第5話「鬼才」
僕がここで、暮らしていくに値してやらなければならないこと、修行、任務、そして、ルミの世話
「おい!起きろ」
朝6時外は晴れていてとても気持ちのいい朝だった。こんなことさえさせられなければな!ベットで寝ているルミに僕は、キレ散らかしていた。本当に面倒くさい、朝起こすために30分も奮闘している。こいつもうわざと起きてるけど僕に意地悪してるだろこれ
どれだけお姫様扱いされてんだよこいつ。
しょうがない。ここは分からせないとな
呆れてもう叩こうかと手を振りあげた時、隣にいたミラがため息をついた
「やっぱり駄目ですか」
ミラは呆れたような声でいった。恐らくミラはこの怪物と毎日高度な戦闘を繰り広げているんだろう。そう考えると頭が上がらない
ルミへとかけよるミラの顔を直視した
すごい整ってんなぁ。異世界ってみんなこんな感じの美男美女が揃ってるのかもな
ミラは手を振りあげた
「おきないと……」
ミラが今にも手を下げようとした時突然、ルミが何かを感じ取ったのかのように飛び上がった
「はいっ!」
元気よく飛び跳ねたルミをみて顔面をぶん殴りたくなった。起きた……こいつ……面倒くせーー!
まあ確かに今のは凄い気迫してたもんな…ミラも実はめちゃくちゃ強いのか?
急いで起きたルミはとてもだらしない格好をしていた、寝癖はひどく、下着姿でとても英二さんと話していたときの彼女の面影、初めて会ったときの威厳はなくなっていた。
ふっ!
ガキが
3人で食卓へと向かう途中もルミは目をこすって眠そうにしていた。
席へと着くと彼女はゆっくりと食事を始めた
口元へと運んだベーコンを口に入れそうで入れない。ウトウトしている
見てるだけで苛立って来るなこれ
カリカリに焼かれたベーコンを何とか口に放り込み、噛み終えると、こちらを向き食事の手を止めた。
「カズマ。まだこの世界がよく分からないだろ?少しこの世界を探検してこい」
そういうと黒い煌びやかな短剣を差し出してきた。
「これは?」
「ここは魔物が出る気休め程度だが持っていけ」
この世界……魔物がいて、魔法があってなんでもありだよな。まさにラノベの世界まんまだ。
この短剣かっこいいな。黒く怪しく煌めく刃、包帯のような物が巻かれた持ち手!いい!すごいいい!
でも、魔物相手にこんな短剣一本で良いのか?
ラノベとかの主人公みたいに魔法使える訳じゃないし、身体能力も高くない
こんなの意味なさそうだな。言葉通りの気休めだな…
「あんがと」
そういうとかずまは席から立ち外へと向かった
この世界、何気に外に出て探索するのは初めてだからなんかちょっとワクワクするな
カズマが去った食卓でミラは心配そうに言った
「カズマさん大丈夫ですかね?」
その言葉を聞くとルミは微笑んだ
「あいつは不死身だ……なんとかなるだろ?それに、幾ら不死身といえど戦闘能力は変わらない、訓練は必要でしょ?」
ミラは思った
あっ、やっぱりこの人性格悪いな。と
門から外へと出て、森の中へと進んで行った
大地を照らす日は、暖かくそして暑すぎず丁度いい気温だった。空を見上げながら思いを馳せていた
気持ちいいなぁ、最近は下しか向いてなかったからな
怒られて下を向いて気持ちが落ち込んだまままた仕事して、ミスして怒られて無限ループだった。馬鹿だな
大自然の中を歩いていると全てが美しく見えてくる
ほら美しい景色でも見てみよう
美しい木々
青々しい草
凛と咲く花々
煌びやかな鱗を持ったハムスターみたいな巨大生物
青い満点の空
美しい僕
ん?
美しい僕?
ん?そこじゃない
ハムスター?
目をやるとハムスターの面影を持った巨大生物がこちらを見て爪を噛んでいた
考える間もなく逃げ出していた
「やっべー!」
んだよあれ突然変異ですか?あ?前のキュートな姿はどこいった。てかなに殺傷のうりょく高そうな爪してんだよ。てか、でけぇな。何センチあんだよあれ軽く2メートルあるだろ
いや、落ち着け
普通に魔物だ…
気休めの短剣を構えハムスターが向かってくるのを待った
「一応格闘ゲームしてたんでね。かかってこいよ」
これ言ってみたかったんだよね、かっけぇー
ぶぉば
「いっでぇー」
その叫びは森の中へと響き渡った
腕が、腕が
短剣構えていた腕はハムスターの一振によって持っていかれた
血が、血が止まらない。暑い暑い暑い
「っっつってぇ、」
大丈夫だきっと。英二は不老不死だと言ったはずだ。おっ!確かに傷が少しづつ治りつつあるのを感じる、にゃきニョキと変な感覚だ
でも、不老不死とか以前に攻撃力がやばい。こっちが死ななくても勝てることはない。圧倒的な体格差、リーチ
勝利は絶望的……絶望的?
少年の不安は消えていった
てか、なんかこれ気持ちぇー
飛びそうだ、脳汁ドバドバやべぇ
自分より格上をどう攻略するかわくわくするな。久しく忘れていたゲームの感覚に近い。負け前提のイベントどう勝つかみたいで燃えるじゃん
すぐさまハムスターは大きく振りかぶってきた
はやい
ズゾッ
右半身はかぎとられ重心が崩れ地面へと倒れ込んだ
「いっ!」
まあテンション上がっても勝てるわけじゃねぇよな。
ハムスターはカズマを掴みあげると自分の口元へと運び大きく口を開いた
何だこの口、小さい歯がずっしり並んでいる
ハムスターは手を離し口の中へと肉を放り込んだ
「今だ!」
口の中へと入れられた隙を着きハムスターの舌を思いっきり引っ張った
やばい、意外とちぎれない
「うぉー!」
大量の歯を足に刺し踏ん張る土台とした
いけ、踏ん張れ
ぶちっ
下を引きちぎった反動で後ろへと転がり口から出た
どうだ?
ハムスターへと目を向けると走り回って木にぶつかりまわっていた
すぐさま右腕をもっていかれた時に吹き飛ばされた短剣を手に取ると暴走して突っ込んでくるハムスターにの前に静止した。
まだだ、もっと、もっと近くなってから…
今!
衝突の瞬間、距離がゼロになる時を狙い脳天を狙い正確に突き刺した
ハムスターの最後の力を振り絞って放たれた体当たりに突き飛ばされカズマは地面に倒れ込んだ
ハムスターへと目をやると倒れ込み、白目を向き動かなかった
「よっしゃー!」
しばらくすると体は完全に戻っていた
もう治ってる。自分の体ながら化け物になったなったみたいで怖いな。でもこの再生速度さすが不老不死。
この短剣、凄く性能が良かった。恐らくこの短剣でなければ素人の刺しなど逆に刃が折れ曲がっていただろう。気休め以上だな…っと
いやぁ〜さすがに疲れたな。空を見上げると朝日は夕日に変わっていた。
もうこんなに時間は経っていたのか…もっと早く終わったと思ってたけど、そろそろ帰らないと暗くなっちゃう
よしっ帰るか
結構ここまで遠かったし、夜になると暗くて帰れなくなりそうだし
でもひとつ困ったことがある。初めて魔物倒したけどこれ死体とかどうしたらいいんだろ?まあ放って置いといたら他の魔物とかが食ってくれるか
「じゃあなハム坊」
君のことは一生忘れることは無いだろう…
くぅー!かっけぇセリフ言えたぜ




