第6話「迷走」
「見つけました!」
薄暗い森、そこには何かが戦ったあとがあった。
「脳天を刺され絶命した魔物、そして大量の出血の後、人の腕、人の半身と思われるものが辺りには散乱しています、そして傷を引きずったような跡は途中から薄くなり完全に消えています」
その報告を聞いた老人は言った
「ほう、その半身と腕を持って帰ってこい。もしかすると逃げ出した神食のものかもしれん。」
情報によるとさっそく神食がユヒクと接触したらしいな、厄介なものだ。いつの時代も厄というものはあるものだな。老人は席から立ち上がるとどこかへと歩き始めた
森の中を歩いている僕は重大なやらかしをしたと気がついた
「迷った」
結構歩いたけどつかない。あぁーやらかした。途中で綺麗な植物探しとかしてたからだ……だる。どしよ。もうここらへん暗くてなんにも見えないし……
印とかつけてくるべきだったか?
前から僕を心配して探しに来たミラとばったりあったりしないかな
あれ?何か明るいぞ
ふと前方にあかりが見えた。
行くか!どっちにしろ迷って絶望的だし。もしかしたら誰かいるかもしれない
「いた」
「いた」
グッジョブ!ミラでした。
「あざす。迷って困ってました」
「良かったこれで帰れる」
「いや本当にすいません」
「いえいえ全然……あぁ疲れた、な」
「……………………」
「すいません」
「…………」
城に着くと大きな扉が空き、長い廊下を何とか気力を振り絞って歩いた
本当に疲れたな…
部屋に着替えを取りに行こう。そうだ風呂に入ろう
はぁー風呂入ろ風呂
てか服ボロボロだな
早いこと風呂入って寝よ
服を取り風呂の前まで走った
風呂の前につき、戸を開けると、そこは銭湯のような広い脱衣所が広がっていた。このパターン広い!!よっしゃーーー!こら!広い風呂の可能性が非常に高い
これは凄くいいぞ!
「失礼しまーーーす」
ハイテンションで風呂のドアを開けるとそこは立派な温泉のような広い風呂が広がっていた
石で見事に作られた地面、広い浴槽になみなみに張られた湯気を出しているお湯
そして先着がいた
「あっ」
「あっ……なにしてんの変態……」
がらがら
扉を閉めた。うんやべえ鬼気まずい、いや、お子ちゃまの入浴なんか興味ねぇよ、見る気なんかなかったもん、いるなんて知らないもん、やらかしただけだもん
でもこれはまずいことになったな。明日からどうやって生きてけばいいんだ?最悪追い出されるかも…
がらがら
状況を整理しようと足りない頭で考えていると、戸が開く音がして目を向けた
そこにはルミが体にタオルを巻き仁王立ちしていた
「あなた今ものすごく失礼なこと考えてなかった?」
「いえなんにも!」
「あっそ、入れば?風邪ひくでしょ。幸いここは広いし」
あら優しい、じゃあお言葉に甘えて
どうやら彼女はけっこう優しかったみたいだ
湯船に浸かりまったりしていると僕から最も遠い壁側で湯船に浸かっていたルミが口を開いた
「魔物……戦ったの?」
その返事に軽く返した
「うん、バッチリ勝ったよ」
「そう、どうだった?」
「強かったなハム坊は」
「あんたそれ殺した魔物に名前付けたの?」
「そうだけど」
「イカれてるわね」
なぜか軽蔑の眼差しで見られた
しばらくの沈黙の後僕は質問をした
「なぁ、ルミはなんでそんなに強えんだ?あの頭吹き飛ばすのとかどうやんの?あと空飛ぶのとか」
ルミはしばらく黙ってから答えた
「魔法よ」
「いいな」
「でしょ!」
その後は何一つ喋ることはなかった
てか、気になってることあんだけど不老不死って体鍛えても意味ないんかな?それだったら一生このごぼうボディで戦うことになるのか……いやだな
ルミは湯船から立ち上がると言った
「じゃあね先に上がる。明日から特別に私が修行つけてあげるから」
軽く頷いた
修行か、座禅組んだり?うーん他にもいくつか思いつくけどやっぱり1番は魔力の修行でしょ!空飛びたいし、キャンプで日の魔法使って薪に火付けてみたいし、他にも色んなことしたい
やっぱり魔法って人の夢の塊だよな
前世の僕に教えてやりたいな、今僕は憧れの魔法がある世界にいますよって…
それは何度も憧れたことだ、現実逃避に近いものだ
おっとのぼせちゃうな…
あがるか




