第10話 約束の日
時間が止まったようだった。
目の前では、ハルと黒崎が静かに向かい合っている。
互いに木刀を構え、一歩も動かない。
ほんの数メートルしか離れていないはずなのに、その距離は果てしなく遠く感じられた。
風が吹き抜ける。
砕けたコンクリートの破片が転がり、小さな音を立てる。
周囲には能力者たちが集まり、誰もが固唾をのんで二人を見守っていた。
けれど、美咲には何も聞こえなかった。
黒崎が何かを言っている。
ハルも返事をしている。
それなのに、その声は水の中から聞こえてくるように遠く、意味を持たない音として耳を通り過ぎていく。
美咲の視界には、ただ一人の少年しか映っていなかった。
制服は破れ、あちこちが土で汚れている。
頬には乾き始めた血がこびりつき、腕には無数の擦り傷が刻まれていた。
息をするたびに肩が上下する。
立っているだけでも苦しいはずなのに、それでも木刀だけは離さない。
その姿を見ているだけで、胸が締めつけられた。
(……私のせい。)
その言葉が、頭の中で浮かぶ。
消そうとしても消えない。
(私のせいだ。)
もう一度。
心の奥から誰かが囁く。
(私が、あんな約束をしたから。)
美咲は唇を強く噛んだ。
違う。
そんなつもりじゃなかった。
ハルに苦しんでほしかったわけじゃない。
傷ついてほしかったわけでもない。
まして、命を懸けてまで守る約束にしてほしかったわけじゃない。
あの日の私は、ただ――。
「頑張れ」って。
「諦めないで」って。
笑っていてほしかっただけなのに。
それだけだったのに。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
視界が滲む。
一粒、涙が頬を伝って落ちた。
ハルは気づかない。
黒崎も気づかない。
誰も気づかない。
美咲だけが、あの日交わした約束の重さに押し潰されそうになっていた。
(もし、あの時……。)
(私があんなことを言わなかったら。)
(ハル君はこんなに苦しまなくて済んだのかな。)
そんな考えが頭をよぎる。
すぐに首を振る。
違う。
そんなことを考えちゃ駄目だ。
でも、止められない。
目の前にいるハルは、あの日と何も変わっていない。
一度決めたことは、絶対に曲げない。
誰に笑われても。
どれだけ傷ついても。
約束だけは守り続ける。
昔からそういう人だった。
だからこそ、美咲は誰よりも知っていた。
今さら何を言っても、ハルは止まらない。
止められない。
それでも――。
(ごめんね。)
(ごめんね……ハル君。)
美咲は木刀を握るハルの背中を見つめながら、小さく目を閉じた。
瞼の裏に浮かんだのは、血だらけのハルではなかった。
夕焼けの公園で、少し照れくさそうに笑っていた、小さな男の子の姿。
あの日から、すべてが始まった。
約束が生まれた、あの日の記憶がゆっくりと蘇っていく――。
――今から十年前。
春。
まだランドセルが少し大きく見える頃だった。
その日は、子どもたちにとって特別な日だった。
能力測定の日。
この世界では、誰もが幼い頃に能力へと目覚める。
どんな能力なのか。
どれほどの才能を持っているのか。
それは、その子の未来を大きく左右すると言われていた。
「じゃあ次、佐藤くん。」
教室の前に立った少年が両手を前へ出す。
次の瞬間、小さな炎が掌に灯った。
「おお!」
「すごーい!」
教室中が歓声に包まれる。
教師も笑顔で頷いた。
「火属性だな。おめでとう。」
少年は嬉しそうに席へ戻る。
「次は鈴木さん。」
今度は小さな水球が宙に浮かんだ。
「水だ!」
「いいなぁ!」
教室はまるでお祭り騒ぎだった。
一人、また一人と能力が目覚めるたびに歓声が上がる。
その中で、美咲も能力を発現させていた。
優しい光が手のひらから溢れ、教室が一瞬だけ温かな空気に包まれる。
「朝比奈さんは治癒系かもしれないな。」
「すごい!」
「優しい能力だ!」
友達に囲まれながら、美咲は照れくさそうに笑った。
でも、その視線はすぐに一人の男の子へ向く。
窓際の席で、自分の順番を静かに待っているハル。
緊張しているのか、小さく拳を握っていた。
「最後は、天城くん。」
教師に呼ばれ、ハルが前へ出る。
教室が静かになる。
ハルは深呼吸すると、両手を前へ突き出した。
「…………。」
何も起きない。
教師が首をかしげる。
「もう一度やってみよう。」
ハルは頷いた。
もう一度、力を込める。
「…………。」
それでも何も起きなかった。
教室に沈黙が流れる。
教師の笑顔が少しずつ消えていく。
「……天城くん。」
「はい。」
「落ち着いて、もう一回だけ。」
ハルは三度目の挑戦をした。
小さな手を震わせながら、必死に力を込める。
それでも――。
何も起きなかった。
教師は言葉を失う。
教室の後ろから、小さな声が聞こえた。
「え?」
「能力、出てないよ。」
「そんなことあるの?」
ひそひそ話が少しずつ広がる。
「もしかして……。」
「無能力者?」
その一言が教室に落ちた。
まるで合図だった。
「無能力者だ!」
「初めて見た!」
「かわいそう。」
「能力ないとか終わってるじゃん。」
笑い声が教室に響く。
ハルは何も言わなかった。
ただ、自分の両手をじっと見つめていた。
教師も困ったように視線を逸らす。
「……今日はここまでにしよう。」
その日の授業は、どこか重たい空気のまま終わった。
◇ ◇ ◇
放課後。
夕焼けに染まる公園。
ブランコも滑り台も誰も使っていない。
その片隅のベンチに、ハルは一人で座っていた。
ランドセルを足元に置き、俯いたまま動かない。
家に帰りたくなかった。
帰れば、お父さんとお母さんが笑顔で聞いてくる。
『能力は出た?』
その言葉を想像するだけで苦しかった。
自分だけ何もない。
自分だけみんなと違う。
その事実が、小さな心には重すぎた。
「ハル君!」
聞き慣れた声がした。
振り向くと、美咲がランドセルを揺らしながら走ってくる。
息を切らし、ようやく目の前で立ち止まる。
「探したんだから!」
ハルは少しだけ目を逸らした。
「……どうしたの?」
「帰ろ!」
いつものように、美咲は笑って手を差し出す。
けれど、ハルは首を横に振った。
「帰りたくない。」
その一言だけだった。
美咲は何も聞かなかった。
『どうして?』とも言わない。
『大丈夫?』とも言わない。
ゆっくりとハルの隣へ歩き、静かにベンチへ腰を下ろした。
二人の間には、小さな隙間がある。
その距離は近すぎず、遠すぎず。
ただ、隣にいる。
それだけだった。
風が吹き抜ける。
公園の木々が静かに揺れた。
空は少しずつ茜色へ変わっていく。
ハルは何も話さない。
美咲も何も話さない。
それでも、不思議と気まずさはなかった。
ただ同じ夕焼けを見つめる。
同じ時間を過ごす。
その沈黙だけが、傷ついたハルの心を少しずつ包み込んでいた。
しばらくして、ハルは小さく息を吐く。
誰にも聞こえないほど小さな声で呟いた。
「……ありがとう。」
美咲は返事をしなかった。
ただ、少しだけ微笑んで、沈みゆく夕日を見つめ続けていた。
その日からだった。
ハルが本当に苦しい時、何も言わず隣に座るのが、美咲の当たり前になったのは。
それから数年後。
ハルが小学四年生になった春。
その日は、いつもと変わらない朝だった。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい、ハル。」
母が笑う。
父は白衣を羽織りながら、新聞を畳んで立ち上がった。
「今日は少し帰りが遅くなる。」
「研究所で大事な実験があるんだ。」
「うん!」
ハルは元気よく頷いた。
「じゃあまた夜!」
それが――。
家族三人、最後の会話になった。
◇ ◇ ◇
授業が終わる頃だった。
教室の扉が静かに開く。
担任の表情は青ざめていた。
「天城。」
「……はい。」
「少し来なさい。」
その声は震えていた。
職員室。
見知らぬ大人が二人立っていた。
黒いスーツ。
険しい顔。
誰も目を合わせようとしない。
ハルは何が起きたのか分からなかった。
「お父さんとお母さんが勤めていた研究所で、大きな事故があった。」
その一言だけが耳に残る。
その後の言葉は、ほとんど覚えていない。
「爆発」。
「救助」。
「確認」。
「死亡」。
知らない言葉ばかりが頭の中を通り過ぎていく。
気づけば、ハルは病院にいた。
白い布がかけられた二つのベッド。
眠っているようだった。
「父さん……?」
返事はない。
「母さん。」
動かない。
「起きてよ。」
何度呼んでも。
何度肩を揺らしても。
二人は目を開けなかった。
その日から。
ハルの時間は止まった。
◇ ◇ ◇
数日後。
葬儀の日。
雨が静かに降っていた。
線香の匂いが部屋いっぱいに漂う。
「まだ小さいのに……。」
「かわいそうに。」
「これから一人で生きていくなんて。」
大人たちは小さな声で話している。
誰もがハルを気遣っていた。
けれど。
誰も近づこうとはしなかった。
何を言えばいいのか分からない。
どんな言葉をかけても届かない。
そう思っているのが伝わってきた。
ハルは祭壇の前に座ったまま、一度も泣かなかった。
ただ遺影だけを見つめている。
父の笑顔。
母の笑顔。
昨日まで、当たり前に隣にあった笑顔。
もう二度と話せない。
それだけは理解できた。
だからこそ。
涙すら出なかった。
しばらくして、小さな足音が近づく。
コツ。
コツ。
ハルの隣へ、一人の少女が座った。
美咲だった。
黒い服に身を包み、小さな手を膝の上で握りしめている。
何も言わない。
「大丈夫?」とも。
「頑張って」とも。
「泣いていいよ」とも言わない。
ただ。
静かに隣へ座る。
それだけだった。
時計の針だけが進んでいく。
一時間。
二時間。
誰も話さない。
部屋には雨音だけが響いていた。
夕方。
窓の外が少し赤く染まり始めた頃。
ハルが初めて口を開いた。
「……もう。」
声が掠れていた。
「もう一人だ。」
たった五文字。
それだけだった。
その一言が、美咲の胸を強く締めつける。
ハルは泣いていない。
笑ってもいない。
ただ、全部を諦めたような目をしていた。
美咲はその横顔を見つめる。
胸の奥が苦しい。
何を言えばいいのか分からない。
励ます言葉なんて浮かばない。
それでも。
このままだけは嫌だった。
「違う。」
震える声で、美咲は言った。
「私がいる。」
ハルは返事をしない。
視線も動かさない。
それでも美咲は続けた。
「だから、一人じゃない。」
一度だけ深呼吸をする。
そして、自分自身にも言い聞かせるように、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「これからも。」
「ずっと、一緒にいる。」
その瞬間だった。
ハルの肩が、小さく震えた。
ずっと無表情だった顔が歪む。
唇を噛み締める。
必死に堪えていた何かが、音を立てて崩れていく。
「……っ。」
一粒。
涙が頬を伝った。
それをきっかけに、次々と涙が溢れ出す。
「父さん……。」
「母さん……。」
幼い少年は、初めて声を上げて泣いた。
誰にも見せなかった涙。
誰にも見せられなかった弱さ。
それを見せた相手は、美咲ただ一人だった。
美咲は何も言わない。
ただ、泣きじゃくるハルの隣で、静かに寄り添い続けた。
その日、美咲は心の中で決めた。
(この子を、一人にはしない。)
(何があっても。)
(私はずっと、ハル君の隣にいる。)
その約束は、まだ誰にも告げられていなかった。
けれど、それは二人の運命を変える、小さな始まりだった。
葬儀から数日が過ぎた。
学校は始まった。
けれど、ハルは以前のハルではなかった。
休み時間も一人。
誰とも話さない。
先生に話しかけられても、小さく頷くだけ。
教室に笑い声が響いても、その輪に入ることはなかった。
能力を持たない少年。
そして、両親を失った少年。
幼い子どもたちなりに気を遣っているのか、それともどう接すればいいのか分からないのか。
誰もハルには近づかなかった。
放課後。
ランドセルを背負ったハルは、いつもの公園へ向かう。
誰もいないベンチ。
夕焼けに染まる空。
数日前と同じ景色。
違うのは、隣に父も母もいないことだけだった。
ハルはゆっくりと腰を下ろす。
視線の先では、小さな子どもたちが笑いながら鬼ごっこをしていた。
楽しそうな声。
その光景が、ひどく遠く感じる。
「ハル君!」
聞き慣れた声がした。
振り向くと、美咲が息を切らしながら走ってきた。
ランドセルを揺らし、いつものように笑おうとしている。
でも、その笑顔はどこかぎこちなかった。
「またここにいた。」
ハルは小さく頷くだけだった。
美咲は何も聞かず、いつものように隣へ座る。
二人の間に沈黙が流れる。
風が吹く。
ブランコが静かに揺れた。
しばらくして、ハルがぽつりと呟いた。
「……もう頑張る意味ない。」
美咲は顔を上げる。
ハルは夕焼けを見つめたまま続けた。
「父さんも母さんもいない。」
「能力もない。」
「何もない。」
「頑張っても、何も変わらない。」
その声には怒りも悲しみもなかった。
ただ、全部を諦めてしまったような静けさだけがあった。
その言葉を聞いた瞬間、美咲の胸の奥で何かが弾けた。
「何もないなんて言わないで!」
思わず立ち上がる。
ハルが驚いたように美咲を見る。
美咲の目には涙が浮かんでいた。
「ある!」
震える声で叫ぶ。
「あるよ!」
「私がいる!」
その一言に、自分でも驚く。
でも、止まらなかった。
「能力なんかなくても、ハル君はハル君!」
「優しいところも!」
「困ってる人を放っておけないところも!」
「誰よりも頑張り屋なところも!」
「全部知ってる!」
「私は知ってる!」
涙が次々と零れ落ちる。
「だから、そんなこと言わないで……。」
「お願いだから、自分には何もないなんて言わないで……。」
ハルは黙って美咲を見つめていた。
その瞳に映るのは、自分のために泣いてくれている幼馴染。
両親を失ってから、ずっと心の中に閉じ込めていた冷たい何かが、少しだけ溶けていく。
気づけば、口元がわずかに緩んでいた。
「……美咲。」
「え?」
「ありがとう。」
それは、両親を亡くしてから初めて見せる笑顔だった。
ほんの少しだけ。
でも確かに笑っていた。
その笑顔を見た瞬間、美咲も泣きながら笑った。
「やっと笑った。」
「その顔の方が、ハル君らしい。」
ハルは少し照れくさそうに頭を掻く。
そして、夕焼けに染まる空を見上げながら静かに言った。
「じゃあ、一つ約束する。」
美咲は首を傾げる。
「約束?」
「ああ。」
ハルは真っすぐ美咲を見た。
「俺は絶対に諦めない。」
「能力がなくても。」
「何を失っても。」
「何度負けても。」
「絶対に前を向いて生きる。」
「だから――。」
「これからも俺を見ていてくれるか?」
美咲の目から、また涙が溢れた。
嬉しかった。
ハルが前を向こうとしていることが。
もう「何もない」と言わなくなったことが。
美咲は何度も頷いた。
「うん!」
「もちろん!」
そう言って、小さな小指を差し出す。
「指切りしよ!」
ハルは少し笑って、自分の小指を重ねた。
二人の小さな指が絡む。
「私も約束する。」
美咲は真っすぐハルを見つめた。
「私はずっと応援する。」
「どんな時も。」
「何があっても。」
「ずっとハル君の味方。」
ハルはゆっくりと頷いた。
「ああ。」
「約束だ。」
二人は声を揃える。
「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます。」
小さな指が離れる。
夕日が二人の影を長く伸ばしていた。
この日交わした約束が、何年経っても二人を支え続けることになるとは。
まだ幼い二人は、知る由もなかった。
――記憶が途切れる。
夕焼けの公園。
幼い二人の笑顔。
小さな小指を結んだ約束。
そのすべてが、ゆっくりと現在の景色へ溶けていく。
目を開ける。
そこにいるのは、あの日の少年ではない。
全身を傷だらけにしながら、それでも立ち続けるハルだった。
制服は裂け、腕には無数の傷。
頬を伝う血は乾き始め、それでも木刀を握る手だけは少しも震えていない。
その姿を見た瞬間、美咲の瞳から涙が溢れた。
(……違う。)
胸が苦しい。
息ができない。
(違うよ。)
心の中で何度も叫ぶ。
(あの時、言いたかったのは、そんなことじゃない。)
諦めないでほしかった。
でも。
命まで懸けてほしかったわけじゃない。
強くなってほしかった。
でも。
こんな傷だらけになってほしかったわけじゃない。
約束を守ってほしかった。
でも。
約束のために、自分を壊してほしかったわけじゃない。
美咲は強く首を振る。
(私は……。)
(生きていてほしかった。)
ただ、それだけだった。
能力なんてなくてもいい。
試験なんて落ちてもいい。
誰に笑われてもいい。
世界中がハルを認めなくてもいい。
だから。
生きていてほしかった。
また一緒に帰り道を歩いて。
くだらない話をして。
夕焼けを見ながら笑って。
そんな当たり前の日々が、ずっと続いてほしかった。
(ずっと……笑っていてほしかった。)
それだけだったのに。
どうして。
どうして、こんな約束になってしまったんだろう。
美咲は震える手で口元を押さえる。
涙が止まらない。
目の前では、ハルが静かに木刀を握り直していた。
その横顔には迷いがない。
あの日、公園で見せた笑顔のまま。
約束を信じ切った少年の顔だった。
だからこそ、美咲には分かってしまう。
もう、止まらない。
どんな言葉も届かない。
ハルは最後まで戦う。
約束を守るために。
美咲は一歩前へ出る。
声を出そうとする。
喉が震える。
何度も息を吸って。
ようやく絞り出した。
「お願い……。」
ハルの肩がわずかに動く。
けれど、振り返らない。
美咲は涙で滲む背中を見つめながら続ける。
「もう……。」
「もう頑張らなくていいから……。」
小さな声だった。
泣きじゃくる子どものように震えた声。
それでも、その願いは届かない。
ハルは前だけを見つめていた。
静寂の中。
黒崎がゆっくりと木刀を持ち上げる。
無駄のない構え。
一切の隙がない。
対するハルも、静かに木刀を構えた。
互いの視線が交わる。
一歩。
また一歩。
二人の距離が縮まっていく。
美咲には、それが運命そのものが近づいてくる音のように聞こえた。
涙で滲む視界の中、二人の木刀がゆっくりと交差する。
そして――。




