憧憬ー2
寝落ちて間に合いませんでした。朝更新です。
この日は遅いので、実際に夢に行くのは次の日にしようという事になり、俺は相変わらず大学に来ている。
「よっ、今日は早くからちゃんといるな。」
「せっかく早く来たから最初の一声は美女が良かったな。」
後ろからかけられた声に皮肉で返す。
「はっはっは、そりゃ俺もだ。」
「てかな?聞いてくれよ〜この前の合コンでな…」
今日も日常が流れて行く。
「…というわけで今日はリベンジだ!今日こそ来るだろ?」
「悪いな。今日も約束があるんだ。」
「最近付き合い悪いなぁ。サークルにもしばらく顔出してないんだろ?さては女か!?女なのか!?」
「約束があるだけだよ。女……まぁ、そうなるのか。」
少なくとも女の子と約束している。そういう関係ではないが。
「ちくしょう!今に見てろ!明日会う時には綺麗な美人の彼女を紹介してやる!!!」
「はいはい。楽しみに待ってるよ。」
「余裕ぶりやがって、ちくしょー!!」
…あいつに彼女ができる日は来るんだろうか。
♢ ♢ ♢
夜、ユメセカイに落ちる。
昨日も星を見ながら寝たので丘の上で目が覚めた。
「お兄ちゃん、起きた?」
隣で澪が横になっていた。
「あぁ、おはよう澪。」頭を撫でる。
「えへへ。おはよう。」
少し話しているうちに、2人も来た。
「…こんばんは。お待たせ。」
「早かったね〜」
「澪と遊んでるからもう少し遅くても良かったが。」
「いや〜移動もあるしね。後は動きながら話そう。まずは普通のユメセカイに出ようか。」
みんなで動く。
「そういえばここは俺が作ったセカイ?なんだよな?どうやって出ればいいかわからないんだが。」
「簡単簡単。セカイの端まで行けばいい。幸いキミのセカイは町一つ分くらいだし、この丘は端っこの方だからすぐだよ。」
少し行くと、景色の先が水面みたいに揺らいでいる場所があった。一部裂けて穴が空いている。
「そこから入ってきたんだ。」
確かにここまでは来たことはなかった。
「さぁ、久しぶりの外出だね。緊張する?」
「まさか。さぁ行こう。」口では強がったが緊張しながら穴をくぐる。穴の中は真っ白で先が見えない。足元の感覚が消えたと思うとすぐに着地する。段々と景色に色がついてきて周りを見渡すとー
うちの前だった。
しかも澪と過ごしていた実家では無く、一人暮らしのマンションの前だ。
「あれ?ここは?なんで?」
「お兄ちゃん、落ち着いて?」
「い〜いリアクションだね〜。」
「…自分のセカイはその人が寝ている場所に出るの。あなたの場合反応したのがこのマンションだったからここに住んでるのはわかるわよ?流石に部屋まではわからないけど。」
「……まぁいいさ。で?ここから新東京中央病院までどうやって行くんだ?」
「それはね〜」
真琴が指を鳴らす。光が集まりー
軽自動車が駐車していた。
「…流石に運転で行くには遠くないか?」
「チッチッチ」指を振る姿に少し苛立ちを覚える。
シャキンと小気味いい音と共に翼が出てきた。
「いや、飛ぶんかい。」
「えー!!空飛ぶ車だー!ホントに空飛べるの?」
「もちろんだとも!さぁ乗った乗った!」
澪が助手席に座りたがったため、必然的に後部座席に栞と2人になる。少し緊張する。
「シートベルトは締めたね?じゃあテイクオフ!!」
いい感じのエンジン音と共に走り出し、スピードを上げたと思うとあっという間に空に浮かんでいた。
「わぁ…見て見て…お兄ちゃん。本当に空を飛んでるよ!」
「あぁ。そうだな。」
ふと疑問に思った事を聞いてみる。
「現実以上の物は作れないんじゃなかったのか?」
「…空飛ぶ車はね。法律上認められてないだけで、もう開発されてるのよ。」
「いやー子どもの頃の憧れだったんだよねー空飛ぶ車。免許もなしで飛ばせられてるんだからユメセカイはいいよね!」
「免許…無いのか!?」
「まだ制度化されてないんだからあるわけないでしょ?ユメなんだから細かい事を気にしないの!」
少し運転が不安になった
「運転しながら、九条さんについて追加情報ね。NESTで再調査の結果認知症で間違いなさそう。」
「簡単にレポート作っといたから着くまでに読んどいて。」
パラパラと読みながらめくる。
簡単って言った割には結構細かく調べてある。
「剣道八段?ってどのくらいすごいんだ?」
「ん〜事実上の最高段位だって。結構剣道の世界だと有名な人だったみたいよ。」
「そんな人とチャンバラやるの俺…?」
「まぁ、ルールなんてないし武器も選びたい放題だし、ゼロではないんじゃないかな?」
「いや,限りなくゼロじゃないか?自慢じゃないが竹刀とか握った事もないぞ。」どんどん不安になってきた。
「大丈夫大丈夫〜!ちなみに私の車は燃費ゼロ!」
「ユメだからな。」
前で澪が吹き出すの聴きながら俺は不安を消せなかった。
♢ ♢ ♢
一面のひまわり畑。夏の照りつけるような日差しの中でわしは刀と一本になる。一振り。集中して切る。
よし、体のキレは悪くない。
今日あたり誰か来るじゃろうか。また一太刀でも交えたい。
いつぞやのお嬢ちゃん達は強かったが剣士ではなかった。他は論外だ。
もう一振り。風を切る気持ち良い音と共に振り下ろす。
あぁ、お願いだ。
誰か思いっきり
刀を振らせてくれ。




