第12章 東の国の陰謀 東からの使者Ⅱ⑨
「なるほどね」
ルークの元にジェイが戻っていた。
(では、またあの者の元へと戻るとしよう)
「ありがとう、助かるよ」
(本当にそう思っておるのか?)
「本当にそう思っているよ、少なくとも僕はね」
ロックのことは知らない、ということなのだ。
「そうはそうとロックとシェラックの居場所は知らない?」
(そこまで手は回らんわ)
「まあ、それもそうだね。ごめん、とりあえずリン次官を中心に頼むよ」
(リンだけ、でなく中心に、というのだな)
「出来ないなんて言わないよね」
(そうは言わんが、魔道士を見張るのは骨が折れることを知らんのか?)
「りかいしているつもりだよ。それでもジェイなら、ってことさ」
(もういい、いつまでもここに居るとさらに仕事が増えそうだ、行くぞ)
「うん、任せた」
ジェイの気配が消えるとリロン所長がルークの部屋に入って来た。
「使い魔さんは行きましたか」
「ええ。リン次官は」
ルークはジェイが見たリンの様子をリロン所長に報告した。
「まあ、そんなところでしょうね。誰かの命を狙ってきている、というのでなければ容認するしかないでしょう、相手は一応隣国の正式な使節団なのですから」
「そうですね。ただ暗部を使って何をしてくるかは今後の動向を見て行かないと」
「確かに。いきなり父の命を、ということはないでしょうが、ユスティさんの命を人質に取って事を優位に進めようという手合いですから何をしでかすか十分留意しておかないといけませんね」
「一番弱い所を突いてくるあたりかなり質が悪いと思いますね」




