第12章 東の国の陰謀 東からの使者Ⅳ②
「言わない、のではなく、無いものは言えないのですよ」
「判った、もういい」
それだけ言うとロックは部屋を出て行ってしまった。
「何だったんだ?」
「判りません。ただ奴が魔道中心の国を望んでいないことは確実でしょうね」
「私の邪魔をする、ということか」
「それを確かめに来た、ということではないでしょうか」
「私は奴を決定的に敵に回してしまった、ということだな」
「仰る通りかと」
リンとしては後悔しても仕方ない。具体的には何一つ話さなかったのでロックか邪魔をしようとしても対処療法しかないだろう。
リンとしても大規模に事を起こそうとしている訳ではない。魔道士には魔道士なりのやり方と言うものがあるのだ。
「いずれにしてもロック=レパードも監視対象に入れておくのだ」
「判りました、手配します。但し、奴も魔道士ではありませんが気配を察するのには相当長けています。すぐに気づかれるのではないでしょうか」
「暗部では無理だと?」
「先日暗部の者はシェラック=フィット配下の者と接触してしまっておりますので」
「つくづく使えない奴らだ。もう少しましな暗部を連れて来れなかったのか?」
「リン様子飼いの者たちですが」
そうだった。リンが直接指導した暗部を今回は連れて来ていたのだ。
「私の指導が甘かったとでも言うのか?」
「いいえ、そうではありませんがロック=レパードもシェラック=フィットも一筋縄ではいかないとご認識ください」
「判っている。結局少し使えるとすればシューリーだけか。あいつは私の言う事をあまり聞かないからな」
「私の方からも釘を刺しておきますがただ」
「ただ?」
「シューリーが暴走してルーク=ロジックかリロン=レインを襲わなければいいのですが」




