第10話 死闘の末の日々2
やっと体が動くようになった。
自分でもよくあの傷で生きていたなと思ってしまう。
しかし、体が動くようになったのは良いが、関節の骨が損傷していることで魔法なしで動くことができないのは変らない。
カマキリを喰らう日々で、メリュジーヌは思考を巡らせていた。
どうすれば関節の骨を正しい形に治せるのかと。
そして思いついた手段が、生産魔法で作り直すことだった。
生き物を作ることはできないが材料さえあれば、骨くらいなら再構築できる。
「じゃあ、始めようか。まず魔物の関節の骨を外して……」
手順を確認するように口ずさみながら、メリュジーヌはカマキリから素材を剝ぎ取っていく。
体はオーダーマリオネットで無理やり動かしていたが、カマキリと戦った時のような痛みはなかった。
痛みをしっかりと知覚できなくなり、メリュジーヌ自身、本当に変わってしまったのだと感じた。
「これだけあれば足りるかな?」
そこにはカマキリの関節の骨や外殻などが綺麗に置かれていた。
そして自分の右腕に躊躇なくナイフを刺すと、関節の骨を抉り出す。
張り付いていた筋肉が伸びてブチブチと引きちぎれる音が鳴る。
さらに砕けた骨の欠片を探すように、関節の中に指を突っ込んで欠片を回収して材料の隣に並べた。
材料が全て揃うとメリュジーヌは生産魔法を使う。
簡単な魔法陣が展開された。
作るのは割れた関節の代わりになる新しい自分の関節だ。
大きさは自分の関節をベースにして、調整をしながら腕にはまる大きさに整形していった。
「こんなもんかな? じゃあ、さっそくっと」
そう言ってメリュジーヌは自身の関節に骨をはめるとぴったりだった。
そのフィット感に満足しながら、今度は外した神経を操糸術で操って関節に繋げる。
それを自分の体にある全関節分、行った。
そして操糸術で筋繊維を操作して止血を行いながら、他の砕けた骨も強化を行った
処置が終わるたびに操糸術で筋繊維を操作して傷口を塞いでいるが、それでもメリュジーヌの足元は血の海になっていた。
もはやカマキリの物なのかそれとも彼女の物なのか区別がつかないほどだ。
こうしてメリュジーヌはオーダーマリオネットの高負荷に耐えうる体に一歩近づいたのだった。
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