第12章 東の国の陰謀 東からの使者Ⅱ③
ルークがユスティの部屋を訪ねるとユスティは寝ていた。
ルークは部屋に居たサキと部屋を出て話すことにした。
「サキさん、悪いね」
「いいえ、でも心配ですね」
「ああ。何かの病気なのかな?」
「所長が癒しの魔道を掛けてくださったのですが、どうも熱が下がらないのです。もしかしたら呪術かも知れないと仰っていました」
「呪術だって?その可能性もあるんだね。よし僕もちょっと見てみよう」
ルークは一人でユスティの部屋に戻った。そこで呪術探知を始める。
「特に変なところは見られないな」
ルークが見ても何かの呪いが掛けられている様には見えなかった。
「もしかしたら僕が認知できないほどの魔道士かも?」
その可能性はあった。高位の魔道士であればその呪術を他者に悟られないようにするのはできるかも知れない。
「まさかね。でも数字持ちの魔道士であれば十分可能というところかな」
今プレトリア州で確認されている数字持ちの魔道士は居ないはずだった。
プレトリア州魔道士団副団長のヤキム=ドールの呪術であればルークは見破る自信があった。ただ団長は会ったことが無いのでその力は判らない。
「何かただの病気なんだろうか?」
とりあえず様子見をするしかなかった。
「ごめん、サキさん。呪術は認知できなかったよ。普通に看病を続けて欲しい。何かあったら直ぐに報告してくれると有難いな」
「判りました」
サキにはリロン所長以下、今研究所に居る全員の身の回りの世話をお願いしているので負担が大きくなってしまう。
「しばらくはユスティの世話を重点的にお願いするよ」
それだけ告げるとルークはまたリロン所長の部屋に戻った。
「やはりユスティは体調が悪いようですね。呪術の可能性も調べてみましたが、どうも発見はできませんでした」
「そうですね。私もそれは思いましたが、何も探知できませんでした。良くなればいいのですが」




