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異世界ネットショッピング  作者: たにやん
第2章 帝国の闇編

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100/130

第100話 女王討伐

ついに第100話です。


ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。


毎日の応援やブックマーク、評価、感想が執筆の励みになっています。


これからもナオキたちの旅を楽しんでいただけたら嬉しいです。

俺の呟きが、静まり返った坑道に響く。激しい戦闘の熱気は急速に冷え、辺りにはようやく静寂が戻っていた。


「……とにかく、まずはこいつを片付けるぞ」


俺は皆の意識を目の前の現実へと引き戻す。足元には、討伐したばかりのセンチネル・クロウラー・クイーンの巨大な死骸が横たわっていた。体長15メートルに迫るその巨体は、この空間の半分近くを占拠している。


「片付けるって……どうやってよ、ナオキ。こんなデカブツ、解体するだけでも一日仕事じゃない、アイテムボックスでも流石にこれは無理だろ?」


ヒルダが呆れたように言った。その通りだ。このままでは通路を塞いで邪魔になるし、何よりこれほどの魔物の素材は、計り知れない価値を持つ。一滴の体液、一片の外殻すら無駄にはできない。


「まあ、見てろ」


俺は女王の巨大な死骸に近づき、その黒光りする外殻にそっと手を触れた。ひんやりとした硬質な感触が、手のひらに伝わる。


'アイテムボックスに、収納'


俺が心の中で静かに念じた、次の瞬間。


「「「「なっ!?」」」」


その場にいた全員が、信じられないものを見たという顔で息を呑んだ。


ついさっきまでそこに存在していたはずの、小山のような女王の巨体が、何の予兆も、音もなく、一瞬にして、跡形もなく消え去ったのだ。まるで、最初からそこには何もなかったかのように。


「……は?」


カイトの口から、間抜けな声が漏れた。彼の仲間たちも、目をこれでもかと見開き、口を半開きにしたまま完全に硬直している。その光景は、まるで時が止まったかのようだった。


「おいおいおい、マジかよ……」


俺の能力を知っているはずのヒルダでさえ、改めてその規格外の現象を目の当たりにして、乾いた笑いを漏らす。バルクも、その巨体を微動だにさせず、ただ驚愕に目を見張っていた。


だが、最も鋭い反応を示したのはライアンだった。


「……アイテムボックス……?」


ライアンは眼鏡の奥の瞳を見開き、女王が消えた空間と俺の手元を何度も見比べた。


「アイテムボックスのスキルを持つ人間自体が極めて希少です。ですが……あれほど巨大な魔物を一瞬で収納できるなど、聞いたことがありません」


彼は信じられないものを見るような表情で俺を見つめる。


「ナオキさん……そのアイテムボックス、一体どれほどの収納力があるんですか?」


ライアンが、震える声で俺に問いかける。


「容量は……無制限だ」


俺が何でもないことのように答えた、その瞬間。


「…………は?」


ライアンの思考が止まった。


「む、無制限……?」


彼は信じられないというように目を見開き、俺と、女王が消えた場所を何度も見比べる。


「そ、そんな馬鹿な……。アイテムボックス自体が希少なスキルなんです!それなのに無制限なんて……そんなものは規格外すぎます……」


「だから便利だって言っただろ?」


俺は肩をすくめて答えた。全てを説明する気はないし、できるはずもない。この世界の常識から外れた力だということは、俺自身が一番よく分かっている。


ライアンは静かに息を吐いた。


「ナオキさんと行動を共にしてから、私の常識は何度覆されたか分かりません」


「そのうち慣れるさ」


「……ええ。ですが、慣れる日は来ない気がします」


苦笑するライアンに、思わず皆から小さな笑いが漏れた。


-------------------------------------


女王の巨体が消え、広間が物理的にも心理的にも広くなったことで、ようやく俺たちは一息つくことができた。


「さて、と。まずは戦果の確認だ」


俺はそう言って、全員のステータスを確認する。


【ナオキ】


LV:38

HP:620/620

MP:380/380

攻撃力:170

守備力:180

力:160

素早さ:175

知力:270

運の良さ:185


スキル

・全言語理解

・マリエク

・アイテムボックス LV4(容量無制限)

・鑑定 LV4

・身体強化 LV3

・生活魔法


魔法適性

火・水・風・土・雷・氷・光・闇


称号

・幽霊狩り

・非道なる勝利者


知識/経験


[医療]

[美容]

[初級測量学]

[地図製作技法]

[天体航法入門]

[三角測量理論]

[測量機器取扱]


【セーラ】


LV:38

HP:530/530

MP:220/220

攻撃力:245

守備力:185

力:185

素早さ:220

知力:100

運の良さ:110


スキル

・短剣術 LV5

・激励 LV3

・ヒール LV1

・心眼 LV1(NEW)敵の動きを見切る能力が向上する。


【ヒルダ】


LV:37

HP:690/690

MP:290/290

攻撃力:215

守備力:165

力:170

素早さ:270

知力:175

運の良さ:105


スキル

・隠密 LV5

・追跡 LV5

・罠設置 LV4

・弓術 LV5

・短剣術 LV3

・獣の嗅覚ユニーク


【バルク】


LV:37

HP:1220/1220

MP:170/170

攻撃力:205

守備力:360

力:320

素早さ:60

知力:70

運の良さ:60


スキル

・大盾術 LV6

・挑発 LV5

・剣術 LV3

・不動のユニーク

守護領域ユニーク

・鉄壁 LV1(NEW)防御姿勢を維持する能力が向上する。


【ライアン】


LV:30

HP:540/540

MP:130/130

攻撃力:175

守備力:145

力:150

素早さ:235

知力:185

運の良さ:100


スキル

・剣術 LV3

・危険察知 LV5

・気配察知 LV4

・地形把握 LV4

・交渉術 LV3

・鋼の精神ユニーク


-------------------------------------


全員が、飛躍的に成長していた。特に、セーラとバルクは新たなスキルまで獲得している。『心眼』と『鉄壁』。名前からして、今回の死闘の中で開花したであろう、彼らの戦い方を象徴するようなスキルだ。


「どうだ、ナオキ? 何かわかったか?」


ヒルダが不思議そうに聞いてくる。


「ああ。全員、無事にレベルアップしてる。しかも、かなり大幅にな」


俺がそう告げると、仲間たちは次々と自分のステータスを確認し始めた。


「おおっ、本当だ! 一気に二つもレベルが上がってる!」


ヒルダが嬉しそうに声を上げる。


「新しいスキルまで……」


セーラは驚いたように呟き、自分のステータス画面を見つめていた。


「……鉄壁、か」


バルクも短く呟き、新たに得たスキル名を静かに噛みしめる。


ライアンも目を見開いた。


「私もレベルが……これほど上がるとは……」


「バルク、お前の盾も限界みたいだな」


俺は大きくひび割れた盾へ視線を向けた。


「……ああ」


バルクも静かに頷く。


「この女王の素材、どこかでバルク用の盾にしてもらおう」


「……頼む」


バルクは短く答え、ひび割れた愛用の盾へ静かに視線を落とした。


そんな俺たちの会話を、カイトたちが複雑な表情で遠巻きに見ていた。彼らもレベルは上がっただろう。

だが、その中心にいる俺という存在の異質さに、戸惑っているようだった。


「……正直、助かった」


不意にカイトが口を開いた。


「俺たちだけだったら、間違いなく全滅してた」


その言葉に、彼の仲間たちも黙って頷く。


「借りは必ず返す」


プライドの高いカイトが頭こそ下げなかったものの、自分の敗北を素直に認めたのは初めてだった。


* * *


一通りの後処理と休息を終え、俺たちは改めて坑道の奥を見回した。


女王を倒したことで、坑道には不気味なほどの静寂が戻っている。


「……もう終わり、みたいだな」


ヒルダが辺りを見回しながら呟く。


ライアンも周囲を慎重に調べた後、小さく頷いた。


「他に魔物の気配はありません。依頼は達成と見て間違いないでしょう」


危険な依頼だった。何度も窮地に追い込まれた。。それでも、誰一人欠けることなく全員で生き残った。

それだけで十分だった。


「よし。街へ戻ろう」


俺の言葉に全員が頷く。


「やっと飯が食えるー!」


真っ先に声を上げたのはヒルダだった。


「もう腹減って限界だ! 肉だ! 肉!」


「私は冷えたお酒が飲みたいわ」


セーラが言う。


「さっきまでの緊張が嘘みたいですね……」


ライアンが苦笑する。


「それだけ余裕が戻ったってことだろ」


俺が笑うと、皆もつられて笑い声を上げた。


こうして俺たちは、長く苦しい坑道攻略を終え、アルテナの街への帰路についた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。累計100話到達おめでとうございます! 文字通りの死闘だった訳ですが…終わって見ればきちんと素材ゲットしてほぼ依頼達成ですし、セーラのトラウマにもケリを付けられたから収支プラスです…
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