第12章 東の国の陰謀 東からの使者Ⅲ
「序列の数字は強さではないそうです」
「なんだ、違うのか」
「数字持ちと呼ばれるようになった順番というのが一番有力な説だそうです」
「そういわれている、という程度の話か。まあ十三人という数字持ちが居るのであればシャロン公国の魔道の頂点が十三人ということなのだろう。そいつらには関わらないようにしないとな」
「彼らや彼女らは世俗の事には殆ど干渉しないと言われています。前回の戦争時にも参戦しませんでした」
「その相手に負けた、ということなのだがな。参戦されていたら、もっと一方的な戦いになったことだろう」
「それと」
「なんだ、まだ何かあるのか?」
「数字持ちの魔道士は序列1位から序列13位まで居るそうなのですが、実はもう一人」
「もう一人?」
「はい。序列を言うのであれば序列0位がいるそうです」
「0位とは、どういう意味だ」
「数字持ちの魔道士の上に立つ、ということだそうです」
「数字持ちよりも強いのか」
「強いと言いますか、最早伝説だと」
「伝説の魔道士」
「そうです。シャロン公国建国時にシャロン公国初代公王マーク=レークリッドと共に戦ったと言う魔道士です。名をオーガ、光のオーガというそうです」
「シャロン公国建国時だと?100年以上前の話ではないか」
「今がシャロン公国暦137年ですから137年ほど前に事になります」
「そんな長生きな人間がいるものなのか」
ズィーイ皇国では魔道士といえども70歳が寿命と言われている。それはシャロン公国でも大差ない。
「数字持ちの魔道士には何人も百歳を超える者がいるそうです」
「そこから違うのか。我が国の魔道士とは別物と考えねばならんということだな」
「いずれにしても数字持ちの魔道士は化け物です。出来るだけ関わらない方が」
「そういうことだな。幸いプレトリア州には今数字持ちは居ないと聞いている。こちらから態々関りを持ちに行かない限り問題なかろう」
そう言いながらもリンは一抹の不安を抱えていた。今は居ない、ということは今後来るかもしれないからだ。




