことばかりが、頭の中を何度も巡っていた。


そして、再び罪悪感が込み上げてくる。


もしシグが私を助けようとしなければ、こんなことにはならなかったはずなのに。


それだけじゃない。


私は今、シグへの想いを抱えたまま、それを親友に隠している。


「私って……嫌な女ね」


私は手紙をさらに強く握りしめ、複雑な気持ちを抱えたまま、ベッドの上で小さく身体を丸めた。


いつの間にか、夜が明けていた。


朝の陽射しが窓の隙間から差し込み、目を眩ませるような、偽りの暖かさを運んでくる。


静寂は、ドアの向こうから聞こえてきた小さなノックによって、すぐに破られた。


「ルーシー……もう起きてる?」


ヴィオナの掠れた声が、ドアの向こうから聞こえてきた。


それを聞いて、私はゆっくりとベッドから起き上がった。


「起きてるわ。入って、ヴィオナ」


ドアが静かに軋んだ。


ヴィオナは少し肩を落としながら入ってきた。


その姿は、まるで今の私自身を映しているようだった。


「朝早くから邪魔してごめんなさい」


「大丈夫よ。それに、私も一睡もできなかったから」


ヴィオナは苦笑した。


「えっ、あなたも? どうやら私たち、同じ不安に悩まされているみたいね」


「ええ、そうみたいね」


そう答えて、私は窓の方へ歩き、カーテンを大きく開けた。


「それで、私の部屋に来るほど急な用事って何?」


「私たちの遠征のことなんだけど……」


ヴィオナは少しためらうように口を開いた。


「今日のダンジョンレイドに参加できないこと、ドミニクに許可をもらった方がいいのかな?」


「それについてだけど……」


私は少し黙り込んだ。


指先が、カーテンの端を強く握る。


「心配しなくていいわ、ヴィオナ。ドミニクがもう、私たちをしばらくパーティー活動から外してくれたから」


「えっ? 本当? どうして急に? 何かあったの?」


私は顔を背け、窓の外へ視線を落とした。


昨日のことを話すのは、まだ苦しかった。


でも、ヴィオナには知る権利がある。


私は、昨日何があったのかを彼女に話した。


すると、ヴィオナの顔に驚きの色が浮かんだ。


「えっ!? ルーシー、ギルをビンタしたの?」


「ええ……昨日は、少し感情を抑えきれなくて」


「そういうことだったのね……。パーティーの雰囲気が落ち着くまで、ドミニクが私たちに休むよう言ったのも当然だわ」


「ごめんなさい……」


私はうつむきながら、小さく呟いた。


その時、ヴィオナの足音が近づいてきた。


そして――


背後から、両腕が私の腰に回された。


ヴィオナは、そのまま私を優しく抱きしめた。


「どうしてあなたが謝る必要があるの、ルーシー?」


ヴィオナが耳元で囁く。


その声は、とても優しかった。


「むしろ、私の方こそお礼を言いたいくらいよ。シグを庇う勇気を出してくれて、ありがとう」


彼女の言葉に返事をするより先に、視界の端に窓の外の異変が映った。


正確には――南の空。


私は目を見開いた。


「ヴィオナ、見て……」


言葉が詰まる。


私は南の地平線を指差した。


ヴィオナは抱擁を解き、私が指差した方へ視線を向ける。


そして――息を呑んだ。


「……」


南の空が、おかしい。


まるで現実そのものが砕けたかのように、何もない空中に漆黒の亀裂が走っていた。


最初は、脈打つように伸びる細い裂け目だった。


けれど、それは数秒もしないうちに広がっていく。


歪みが空を引き裂く。


やがて巨大な裂け目が口を開き、その向こうに絶対的な闇が広がっていた。


一瞬――


リフェリーの街全体の時間が、止まったように感じられた。


「何が起きているの……?」


私は恐怖に震えながら呟いた。


「空が……割れた?」


ヴィオナが一歩後ずさる。


「もしかして、これ……ワールドイベント?」


「まさか……」


私は慌ててインターフェースパネルを開き、視線を走らせた。


システム通知はない。


イベントのアナウンスもない。


ポップアップ警告もない。


私たちのUIは、完全に沈黙していた。


これほどの異常事態が、システムから何の通知もないまま起きている。


それは、私たちが知るこの世界の法則から、大きく外れていた。


私たちがその奇妙な現象を理解する暇もなく――


亀裂が、収縮し始めた。


引き裂かれた空の縁が互いに引き寄せられ、まるで自らを縫い合わせるように重なっていく。


巨大な裂け目は、息が詰まるような静寂の中で、ゆっくりと閉じていった。


そして数秒後。


青空は、何事もなかったかのように再び一つに繋がった。


「もう……消えたわ」


ヴィオナは、その場に立ち尽くしたまま呟いた。


「ええ……」


私は冷たい窓ガラスにそっと触れた。


何の痕跡もない。


亀裂も残っていない。


マナの残留物も、空中に浮かんでいた光のグリッチもない。


すべてが元通りになっていた。


まるで、先ほどの巨大な亀裂など最初から存在しなかったかのように。


あまりにも――普通だった。


私たちはしばらく窓の前から動けず、何事もなかったかのような青空を見つめていた。


しかし、その後に続く異変は何も起こらなかった。


揺れもない。


遠くから聞こえてくる咆哮もない。


ただ、時間だけが過ぎていった。


太陽が高く昇るにつれて、部屋の中に伸びていた家具の影は少しずつ短くなっていく。


その一方で、私たち二人の間に流れる静寂は、ますます息苦しいものになっていった。


やがて、私たちは窓から離れた。


ヴィオナはベッドに身を投げ出すように横になると、ゆっくりと私の膝に頭を預けた。


その目は虚ろだった。


心も身体も、もう限界まで疲れ切っているようだった。


「シグのことだけど……ルーシー、私たち、どうすればいい?」


ヴィオナが力なく呟いた。


その目は、部屋の天井を虚ろに見つめている。


「ただ、ここで座って待っていることしかできないのかな?」


どうやらヴィオナは、先ほどの奇妙な出来事よりも、シグのことを気にしているようだった。


私は彼女の髪を優しく撫でながら、再び窓の外へ視線を向けた。


「分からない……。私も、今のシグの状態を考えると心配になってきたわ」


けれど、その静寂の中で――


「……寒い」


ヴィオナが小さく呟いた。


私の膝の上で、彼女の身体が少し縮こまる。


「え……?」


無意識に、私も両腕を交差させ、自分の肩を抱きしめた。


寒い。


さっきまで、こんなに寒くなかったはずなのに。


部屋の温度が、急激に下がっていた。


ただの天候の変化とは思えない。


身体の芯まで冷え込むような、刺すような寒さだった。


「本当ね……。どうして急に、こんなに寒くなったの?」


窓枠の隙間から吹き込んでくる朝の風が、今はまるで刃物のように鋭く感じられた。


ヴィオナの口から、白い息が漏れる。


「私の知る限り、この地域に冬のサイクルなんてないはずなのに……」


ヴィオナは不安そうに辺りを見回した。


彼女の言葉を聞いて、ふと過去の記憶が蘇った。


孤児院の子供たちに、何度も読み聞かせた絵本。


その中に、この世界の昼と夜、そして季節の移り変わりについて語った古い童話があった。


「ヴィオナ、知ってる? この世界の昼と夜、それに季節の変化についての古い童話があるの」


私は静かに口を開いた。


「すべては、四体の竜王によって司られているっていうお話」


「えっ? 竜王?」


ヴィオナは私の膝から少し顔を上げた。


その瞳に、わずかな興味が浮かぶ。


「私に話して」


「伝説によると、この世界は東西南北、それぞれの方角に住む四体の竜王によって守られているの」


私は、あの童話の内容を少しずつ思い出していった。


「東の竜王は太陽を司り、昼をもたらす。西の竜王は月を司り、夜をもたらす」


「それで……季節はどうなるの?」


「南と北の竜王が、それを分けているの」


私は続けた。


「南の竜王は、周囲にある熱を吸収する力を持っている。彼がこの世界から暖かさを奪うと、その通った場所は凍りついていく――それが、冬の始まり」


「それなら、北の竜王は……」


「逆ね。北の竜王は、体内に蓄えた熱を放ち、世界を温める。それが夏をもたらすの」


ヴィオナは黙り込んだ。


ゆっくりと瞬きをしながら、話の内容を頭の中で整理しているようだった。


「でも、私がいつも覚えている部分が一つあるの」


私は続けた。


「伝えられている話では、それぞれの竜王は異なる色の炎を放つらしいの。北は赤い炎。南は青い炎。東は白い炎。そして――西は漆黒の炎」


私は再び窓の外へ視線を向けた。


「……もし、この地域の気温が突然下がったとしたら……」


その時、突拍子もない考えが頭をよぎった。


「もしかすると……南の竜王が、フレデンの領域を移動している可能性があるわ」


「興味深い話ね……」


ヴィオナは不安げに呟いた。


「でも、そんな子供向けの童話を信じられるの?」


「さあ。私も確信はないわ」


私は正直に答えた。


そう答えた直後――


空中に、柔らかな「ティン――」という音が響いた。


ほぼ同時に、透明な通知ウィンドウが私たち二人の前に現れる。


私たちは顔を見合わせた。


そして、インターフェースパネルの隅に表示された送信者の名前を見た瞬間、胸に小さな希望が灯った。


――メリッサ。


「ヴィオナ、これ……」


「ええ。私にも届いたわ」


一秒も無駄にせず、ヴィオナは立ち上がった。


私たちは急いで部屋を飛び出し、メリッサの店へ向かって、街の通りを駆け抜けた。


***


私たちが店の扉を押し開けると、チリン――と小さなベルが鳴った。


古い木製のカウンターの向こうには、すでにメリッサが立っていた。


いつもの落ち着いた表情とは違い、今は真剣な顔をしている。


「ちょうどいいタイミングで来たわね」


挨拶もそこそこに、メリッサが口を開いた。


「あなたたちの友達の痕跡を、もう一度追跡できたわ」


ヴィオナの目が、すぐに輝きを取り戻した。


「本当!? 今、彼はどこにいるの、メリッサさん?」


けれど、メリッサはゆっくりと首を横に振った。


その瞬間、ヴィオナの表情が曇る。


「正確な位置までは特定できないの。追跡スキル自体は彼の座標を捉えているんだけど……」


メリッサは少し言葉を区切った。


「彼があまりにも速く移動しているせいで、座標が次々と更新されてしまうのよ」


「座標が……?」


私は眉をひそめた。


「ええ。追跡マップを見ていても、彼の位置が絶えず変化しているわ」


そう答えながら、メリッサはカウンターを指先で軽く叩いた。


「残された痕跡から計算すると、高性能なマウントに乗っているか……あるいは」


メリッサは少し言葉を止め、私たちを交互に見た。


「……移動速度を大幅に上げる特殊な能力を使っている可能性があるわ」


そして、メリッサは続けた。


「でも、彼の目的地ははっきりしている」


その言葉に、私とヴィオナは息を呑んだ。


「オルニムスの街へ――一直線に向かっているわ」


「オルニムスの街……」


ヴィオナが静かに呟いた。


少なくとも、シグの行方を覆っていた濃い霧は、今、少しだけ晴れた。


彼は生きている。


そして、オルニムスへ向かっている。


迷うことなく、ヴィオナはポケットから何かを取り出した。


彼女がカウンターに銀貨を五枚置くと、チャリン、と小さな金属音が響いた。


「本当にありがとう、メリッサさん」


メリッサは置かれた銀貨をちらりと見て、薄く笑った。


「どういたしまして。あなたたちの友達が、早く見つかることを祈ってるわ」


私たちが振り返って店を出ようとした、その時だった。


メリッサがカウンターの下から厚手の布を取り出し、私に差し出してきた。


それは、シグの毛布だった。


私はそれを両手で受け取った。


微かに残っている、彼の匂い。


それを感じた瞬間、胸の奥が少しだけ締め付けられた。


「ありがとう……それじゃあ、失礼するわ」


私は毛布をインベントリに収納すると、ヴィオナと一緒に店の外へ出た。


石畳の通りへ足を踏み出した途端、リフェリーの街を包む冷たい空気が、肌を刺すように感じられた。


しばらく歩いたところで、ヴィオナが突然立ち止まった。


私は振り返る。


ヴィオナはその場に立ち尽くし、目の前に広がる街の南門を、じっと見つめていた。


「ルーシー……私、彼に会いたい」


囁くような声だった。


少し震えている。


それでも、その声には強い決意が込められていた。


「彼が無事なのか……自分の目で確かめたいの」


少しの沈黙。


やがてヴィオナは、懇願するような眼差しで私を見つめた。


「ルーシー……これからも私と一緒に、シグを探してくれる?」


その問いに、迷う必要なんてなかった。


「もちろんよ」


私は力強く答え、彼女の目をまっすぐに見つめた。


「私はもうここまで来たんだから。今さら後戻りなんてしないわ」


そう言って、私はポケットに手を入れた。


そして、何度も折りたたまれた、少し古びた紙を取り出す。


アイラから預かった手紙だった。


「それに……彼に渡さなきゃいけないものもあるの」


ヴィオナの視線が、私の手の中にある紙へ向けられる。


「その手紙は……?」


「アイラと弟が書いたの」


私は紙に残された、素朴なインクの跡を見つめながら答えた。


「シグに救ってもらったことを、直接お礼したいんだって」


これまでずっとヴィオナの肩にのしかかっていた重圧が、ほんの少しだけ和らいだように見えた。


その顔に、ようやく心からの笑みが浮かぶ。


「それなら……」


ヴィオナは両手を胸の前で握りしめた。


「もう、先延ばしにする理由はないわね。彼を見つけなきゃ!」


「ええ!」


私も強く頷いた。


目的地は、もう決まった。


オルニムスの街だ。


しかし、私たちが冷え込んでいく街を歩き始めると、私の足取りは次第に遅くなっていった。


胸の奥にずっと引っかかっていたものが、今になって重くのしかかってくる。


もう、外にある危険のことじゃない。


私が親友の前で、ずっと隠し続けてきた嘘のことだ。


――私の、シグへの気持ち。


私はうつむき、強く握りしめた手紙を見つめた。


まるで岩の塊でも握っているように、今はそれが重く感じられる。


私はずっと、自分に言い聞かせてきた。


シグを先に好きになったのは、ヴィオナの方。


そして、今のシグを一番必要としているのも、ヴィオナだ。


ヴィオナが笑っていられるなら、それでいい。


そう思って、この気持ちを胸の奥へ押し込めてきた。


でも……私は間違っていた。


この気持ちは、本物だった。


何も感じていないふりをするたびに、心の奥は少しずつ苦しくなっていった。


もし、このままヴィオナの前で自分の気持ちを隠し続けたら――


私は彼女を守っているんじゃない。


ただ、自分の気持ちから逃げているだけだ。


そんな臆病者のまま、いつか後悔を抱えてヴィオナの隣に立ちたくはなかった。


私はゆっくりと深呼吸をした。


そして、覚悟を決める。


「ヴィオナ」


「ん?」


ヴィオナは立ち止まり、不思議そうに振り返った。


私の足も、そこで完全に止まった。


「あなたに、伝えなきゃいけないことがあるの」


「どうしたの、ルーシー?」


言葉が喉につかえた。


怖い。


今まで築いてきた私たちの関係が、この一言で壊れてしまうかもしれない。


それでも――私は、もう隠れることをやめた。


「私……私も、シグが好きなの」


その言葉が口からこぼれた瞬間、時間が止まったように感じた。


ヴィオナはその場に立ち尽くし、瞬きすらせずに私を見つめている。


恐怖に押し潰されそうになる前に、私は震える声で続けた。


「競いたいわけじゃないの。あなたから彼を奪いたいわけでもない……決して、そんなつもりじゃない」


声が震える。


それでも、私は言葉を止めなかった。


「私はただ……これ以上、あなたに嘘をつきたくなかったの」


胸が張り裂けそうだった。


それでも、私は無理やり笑顔を作った。


「あなたは、この世界で私の一番大切な親友だから」


「だからこそ……あなたには、私の口から直接、正直に伝えたかったの」


ヴィオナは、まだ何も言わなかった。


二人の間に落ちた沈黙は、街を包む冷たい空気よりもずっと重く感じられた。


私はヴィオナの目を見ることができず、ゆっくりと視線を落とした。


これで、私たちの関係がどうなるのかは分からない。


もし、この告白が私たちの絆を壊してしまうのなら。


もし、この後、ヴィオナに嫌われてしまうのなら……。


それでも私は、その結果から逃げるつもりはなかった。


石畳を踏む足音が、ゆっくりと近づいてくる。


一歩。


また一歩。


その足音が近づくたびに、胸が締め付けられる。


私は目を強く閉じた。


平手打ちをされても。


冷たい言葉を投げつけられても。


すべて受け止めるつもりだった。


しかし――


返ってきたのは、罵声ではなかった。


私の身体を包み込む、温かな抱擁だった。


温かな腕が、私の身体を強く抱きしめる。


「……え?」


私はハッと息を呑み、信じられない思いで目を見開いた。


ヴィオナは私を抱きしめたまま、しばらく何も言わなかった。


ただ、私の肩にそっと顎を乗せている。


そして、耳元で優しい声が響いた。


「どうして、今まで言ってくれなかったの?」


目尻に溜めていた涙が、ついにこぼれ落ちた。


「だって……あなたが先に彼を好きになったから」


私は震える声で答え、彼女の背中の服を強く握りしめた。


「あなたの幸せを壊したくなかった……私が裏切り者だって、あなたに思われたくなかったの……」


ヴィオナはゆっくりと抱擁を解くと、私の両肩に手を置いた。


涙を浮かべた瞳が、まっすぐ私を見つめる。


それでも、その顔には、私が今まで見たことのないほど優しい笑みが浮かんでいた。


「あなたの気持ちだって、大切よ。ルーシー」


ヴィオナは優しく、それでいて迷いのない声で言った。


「私が彼を好きなように、あなたが彼を好きなのも悪いことじゃないわ」


「だから……一緒にシグを探しましょう」


ヴィオナは涙を拭いながら、微笑んだ。


「これからは、お互いの気持ちを支え合いながら、一緒に頑張りましょう」


こらえていた嗚咽が、ついに漏れた。


私はもう、涙を止めることができなかった。


冷たい空気に包まれ、ゆっくりと凍えていくリフェリーの街。


その中で――


私たち二人の間にある温もりだけは、確かに本物だった。



***

次回、第24章 「冬」


新しい章の更新は毎週土曜日です。

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