第12章 東の国の陰謀 東からの使者⑤
その甲斐があったのか、存在を隠そうともしない、ただ姿は見えない者から声を掛けられた。
「ルーク=ロジックだな」
「そうだけど、あなたは誰です?」
そのまま名乗るとも思えなかったが一応ルークは聞いてみた。
「我はさるお方の配下の者だ。付いてきてもらおうか」
「さるお方ね。それだけでは流石に付いてはいけないな」
「素直に付いてこないのであれば力尽くでも連れて行くことになるが」
「力尽くねぇ。でもあなた達は魔道の方が得意じゃないの?」
相手は自分たちの存在がルークに知られている、と理解したようだ。
「我らのことを知っておるのであれば、聞く必要も無かろう。黙って付いて来い」
「強引だなぁ。で、二人で行ってもいいかい?」
「二人?」
「もう一人は俺だよ」
そこにはロックが立っていた。姿の見えない相手には気づかれないよう忍び寄っていたのだ。
「おっ、お前はいつの間に」
「なんだよ、ちゃんと気づいてくれないと張り合いがないじゃないか」
「ロック、無理を言ってはだめだよ、彼らは魔道士であって剣士ではないんだから」
「いや、それにしても我が探知できないとは」
「まあ、ルークに探知魔道を潜り抜ける魔道を掛けてもらっているからな」
ロックには魔道士の結界や探知に引っかからないよう事前に阻害する魔道を掛けてもらっている。ただし高位の魔道士には通用しない。相手はそれほどの手練れではない、ということだ。
「それで二人でもいいのか?」
「そちらの確かロック=レパードたったか、お前は連れてこいとは指示を受けていない」
「俺と2人でないとルークは付いて行かないぜ。それともここで俺たち二人を相手するか?」
声の主は少しだけ考えて直ぐに結論を出した。
「判った、二人とも連れていこう。それなら大人しく付いてくるのだな」
「さっきから、そう言っているだろう」




