第2話「違和感」
目が覚めると早速仕事と言われ準備を始めた。
準備と言っても着替えたぐらいだ
着替えを足早に済ませると街長は優しく言った
「じゃあ、森に行こうか」
街長は今日も穏やかだ。森への道中。後ろから彼女がピッタリとついてきているのがわかった。やっぱり騙されたか?まあ慣れっこだ。抜け出すか。そう思って体を横に向けた瞬間街長が今までにない剣幕で怒鳴ってきた。
「どこを?向いてるのかね!」
そのあまりの迫力に逆らうことができなかった。
10分程歩いただろうか?古びた倉庫のようなものが見えてきた。あちこち錆びていて台風とか来たら真っ先に崩れそうだ
「あのこれ?」
言葉を発するのとほぼ同時に街長が笑いながら僕を後ろから押してきた
「はいろうか」
必死に抵抗したが、体格差に負けてなかに押し込まれた。やっぱり今回も
ガチャっ
鍵を閉めた音が暗い倉庫のなかにひびきわたった。急に明るくなりその部分に目を向けるとそこにはランプをつけた街長がいた。僕はその一瞬で察してしまったここが地獄だと。そこには、大量の血がついた器具が散乱していたからだ。考える暇もなくこちらに向かって街長が走ってきた
「動くなよ」プスッ
僕の体の上に馬乗りになり薬を打ってきた
その後狂ったようにしゃべりだした
「大量に薬いれちゃったぁーー、まあなんとかなるーかな?ああ?」
狂ったように喋りだす変貌ぶりに恐怖していると、眠気が襲ってきた。意識が…
目が覚めると錆びついた椅子に鎖で固定されていた
「起きたか、いやー久しぶりに釣れたねー?お楽しみだ」
釣れた?久しぶり?これって何回も繰り返してるのか
やばいこのままだと
シャキンっ
街長は僕の腹に長細い刃物を突きつけ力を込めた
「や、やめ、やめろーーーーーー」
激痛。今までの痛みはしょぼく思えてしまうほどの
「次は足の指を」
街長はそう不敵に笑いながら言った。地獄なんてものじゃない。あの薬のせいか何故か肉体から肉がきり離されるたびにその部分が徐々に戻っていった
「こんなおいしい話なんかあると思った?かわいそー」
「いやーここ十年やってなかったから久しぶりは気持ちいいねー」
2人の会話が頭に響いた、それはどれくらいだろう、体感は無限の時間のように感じた。このあけない地獄は一体僕に何を与えてくれるんだ?時々抜け落ちる自分の髪の毛が白髪になっていた。街長とあの女はこうしてよそ者をいたぶって楽しんでいるようだ体が欠損するたびに薬の効果で戻る、この地獄はいつ
「今日もーーーーお楽しみだよぉーー今日はドリルでおなかをををををーーーー」
「きゃはははははは、うけるーー」
その狂気じみた声を聞くたびに僕は、全てを恨むようになった。体ににねじれるような痛みが走った腹にあながあき椅子も貫通した。その時絶望の中に希望が見えた 傷が直った瞬間脆くなった椅子から全力で抜け出して外に駆け出した
「はっはっ」
ようやく解放されたんだ。
走る度に体に捻れるような痛みが走るがそんなことにかまってる暇はない
「すいません。助けてください変な人たちに追われててっづっっっつ」
叫びながら走る中
古びた小屋から抜け出しすぐのところにあった家に助けを求めて駆け込んだ
ぎゅるるるる
しばらくまともな飯を食っていないから腹が減った。
声を聞いて出てきたおばさんは
僕の腹が鳴ったのを聞くと優しく話しかけてくれた
「あら、大丈夫?お腹減ったのね。とりあえず上がってご飯でも食べて」
おばさんの優しい声かけに僕は緊張がほぐれて体から力が抜けるのを感じた。
「あ、ありがどごさす」ろれつがうまく回らない 優しい人でよかった、、、
でもなんにも疑わずにこの家に入ってしまったが大丈夫なのだろうか?
少しづつ不安が膨らむのを体感しながら席に座っているとおばさんが料理を笑顔で運んできた
「お待たせーーーシチューよ」
出されたシチューは少し変わった肉が入っていたがここに来てから変わった食材にはなれていたので気にすることなく久しぶりの食事に歓喜し心を弾ませながらシチューを口へと運んだ
パクっ?
なんだこの肉長細くて骨があってなんだこれ四角くて硬いもの口に入れて何かを探っていると気がついた、指?この硬いのは爪!味は最悪で雑味が多くて吐き気がした
「おいしいっ?わたしもこれを食べたら運命が決まる!転生者のお肉、頂けば死かあるいは人類に光を」
オエっ!瞬間察してしまった。転生者の肉、その言葉は今まで何故か体の部位を切り落とすばかりだった拷問が本当は拷問ではなかったと気づいた。今まで受けてきたただの快楽のためのものと思っていたものは、ここ世界での人類が転生者の肉を食べているからだと。吐き出したものは明らかにカタチが崩れた人間の指だった。
崩れ落ちそうになるのを耐えて何とか足へとふんばりをきかせて走り出した。急いで走った
後ろを振り向くとさっきのおばさんが微笑みながらぼくを見つめていた。
「じゃあね」
扉を出る直前、そんな言葉が耳を掠めた
直後、悲鳴が聞こえ窓はちで染まっていた
狂ってるやだ逃げるやだ、中で何があったんだ?深く考えることは出来ない、今はただこの地獄から開放されたい
走っていると道が途切れているのがみえた。崖だろうか?よし、あそこを一か八かで、こんな地獄から抜け出せるのなら。ついた!
そのまますぐに下を見下ろすと下には絶望が僕が飛び降りるのを今か今かと待ち望んでいた。
僕の希望は一瞬にして打ち砕かれた。下を見て絶望した下には何人もの人々が槍などを構えてこちらを見ていた。諦め
すぐさま追ってきた街長に捕まった
「おかえりー」
「ひゃっはひゃつ」
「きっも!こいつ狂ったじゃない?ほんと気持ち悪」
誰のせいだ
「始めるよー」
お前を〇す
「うけるーめっちゃ血出てる」
お前の血の色をお前に見せてやるよ
怒りが湧いてくる
ガシャンっ
「なんだっ?」
その音は最初風のせいだと思った。こんなボロ屋だから風でもってかれてもおかしくない。音のおかげで苦しみは一瞬止まったけど、またここから地獄の再開だ。いつ終わるかも分からない痛みに耐える中、心は恐怖とイカリが満たしていた
キィー
ドアが開いた感じ目を向けると
そこから身長は僕より低い銀髪の少女が入ってきた。なんだ?間違えて入ってきたのか?
「逃げ……」
逃げろ!と伝えようとした時、口が止まった。犠牲者が増えてしまうと心配していた反面、彼女が来れば少しは自分への負担は減るのじゃないかと少し期待していた。その時彼女は余裕を持ちながらゆっくりと歩き入ってきた
「ひどいな」
透き通っていてどすの利いた声が小屋の中に響いた
少女が指を鳴らすと2人の頭が弾け飛んだ
ブシャー
高くきらびやかに上がる血しぶきを見ながら不思議な感覚に襲われた。今までこんな感覚なったことがなかったがすごく心が高揚しているのは分かる
なんて、なんて美しいんだ、シャワーのように飛び散る血をみながら僕はそう思った。




