第12章 東の国の陰謀 東からの使者Ⅲ③
「それはちょっと怖いな。まあ覚えておこう」
シェラックとしては剣の腕で何かを解決するという思考がなかったのだ。
「ところでお前はどうして私の居場所を見付けられたんだ?」
シェラックにしてみると魔道では探知されないよう注意を払っていたはずだった。
「勘だ」
「それは本気で言っているのか?」
「もちろん。俺が魔道を使えないことは知っているだろう」
確かにロックが魔道を使っているところは見たことが無かった。
「勘で私の居場所を見つけたと?」
「そう言っているだろう」
嘘を吐いている様には見えなかった。魔道を使うよりも質が悪い、対処できないとシェラックは思った。やはり色んな意味でロック=レパードとは敵対しないのが得策のようだ。
「で、私を探して何の用なんだ?」
ロックがシェラックの何かの用があるとは思えなかった。
「お前がユスティのことを放って何かをしようとしていることに興味があってな」
ロックとすればユスティの件には助力が出来ない。逆にシェラックであればユスティの力になれることはある筈だった。
それなのにシェラックはユスティを看ないで出て行ってしまった。ユスティの件で何かをしようしているのであれば問題ないのだが、そうでなければ一体何をするつもりなんだ?、とロックは訝ったのだ。
「ユスティの件で私にてきることはありませんよ。何かの病気であれば医者の範疇ですし、何かの魔道であればリロンやルークが対処するでしょう。今の私にできることはない」
それは少し自虐気味に聞こえた。
「なんだ、拗ねているのか?」
「すっ、拗ねてなんかいない。本当の事を言っているだけだ」
本来のシェラックの姿はまた別物だったはずなのだが、本人も思っていない所でシェラックにとってユスティの存在は大きいものになっていた。
「それで結局何をやっているんだ?」
ロックがシェラックを見付けた場所はザグレブ市内から少し外れた店だった。




