第3話 追放と絶望2
部屋に着くとメリュジーヌは早速、傀儡魔法のスキルを試してみることにした。
「うーん……動かない……」
使ったこともない傀儡魔法を試すがうまくいかず、思った通りの結果が出ないことに不満を抱きながらも試行錯誤を繰り返していると、執事の一人であるアレクがノックをして部屋に入ってきた。
悪戦苦闘するメリュジーヌを見てアレクが尋ねてくる。
「お嬢様、どうしたのですか?」
「傀儡魔法ってスキルがあったから早速試してるんだけど、中々上手くいかないんだ。多分、読んで字のごとくお人形さんを動かす魔法だと思うんだけど……」
悩みこんでいるメリュジーヌに、アレクがふと思いついたことを言う。
「図書室へは行かれましたか?」
「まだだよ。父上たちが戻るまであまり動きたくないんだ。すれ違いになったら大変だもん」
「なら私めと一緒にいきませんか? 旦那様がお戻りになられたら、図書室にいることをお伝えしますよ」
メリュジーヌは少し悩んでその提案を快諾する。
そして二人で図書室に向かっていると、アレクが何やら魔法を使っていた。
「何をしているの?」
「ホッホッ。気にせずとも良いですよ。これは調律の魔法と言って魔法が使えなかったり、使いにくい者が魔力に適応しやすくするための魔法です。さらにスキルとの親和性も多少上昇させてくれるんですよ。今のメリュジーヌ様にぴったりかと」
「そんな魔法もあるんだね。初めて聞いたよ」
「マイナーな物ですからな。あまり知られていないのです。それこそあなたのスキルのようにね」
「なるほど!」
その説明にメリュジーヌは疑問も持たずに納得した。
他にも色々と話を聞いていると、あっという間に図書室に着いてしまった。
「ありがとう。じゃあ、父上たちが帰ってきたらお願い」
「はい、かしこまりました。お飲み物とお茶菓子も後で持ってきますね。くれぐれもこぼさない様に」
「はーい!」
その後は練習をやめて自身のスキルについて知ることから始め、片っ端から本に目を通した。
アレクが持ってきたお茶とお菓子を摘まみながら理解できなかったところを書き出しては、そのジャンルの本を重点的に目を通す。
そんなこんなしていると、あっという間に夜になってしまう。
「おっ、メリュ子じゃないか。珍しいな勉強嫌いのお前が本を読んでるなんてよ」
「やっほーリアスお兄ちゃん」
長男であるリアスが物珍しいものを見るような視線を送ると、メリュジーヌはその反応に少し不服そうにしていた。
「何を調べてるんだ?」
「そりゃあ、もちろん自分のスキルについてだよ。よくわからない力だから、しっかり前情報は仕入れとかないと」
「こりゃあ、明日は季節外れの雪が降りそうだな」
「あーちょっと、お兄ちゃんひどーい!」
「ふははは」
誤魔化すためにリアスが笑いながらメリュジーヌの頭を撫でくり回すと、髪がボサボサになると言って、メリュジーヌは怒りながらも笑っていると、その光景を後からやってきたアリサとエレインが微笑ましそうに眺めていた。
二人を見つけるとメリュジーヌが逃げるようにして二人の後ろに隠れて威嚇していると、その姿を見た次男のグレンが笑っている。
そんなこんなで賑やかな夜を過ごすのだった。
いつも読んで下さり有難うございます。
『面白い』や『よかった』と思っていただけたら評価やブックマーク、感想等をしていただけると嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。
更新は金曜日の予定です。




