第12章 東の国の陰謀 東からの使者⑥
ルークを迎えに来た魔道士は、余計な者を連れて行っていいものか、悩んではいたが二人を相手に制圧できるとも自信を寡占してはいなかった。
ただルーク一人なら、とは思っている風だった。そのあたりで自分の中で折り合いをつけたのだろう。二人だったので仕方ない、と。
魔道士は姿を消したままだったが、その気配を態と判るように先導していたので迷う事は無かった。
ただ目的地はすぐに判った。ザグレブの中心街から少し北東に向かった高台に聳える黄馬城だ。
「侯爵ということではないんでしょうね」
「まあ、侯爵なら普通に招くだけだろうな。一度来ていることだし」
「ということは、まあ予想通りですね」
「今、城に滞在しているのか?」
「それはそうでしょう。一応他国の使節団ですから」
(なんだ、結局お前たちも来たのか)
先行して探りを入れてていたジェイだ。同行している魔道士には気づかれない様にちゃんと気を付けている。
(さすがは元ステファニー=メイスンの使い魔)
(それは褒めておるのか?下ではなく、今でもだがな)
(それで何か判った?)
(ズィーイ皇国の使者の名はリン=ソウシュク。ただの外交官のようだな)
(そうなの?もう少し偉い人が来ているのかと思ったんだけど)
(いや、ただ功績をあげて国に戻れば皇国内のどこかの国の王になるらしい)
(王?そうか、シャロン公国で言う州の太守みたいなものだね。王という事はその国が全て領地と言うことになるかも知れないね。とすると太守よりも格は上かな)
(そのあたりのことは儂にはよく判らんな)
(いいよ、ありがとう。引き続き探ってくれる?その外交官の人となりとか)
(承知した。ではまた後で)
ロックも話の内容は聞いている。まあ口を挟むつもりもなかったが。




