第8話「先輩」
家に帰ると食卓には魅力的な料理がたくさん並んでいた
ミラは料理をお皿によそいながら言った
「かずまお疲れ様でした。今日は沢山食べて明日に備えてください」
「いっただきまーす!」
空の胃に注がれる食べ物たちはすべて心なしかいつもの10倍美味しく感じた。
この唐揚げみたいなのも、チャーハンみたいなのも、寿司みたいなのも全部うめぇ、元から美味かったけど今日のご飯は格別だ
「すごい食べっぷりね…」
ルミはそう言うと続けて何かを思い出したかのようにミラへと話しかけた
「明日帰ってくる?」
「はい、ようやく」
「じゃあやっぱ修行はジョズに任せよう!」
帰ってくるって仲間か?確かによく考えたら3人でそんな大それたことしようとする訳ないか…
明日帰ってくる先輩か…どんな人達なんだろうな
ビリパリ
今まで聞いた事のない大きな音がし皆が一点を見つめた。そこには1つのボタンがあった。
アユナはその方へと向かうとボタンを押した
ギギギ
聞き覚えのある門の大きな扉が開く音が聞こえた
これインターホン的な?てか、扉が開く音こんなデカかったんだ何気に初めて中から聞いたな。仲間は明日来るって言ってたし英字が帰ってきたのか?
キィー
食卓の扉が空く音が聞こえ目を向けた
「いやぁ〜ちょいと早く着いてもうたわ…ルミさんただいま〜」
金髪!高身長!イケメン!何だこの人完璧じゃないか
ってかやっぱ背高いな180超えてるだろこれ
「ちょっとジョズ。後ろが詰まってます早く」
後ろから目立つ髪色の女の人が入ってきた
「やっぱりここはいつ来ても落ち着きますね」
緑の髪色をし、どこか落ち着いている可愛らしい女の人が喋った
「あのミジャ君でも詰まってるから」
そう言って後ろから入ってきたのはミステリアスな人だ。俺と身長同じぐらいの男の人だな、顔は…パーカーで見えん
てかキャラ濃いな!
「みんな!おっかえりー!」
ルミはいつにもなくハイテンションで3人へと抱きついた。こう見るとやっぱりまだ子供なんだな
「ルミちゃん、久しぶり」
「久しぶりミジャ!また可愛くなったね!」
「ただいま」
「おかえりユウスケ!ゲームやろゲーム!」
「仕方ないな」
ワーキャー。ガヤガヤ
「ほなミラさんまた後で」
4人はそのままハイテンションで他の部屋へと移った
本当にはしゃいでたなルミ…
てかこの世界のゲームって流石にテレビゲームとかじゃないのか?
本当に全員キャラが濃いな。てか俺…シンプルスルーされてないか!!ミラさんにはみんな軽く挨拶か会釈してたし、俺完全スルー!
先が思いやられるな
ルミは修行はジョズつまり金髪イケメンお兄さんに任せるって言ってたけど本当に大丈夫なのか?確実に空気扱いだった気が…
「安心してくださいカズマ。多分みんな久しぶりの再会が楽しすぎて周りが見えてないだけだから」
的確!心でも読んだのかってぐらい俺の考えてること分かってるな。気遣いか?めっちゃ優しいな
「あいつらはガキなだけで別にカズマのことを嫌ったりはしてないから」
ミラって結構毒舌なんだなと思った
「でもみんなルミ様に忠誠を誓ってる。ルミ様の頼みとあれば例えカズマのことが嫌いでも修行はつけてもらえる」
やっぱり嫌われてんの?!どっちだよ
「今のはただの比喩です」
そうなのね…
言葉を発してないのに会話が成立するのって何か不思議だな
「ミラはルミとどういう関係なの?」
「私はただのルミ様に拾われたお荷物ですよ」
その時何故かミラは今までにないほど嬉しそうで笑っていた。
ガチャ
「おぉー!カズマ君やっけ?よろしくな。僕はジョス」
手を差し出し笑った。 差し出された手は強くズッシリとしていた。握っただけでわかる経験、こいつはできるという素人にと分かる格の違い
「よろしくお願いします。ジョズさん」
「よせよせ、敬語なんか使うなや」
「じゃあ、よろしくジョズ」
「おう!」
後ろから続けて2人も入ってきた
「挨拶が遅れてすいません。ミジャって言います。よろしくお願いします」
「俺はかずま。よろしくお願いします」
「俺はアルグノ。よろしく」
「俺はかずま。よろしく」
あれ?てかこの3人と一緒にいたルミはどこにいるんだ?
「ルミはどこいんの?」
ジョズは大笑いして腹を抱えながら言った
「アルにゲームでぼろ負けして不貞腐れて寝た。アハハハ!どんだけガキやねん、あは!あかんおもろすぎる」
何か誤解してたな、この人達のこと。凄く暖かくて優しいじゃないか。ジョズとも打ち解けられたし一安心だ
ング!
ジョズは笑いを堪えながら言った
「カズマ今日はもう寝ろよ。明日から僕の特別メニューが待ってるからなぁ」
「うす!じゃあおやすみ」
「「「「おやすみ!」」」」
カズマが部屋から出たのを確認するとみなは話し始めた
「にしても不老不死の奴なんていったいどんな兵器になるんやろな」
「最近勇者の行動が気になります。ルミ様は何としてでもそっこうカズマを育てたいでしょうね…戦いに備えて戦力は多ければ多いほどいい」
「俺もそれは同感だけど、一体どうやって短期間でそこまでに育て上げる気なんだ?ジョズ」
ジョズの表情からは笑みがこぼれた
「あんまり乱暴したらダメですよ!」
「わーってるってミジャ。ちょーっと大変なミッション与えるだけやて」
「「「はぁ」」」
「なんや皆して!大丈夫やて」
「やっぱりそうなりますか…別れすら言えないルミ様が不憫でならないですね」
「これは成長のためやからな」




