第12章 東の国の陰謀 東からの使者Ⅳ⑦
「お前ならそうなるか。まあいい、それで本当は何をしに来たんだ?」
さすがにシェラックもロックが暇を持て余して来たとは思っていない。
「そうだな、少しだけ相談がある、ってところか」
「珍しいな、お前が他人を頼るなんて」
「まあ、魔道のことはよく判らないからな」
「そう言うことか。それで何を聞きたいんだ?」
ロックはシューリーと言うズィーイ皇国の魔道士がルークかリロンの命を狙っていることを話した。
ロックが聞きたいのは二人に気が付かれないようにシューリーを始末するか暗殺を止めるにはどうすればいいのか、ということだった。
「なぜ二人に相談しない?」
確かに本人たちに相談する方が早い。
「それはだな。二人に相談してしまうと狙われていることに気付いている、ということを相手も気づいてしまうからだ」
ロックが言うには暗殺を思いとどまってしまうと捕まえたり倒したりできない、ということだった。実際に襲うか襲う寸前まで行ってくれないと相手を叩けないのだ。
「暗殺しようとしていることは確かなんだな?」
「多分。気づかれないように気配を消して近づいていたから細かくは聞き取れなかった。ただルークとリロンの名前、あと暗殺と言う言葉は確かだ」
「そもそも何故ズィーイが二人を暗殺する必要があるんだ?」
そこはロックにも判らなかった。ルークとリン次官の元を訪れた時はルークに力を貸して欲しいような話だったはずだ。それを断った途端暗殺では行動が荒すぎる。
「なぜだろうな。お前には想像つかないか?たとえばお前がリン次官だったら何故二人を暗殺する?」
ことが陰謀となるとルークやリロンに相談するよりシェラックが適任だとロックは思っていたのだ。
「そうだな。リン次官の目的が戦争ではなくシャロン公国を内から魔道の国に作り替えて実質支配を考えているのであれば二人を暗殺するのは愚策だと思うが」
「そうだよな。太守に近い立場の二人を殺してしまったら、その州には入り込むことが出来なくなってしまうだろう」
「珍しく頭を使って考えているな」
「珍しく、は余計だ。その程度のことは俺でも判る。だからこそ二人の暗殺の真意を測りかねている」
「単純な話かも知れないな」
「単純な話?」




