第12章 東の国の陰謀 東からの使者Ⅲ⑥
「なぜだろうな」
「私に何かをさせようとしているのか?」
「何かしてくれるのか?」
実際の所、既にズィーイ皇国の暗部とは接触というか衝突してしまっている。こちらがグロシア州騎士団だとはまだ知らない可能性はあるが。
「私一人では何もできないだろう」
「そうだな、お前一人では何もできないだろう」
ロックはシェラックを揶揄っている。それをシェラックも理解している。
「わかった、わかった。ウチの配下に何をさせればいいんだ?」
ロックはシェラックの配下の者が何人もザグレブに居ることを認知していた。それはルークたちが魔道で感知するのとは違う。ロックはただその気配だけで察知しているのだ。
「ズィーイ皇国の、なんと言うんだったか」
「暗部か」
「そう、その暗部の所在を掴んで教えてくれないか」
「教えてどうする?」
「ズィーイ皇国の目的を聞き出す」
「それは死んでも言わないと思うが」
「そう言うものか」
「暗部であれぱ、そうだろうな。ウチの配下の者であれば敵に捕まった時は自ら死を選ぶだろう」
「そんな話を聞いたら頼めなくなったじゃないか」
「なんだ、優しいものだな。剣以外はからっきしということか」
「放っておけ。俺には剣だけあれぱいいんだよ」
「忠告しておくぞ。いつかその優しさがお前の身を亡ぼすことになりかねないとな」
「肝に銘じておくさ。それにしても、さて、どうしたものか」
「なぜお前がズィーイ皇国の意向を探りたいんだ?」
「だから魔道中心の国になってもらっては困るからだ」
ロックは真剣だったのだ。




